安全ちゃん(1)本当に夢に向かって歩き出すための、10の秘訣-あるいは無気力大陸からのエクソダス-

highstone

2011/9/6

この企画は、清貧&妄想&アナーキーな安全ちゃんが書物の内容を実践し、時には大いに紆余曲折しながらリッパな人物へと成長していくさまを綴る、妄想と感動のドキュメンタリーである。
 

魂を闇に売り渡し、資本主義を討つ!

安全ちゃんとしてインターネットに生を受けて早三年。「世界人類の平和」というお題目を掲げ活動しているものの、その実態はあまりにも卑小。私はのんきにインターネットにあけくれている間にも、子どもマフィアたちは無邪気に敵対勢力を虐殺し、ネットのみんなは集団自殺。世界は平和とは程遠い。このままでは「安全ちゃん」という二つ名返上の憂き目にあう日も近い!

 

 

今こそ言い訳だらけのなまぬるい人生に終止符を打つとき。これまで順調なキャリアダウンを果たし、「自分らしい生き方(無職・貧困など)」を実現してきた私であるが、これからは全力で金と権力を奪取し、政治闘争を潜り抜け、平和への道を駆け上がると決めた。たとえ、魂を悪魔に売り渡しても……。

というわけで、世界を操る闇の平和主義者として暗躍する平和の鬼人となるために、世の古今東西の成功本、その他あらゆる本を読みあさり、その内容をおおいに実践し、時にはサクセスを成し遂げた皆様に教えを請う……というこの連載。 平和構築界のフィクサーを目指す、ヘル・エッジ・ロードへの道程がいま、始まった!

 
「このままでいいのか」。成功本が地獄から呼びかける。

ウッカリ壮大すぎる野望を抱いてしまったものの、現時点での私は、とにかく争いごとを避け、事を荒立てず、長いものには巻かれ……といったハト派そのものの人生を送ってきた、一介の小市民にすぎない。現状から「中東和平プロセスの青写真に安全ちゃんの影」とか「ギリシャ暴動写真に必ず現れる、反逆の安全ちゃんは何者?」とか噂される存在になるには、このままではダメだということは明らか。だが、具体的に何をすればいいのか……。

 

そんなとき目に入ったのが、南壮一郎『絶対ブレない「軸」のつくり方』という本

紙絶対ブレない「軸」のつくり方

南壮一郎/ダイヤモンド社

「このままでいいのか」ーカネなし、コネなし、実績なしのどん底から、楽天・三木谷社長を20分で口説き落とし、「楽天イーグルス創業メンバー」へ!イチローのエージェントも認めた「突破力」と、夢への「一歩の踏み出し方」とは。

作品を読む

「このままでいいのか」という問いかけ、そして「カネなし、コネなし、実績なし」という状況……まさに今の私のためにあるような本じゃないか! この偶然の出会いにデスティニーを感じた私は「とにかくこの本を信じて、書かれていることをマネしてみよう!」というまっすぐな気持ちで、本をレジへと持っていったのだった。何気なく手に取ったこの一冊が、わが身を焼き尽くす自己分析地獄への入り口だったことも知らずに……。

 
 
気が付けばそこは情熱大陸……。

この本は、まず第一章で著者・南壮一郎氏自身が「どのように自分の夢を見つけ、夢に向かって走り出したか」が語られ、二章以降で自分の経験をふまえた、読者への具体的なノウハウが語られるという形になっている。

なかでもぜひ読んでほしいのは第一章だ。南壮一郎氏のやる気は凄まじく、まるで松岡修造が三体同時に憑依したかのようなテンションで、やることなすこと全てがエネルギーに溢れている。

 

モルガン・スタンレー投資銀行部門でM&Aに携わり、バリバリと音を立てて仕事をしていた南氏。充実した毎日を過ごしていたが、ワールドカップ・日本戦で、大量の涙を流して日本勝利の興奮にふるえていたそのとき、ふと今までの人生に疑問を抱く。

「今の仕事で、鳥肌が立って涙する瞬間はあるか?」

自分の進むべき方向を見失い、社内でもノイローゼになったと噂されるほど悩んでいたある日、氏は新人研修のとき、社長が言っていた言葉をふと思い出す。

「やりたいことをすべて書き出せ!」

社長の言葉を信じ、思いつくままにやりたいことを紙に書きつけていくと、それはたちまち1000個を越える長大なリストとなっていった。あまりの多さに思わず頭を抱えた氏であったが、リストを眺めているうちに、自分には「スポーツが好き」「人が好き」「商売が好き」という軸があることに気づく。

「スポーツビジネスの世界に飛び込もう!」 そう決意した南氏は「メジャーリーグ全30社に手紙を送る」「アメリカに飛び、アポなしでスポーツエージェントのオフィスまで直談判する」などの行動を開始。相手の懐に飛び込むことで、通常であれば会えないような大物と接触することに成功し「強く思えばどんなこともできる!」と確信。「ここで勝負をかけよう」と会社をやめてしまう。しかし結局仕事には結びつかず、フットサル場の受付や、楽天のM&A事業の手伝いをして食いつなぎながら失意の日々を過ごすことに。そんなある日、楽天が球団立ち上げのニュースが目に飛び込んできた。

 

とてつもない行動力で夢に向かって突き進んでいく氏の生き様を知り、文章の隙間からほとばしる情熱のオーラをひとたび浴びれば、だれもが「こんなすごい人がいるんだ……!自分も南氏のように頑張ろう!」とテンションが高まらずにはいられない。この本には「読むだけでやる気がみなぎり、急激に意識が高まる」という、ドラッグさながらの覚醒作用があるのだ。

特にショッキングだったのは、憧れの大物に会うため、電話で「以前あなたから頂いた手紙に"サンフランシスコに来ることがあったら連絡を"と書いてあったので来ました」とホラを吹き、その後何時間も会社の前で本人が現れるのを待ち続けたというエピソード。その大胆さたるや太陽を目指し飛んだというイカロスさながら……。勇気ひとつを友にして、あらゆる困難に挑みまくる氏のやる気は本当にすごい。そして、持前の知恵と勇気だけを武器に、業界の大物への面会を次々と実現してしまう様はまさに圧巻だ。

影響されてすっかり躁状態となった私は「私もはやく無気力大陸からのエクソダスを果たさなくては!」と盛り上がっていた。 さっそく、本に書かれていたことを自分なりにまとめることに。