未来は今の延長線上にある! 誰かのせいにするのではなく、「自分の意思」を持とう/努力の習慣化

ビジネス

公開日:2021/10/3

努力の習慣化

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:

 「Vプレミアリーグ最優秀新人賞」など、数々の記録をもつバレーボール選手・柳田将洋さんが、努力の習慣化する秘訣を公開。自然と努力を行えるようになったキッカケや思考法は何か? 目標設定、コミュニケーション、メンタルなど、あらゆる角度から「努力の習慣化」の方法論を説きました。

苦しいだけの努力は、もう終わり。誰でも「継続は力なり」を実感できる1冊です。

※本作品は柳田将洋著の書籍『努力の習慣化』から一部抜粋・編集しました。

努力の習慣化
『努力の習慣化』(柳田将洋/KADOKAWA)

習慣は「意思決定」によって作られる

唯一の正解は「自分で決めること」

 何をするにしても「自分の意思」がないと始められません。意思を持つことは、責任を持つことにも似ているからです。

 では、どうしたら意思を持つことができるのか? それは、自分で選択し、道を決めていくということ。それが、意思を持つことにつながるのです。

 僕自身の経験からお話しします。大学在学中の2014年からの3シーズン、V・プレミアリーグのサントリーサンバーズに所属、卒業した2015年からはサントリーの社員としてプレーしていましたが、2017年にプロとしてプレーすることと、海外に挑戦することを決断しました。

 2020年に予定されていた東京オリンピックを見据えて成長を期するためだけでなく、アスリートとしてのキャリアや、その後の人生も考えた上での大きな決断でした。

 随分長い間考え、多くの人の意見を聞き、相談させていただいたりもしましたが、プロ転向と海外挑戦の両方とも、決めたのは自分です。だから、この決断がどのような結果になろうとすべては自分の責任。この決断に関して誰かのせいにすることはできませんし、自ら決めたことで何かから解放されたような感覚がありました。

 自分で決めたからこそ、待ち受ける環境が自分の予想と違ったとしても、意思を持って前に進んでいくことができます。

 実際、2017年夏からプレーしたドイツ・ブンデスリーガ1部のバレーボール・ビソンズ・ビュール(Volleyball Bisons Bühl)というクラブは田舎の小さなクラブで、アットホームなよさはありましたが、サントリーのほうが環境的にもバレーボール的にもレベルが高いと感じる部分がありました。しかし当時の僕には、そういう環境で何を得て何を伸ばしていくか、という目標もありましたし、その後の方向性も考えていましたから問題はありませんでした。

 もしこの時、「誰かのアドバイスでプロになりました、海外に行きました」という前提だったら、また捉え方が違ったかもしれません。意思を持って物事を進めるためには、やはりあくまで「自分で決める」ことが重要です。何でも人のせいにしてしまうと、結局は自分が成長しなくなってしまいます。

「誰かのせいにする」から卒業する

 一方で、本当は自分で選択したり、決めたりしていたはずなのに、それに気づかず「誰かのせいにするクセ」がある人もいます。

 プロ転向、海外移籍は自分で決めましたが、決断の前には多くの人に相談しましたから、「アドバイスに背中を押されて……」と誰かのせいにすることは可能です。

 しかし、そうするといいことがあっても、悪いことがあっても、アドバイスをしてくれた人の顔がちらつきます。「誰かのおかげ」であったはずが、「誰かのせい」になる瞬間もありますし、結局はその考え方が強い意思を作れない原因になってしまいます。

 人の意見をよく聞くようにしていますが、それを理由に自分の最終的な決断を変えたりはしません。あくまで、自分で決めることが重要です。自分で決めることは簡単ではないかもしれませんが、決断を重ねていくことで、自分で考えて、意思を持って実行していくということが習慣化されていきます。

 順序は逆でも構いません。考えてから何かを始めるのではなく、衝動的に始めてみたり、考えずに決めて後から理由づけをしたりしてもいいと思います。時には先に目標を口にしてしまう、いわゆる有言実行でもいいですよね。

 僕はプロ転向、海外移籍の時も、まず友達に宣言して、それを実践していく方法を取りました。バレーボールの仲間にも「プロになる、海外に行く」と話しました。

 一度口にしてしまえば、それを実行できなければカッコ悪いし、宣言した後しばらくしても日本にいたら、「え、まだ日本にいるじゃん」と思われる。だから、移籍を実現するためにやらなくてはいけないことをたくさんやりましたし、移籍をプレッシャーやモチベーションにしました。

 もし実現したいことがあっても動き出すことができないとしたら、後に引けなくなるように、先に目標を宣言してからそこに向けて動いてみるのもありです。

 もし目標を周囲に宣言しても身体が動かないようだったら、それはどこか自分に迷いがあるということ。本当に自分が決めたことなのか、誰かのせいにしてはいないか、自分と向き合ってみることが必要です。

 決断したことに対して順序立てて物事を進めるのもいいですし、順序関係なく宣言したゴールに向かってひたすら突き進むのでもいい。

 どちらにしても重要なのは、自分で決断し、その上で意思を持って進めること。同じ何かを実行するのでも、その意思があるかないかで、結果が全く違うものになっていくのです。

