喋りのプロも最初は素人! 話し方が上達する最短の方法とは?/たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全

ビジネス

公開日:2021/11/2

人と話すときに「自分がつながなくちゃ。話を回さなきゃ」と焦ってしまうことはありませんか? 情報を短く、正確に、わかりやすく伝えるのは難しいもの。普段から口ベタであることを悩んでいる方は「もっと話がうまくなりたい」と思っている人が多いと思います。

元日本テレビのアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍している著者・青木源太さんも“元”口ベタの1人。そんな彼が、コミュ力が高い人を15年間観察して学んだ“話し方のコツ”を具体的かつ丁寧に紹介します。

必ずしもすぐに身につくものばかりではありませんが、まずは実践。自分の話し方に自信をもてるようになり、話すことがどんどん楽しくなっていくことでしょう。

※本作品は青木源太著の書籍『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』から一部抜粋・編集しました

口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全
『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』(青木源太/宝島社)

口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全

話し方 流暢に話すにはとにかく場数を踏む

喋りのプロも最初は素人だった

 僕はアナウンサーになってから15年が経ちますが、それ以前に本格的にアナウンススクールに通っていたわけではありません。アナウンサーの仲間たちを見ても、専門のスクールを経てアナウンサーになったという人はごくわずかで、大半はアナウンサーになるまで普通の学生生活を送っていた人、つまり「素人」でした。

 それでもアナウンサーの誰もが「喋りのプロ」と言われるほど上手に話せるようになるのは、さまざまなかたちの「話す仕事」を渡され、たくさん「場数を踏む」からです。

 逆に言えば、場数を踏んでいないアナウンサーはまだ「喋りのプロ」とは呼べません。

 同様に落語家さんやお笑い芸人さんなど、アナウンサーと同じく喋ることでお金をもらっている人たちの優れた話術も、限られた人にしかできない特別なものではありません。誰でも場数を踏み、コツさえ掴めば、流暢に話せるようになるのです。

日常生活においても場数は踏める

 それではどうやって場数を踏めばよいのでしょうか? いちばんよいのは、無理にでも知らない人の前で話したり、講堂のような広い場所で多くの人の前でスピーチをしたりすることです。そういった「緊張感のある喋りの場」で話す経験を繰り返すことで、誰でもうまくなっていきます。

「緊張感のある喋りの場」といっても、何も特別な場面でなくて構いません。たとえば学生なら部活動のミーティングでもよいですし、社会人なら会議での発言でもよいでしょう。最初はとにかく緊張してしまうかもしれません。しかし、実際のところ、話を聞く側というのは、聞いたとしてもすぐに内容のほとんどを忘れてしまうものです。

 エビングハウスの忘却曲線というものがありますが、人間は学んだ情報の約40%を20分で、約75%を1日で忘れてしまうと言われています。あなた自身、一昨日の朝礼で上司が何を話したか、覚えていないのではないでしょうか。ですから、あまり深く考えずにまずは思い切って発言してみるということが重要なのです。

 それでも……と思うときは、ファッションに置き換えてみてください。本人が「この服を着て行ったらどう思われるだろう」と思っても、実際は周囲の人はそれほど見ていませんし、ましてや昨日の服装まで覚えている人はほとんどいません。つまり、自分が思っているほど周りの人は気にしていないのです。

言葉選びのスキルが磨かれる

 このように考えて、まずは人前で話す経験をどんどん積んでいくのが、話し方が上達する最短の方法です。緊張感のある喋りの場では「言葉選びのスキル」が磨かれていきます。緊張感のある場では「正しく適切に伝えよう」「失敗したくない」という気持ちで話すことになるので、「頭のなかから最適な言葉をチョイスして引き出す」作業が必要になります。場数を踏むほど、そのスピードは速く、正確性も増していきます。

