【「無理していた自分を慰めてくれる」と話題の本】やる気がどうしても出ないとき/大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした①

文芸・カルチャー

公開日:2021/9/4

韓国国内著者累計55万部突破、「BTSおすすめの作家」としても話題のクルベウ氏による『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(ダイヤモンド社)。
日本でも6万部を超え、「疲れているとき、つらいときに読みたい」「優しい言葉に癒される」と話題になっています。
本書から、いま、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしているあなたに届けたい5編を、全5回で紹介します。

大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ:著、藤田麗子:訳/ダイヤモンド社)

やる気がどうしても出ないとき

やる気を失った娘に、母が言った。

人生は長いから、今日1日ぐらい無気力でも大丈夫よ。
明日も明後日もやる気が出ないように思えても、
絶対そんなことはないから。

未来はあなたの予測しているものとは大きくちがっていて
いろいろなことが繰り広げられるの。
今、何もする気が起こらない理由は
未来も今と同じ状況だろうと考えているからよ。
今のつまらない人生が
これからも同じように続いていく気がするせいなの。

今あなたがつらいのは、
やる気が起こらないからじゃなくて、
この先も変わらないように思えるからよね。

未来が今と変わらないなんてことはないわ。
まったく同じ日はないの。
だから今日は無気力でも大丈夫。

毎日を生きる中で無気力になったのだとしたら、
それはたぶんあなたが持てる力のすべてを使ったということよ。

たとえば何かに必死で挑戦したのにうまくいかなかったり、
努力しても恋が実らなかったり、
一生懸命悩んでも解決しなかったり。
そんなふうにありったけの力を使ったあとは
新しい力を出すための時間が必要だから、
立ち止まって考えることができるように無気力さがやってくるの。

今やる気が出ないからと言って、
自分はダメな人間なんだと思わないで。
あなたはこれから素敵な人になる日のための準備をしているの。

ママも20代、30代がいちばん無気力だった。
何ひとつ思いどおりにならなくて。

ある日、思ったの。
私は焦りすぎて、うまくやらなきゃという気持ちにとらわれて
すごく多くのことを一気に解決しようとしていたんだ。
たくさんのことを成し遂げなきゃいけないと
思っていたんだな、って。

若い頃はそういうものよ。
足りないものが多いから、
早く何かを成し遂げなければならないと思って、
自分が考えられること以上に、
自分が努力できること以上に
はるかに多くのことを考えて努力することになる。
そして、すぐに疲れてしまうの。

目標を減らして、うまくやろうと思わずに肩の力を抜いたら、
できることが見えるようになってきたわ。
自分ができるぶんだけ
1つずつ挑戦して成し遂げていった。
焦らないようにしたら、
自分に合ったスピードが見えてきたの。

誰もあなたを責めたりしないよ。
だから自分をとがめることのないようにしてほしい。

自分を厳しく責めてしまったら、
心が疲れて、目標に達する前に
投げ出してしまうかもしれない。
そうしたらもっと大きな後悔をすることになる。
ベストを尽くせないから。

1等賞じゃなくていい。
2等賞じゃなくてもいい。

自分のスピードを見つけてほしい。
やる気が出ないなら、
今はちょっとスピードを落とせばいいの。

心配しすぎたり、不安になったりしなくていい。
今日は無気力でも大丈夫。

好きな音楽に浸って
軽いお酒に酔って
これからのことをゆっくり計画してみるのもいいと思うわよ。

<第2回に続く>

あわせて読みたい