自分で決めるから「自然」と努力できる

目標を決めて「すべきこと」を逆算

 何をもって「努力」と呼ぶのかは本書を通してお伝えしていきますが、僕はやろうと思ったことは基本的に何でもトライしています。もちろん事の大小、スパンの長い短いなどはありますが、たとえきつい道のりが待っていることが想像できても、挑戦しているのです。

 Vリーグ選手になってからは、競技生活を年単位で区切って考えています。大学生からサントリーの社員になった頃は2年をひとつの区切りに。プロになってからは1年ごとにプランを立て、やってきたことを見直しつつ、次の舞台へとチャレンジしています。

 近年で言えば、2020年東京オリンピックという大きな目標がありました。

「オリンピックで金メダル」という目標を自分の中で決めたからこそ、そこまでの道のりを描き自然に努力することができました。具体的には、「当初の予定だった2020年の7月までにいかに成長するか」という逆算です。

 プロになり海外に行った最初の2017〜18シーズンは、まず海外のリーグで日常的にプレーすることが重要でした。ですから、ビュール(ドイツ)という比較的小規模で出場機会の得やすいクラブは、僕の願った通りのクラブだったのです。

 加入当初は対戦相手に何とも思われていない存在だったかもしれません。しかし、時間とともに相手チームの選手から「あのサーブの選手いいね」と意識されるようになりました。チームとしてもリーグ戦では苦戦しましたが、ポカール(ドイツ杯)では決勝にも行くことができ、少しずつ積み重ねた努力を結果として感じられた一年でした。

 海外2シーズン目は、ポーランド1部のクプルム・ルビン(Cuprum Lubin)と契約。ポーランドリーグはレベルが高く、各国代表選手も揃うので、そういった環境に身を置くことが目的のひとつでした。途中で負傷し後半戦はプレーできないなど苦しみましたが、これも必要な経験だったと思います。

 3シーズン目はいくつか選択肢を考えました。ポーランドでもう1シーズンという道もありましたが、それまでの2シーズンを踏まえて今度はリーグの上位争いができるクラブでのプレーを視野に。強豪クラブでのレギュラー争いを経験したかったし、試合としても欧州リーグを味わってみたかったので、ドイツのフランクフルトに本拠地を構えるユナイテッド・バレーズ(United Volleys)はそんな僕の希望と一致するクラブでした。

 結局、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めてリーグが打ち切りになり、1シーズンを通して最後まで戦うことはできませんでしたが、海外での3シーズンを比べると最後のシーズンが最も充実していました。

 東京オリンピックという目標を自分で定め、そこに向けての道筋は考えたので、目標に向かって進むのは自然にできたことでした。つまり、自分の決めたことなら努力は自然とできてしまうものなのです。

継続できないのは「無理」があるから

 こういう考え方は高校、大学時代くらいから自然に身についてきた気がします。子どもの頃は、「バレーボールをやらされている」という側面もありました。

 親やコーチが厳しいので、考えるよりも先に動かないといけませんし、努力もしないといけません。「やらされる」のはきついですが、ただ頑張ればいいだけなので、「ラク」と捉えることもできます。今振り返ると、考えるよりひたすら頑張る時期も必要だと感じています。

 高校に入った頃から、「目標」を考えるようになりました。「全国大会に出て優勝する」。そうなると今度は時間の感覚が生まれるようになります。「今年の全国大会は負けた。次の大会まであと1年あるのか」。この1年を自分で計画を立てて考えるとなると、急にとてつもなく長く感じてしまいます。

 この時期は、1年先の目標に向かって頑張ると考えただけできつかったです。「365日も頑張れないよ……」なんて思うこともありました。子どもの頃と違って高校生にもなると考える余裕があるからこそ、きつさが生まれるのです。

 大学ではもっと自由でしたから、その分自分で考えなければなりませんでした。目標を決めたり、練習自体も選手たちでメニューを組んだり。でも、10代後半から自然と考えることができて、計画を持って目標に向かう習慣がついたことが今につながっていると感じています。そして、自分個人のことだけでなく、勝つチームを作るためにどうしたらいいのかなど、ロジカルに考える習慣がつき始めました。

 この頃からメンタリティを重視して考えることが多くなりました。プロになるとか、海外でプレーするという先の姿をイメージできるようになったのはサントリー時代の頃ですが、大学時代にバレーボールをやらされていたら、今のままでいいという感覚を捨てきれず、イメージを能動的には持てなかったでしょう。自分の主体性が形成されたのも、大学時代でした。

 自分で決めたこと、そこへの道筋を想像すれば、モチベーションはついてきて努力は自然とできるようになります。たとえば、「30歳までに起業したい」という仕事での目標はもちろん、「夏までに3キロ落としたい」というようなプライベートでの目標もいいと思います。努力が自然にできなかったり、行動が止まってしまったりするようであれば、どこかに無理が生じている証拠です。

 ひとつ大事なことは、ここでお伝えしているのは結果の話ではなく、あくまでプロセスの話。思った通りの結果が出るかどうかは、また別の話です。

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