 この一連の作業こそが「流暢に話す」ことの正体です。状況に応じて言葉を選ぶことを繰り返すことで、流暢に話せるようになるのです。

episode 話す機会が減ると「鈍って」しまう

 僕の日本テレビ時代の同期のひとりである桝太一くん。彼は2011年4月から2021年3月まで、『ZIP!』(日本テレビ系列、以下同)の総合司会を務めていました。平日朝の帯番組を10年間にわたって担当していたわけです。

 現在は週に1日、日曜日に『真相報道バンキシャ!』の総合司会を務め、ほかに『I LOVE みんなのどうぶつ園』の進行を担当しています。ほかにも出演する番組はあるものの、『ZIP!』を担当していたときより出演頻度が減ったので、番組出演の間が多少でも空くと「鈍ったな」と感じるそうです。

 そうは言っても、番組を観ている視聴者が鈍っていることを感じることはないでしょうが、自身では何かわずかな誤差のようなものを体感しているのだと思います。まるでトップアスリートのような印象を受けますが、頭のなかから適切な言葉を選び出す力というのは、日々実践の場を繰り返すことで、磨かれていくものなのでしょう。

話し方 「追い読み」で話し上手な人を真似する

「追い読み」で話し方のリズムを掴む

「あの人は話すのが上手だな」「あの人みたいに喋れるようになりたい!」と感じることがあるでしょう。そういうとき、その人の話し方を真似る、または一部を取り入れてみるというのは話し方の上達にとても有効です。

「足が速くなりたい」と思ったとき、陸上選手の走り方を真似てみると、実際に速く走れたりします。これと同じように、話し方も上手な人の真似をすることで実際に上手になっていくのです。

 とは言え、話し方を聞くだけで真似するのはとても難しい。そこでぜひやってみてほしいのが、「追い読み」です。これは、人の話を耳で聞きながら、聞いた話を自らが口に出して繰り返すというもの。何度もやっていくうちに、自然とその人のリズムの取り方や話を展開するテンポなどがわかってきます。すると、自分の話し方もどんどんその人に似てくるのです。

追い読みはニュースがおすすめ

 追い読みは、目の前にいる人で行うわけにはいかないので、たとえばニュース番組などで実践するとよいでしょう。といっても、番組をまるごと1本追い読みする必要はありません。1分間だけ試しにやってみるだけでも、アナウンサーの話し方というものがわかってくるはずです。もちろん、その人と話し方がまったく同じになることはありませんが、それが結局は「自分らしい話し方」になるのです。

 新人アナウンサーも必ず先輩のVTRを観ながら追い読みをしますが、こうして先輩の話し方が後輩に〝移る〟ことで、結果としてそれが「そのテレビ局のアナウンサーらしさ」になるのでしょう。そのためか、僕はスポーツ実況においては、ほかのアナウンサーの話し振りを少し聞いただけで、「これはあのテレビ局のアナウンサーだな」とわかります。

 また、おもしろいことに追い読みではその人の人間性、つまりキャラクターまでが移ることがあります。もう少し堂々と話したいと思えば、堂々とした人物の話を追い読みしたり、明るく話したいと思えば、明るい人物の話を追い読みするのもひとつの手です。

episode 話し方は自然とほかの人にも移る

 話し方というのは不思議なもので、真似しようと思わなくても自然とほかの人に移ってしまうものです。たとえば、ますだおかだの岡田圭右さんと仕事をしていた時期、アナウンス部でみんなと話をしていて、「岡田さんの喋り方が移ってるね」と言われたことがあります。無意識のうちに、岡田さんの話し方が移っていたようです。

 僕は、「岡田さんらしさ」を『ゴゴスマ〜GOGO! Smile!〜』(TBS系列)の石井亮次アナに感じます。石井アナが自虐的なネタで笑いを取るときも、岡田さんのような話の持っていき方になっているのです。同じ番組に岡田さんも出演しているので当然と言えば当然ですが、それほど岡田さんの影響力が強いということかもしれません。

<第3回に続く>

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この記事で紹介した書籍ほか

口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全

著:
出版社:
宝島社
発売日:
ISBN:
9784299019417