この部屋は散らかっているのでなく物が多いだけ。／小林私「私事ですが、」

初めまして、小林私です。
こんな名前にしたばっかりに一人称に「私」と使おうものなら、自分の名前を一人称にする女子だのなんだの言われてしまうことは誠に遺憾です。そういう奴の住所を特定する仕事に就こうかな。

 

ところで、私の部屋は物が多い。ひとたび部屋の風景を写せば烈火のごとく汚いだの散らかってるだの、うるせー勝手にさせろ！と返したくなるコメントが飛んでくる。
まず始めに訂正しておきたいのは、私の部屋は汚くない、物が多いだけである。

もちろん人並みに掃除はするし、人並みに掃除をサボって散らかっていることもあるが、基本的には物が多いだけで同量の荷物を誰がこの部屋に置いても、レイアウトは変われど似たような状態になると思う。

では何故このように物が増えてしまうのか。

改めて自分自身を振り返って考えてみる。

 

一つ、買うのが好き。

浪費癖かと聞かれたら寧ろケチ臭い部類に入るし、収集癖があるかと問われても首を傾げてしまう。
ただ買うということのハードルがかなり低いのだ。金銭面、持ち帰りの手間を差し引くと買うか買わないか迷って買わなかったことの方が圧倒的に少ない気がする。
本などは特にそうで、これだけ面白い物がこれだけ安価で買えるならと思うと既にレジを通している。

旅先で見かけた意味不明なオモチャや置物なんかもそう。今もパソコンの傍に「MADE IN GREECE(ギリシア製)」と書いてある、大阪で買った栓抜き(？)が置かれている。ちなみに栓抜きを使う機会は特にない。

 

二つ、部屋に何もないと落ち着かない。

こういう人は少なくないだろう。非常にリアルな話をしてしまうと、以前金に困って部屋の物の殆どを売り、かつついでに大掃除をした際に酷くキンキンした部屋鳴りがした。これではレコーディングの際に困る。だから物が多いのは実務的な理由があるのだ。

ただこれはリフレクションフィルターという物を使えば解決するし、持っている。そして本棚の上で埃を被っている。馬鹿なのかもしれない。
ともかく、私は殺風景な部屋よりは何かあった方が落ち着くタイプの人間なのだ。

幼少期もベッドの上に布団や枕以外の物がないと落ち着かず、ぬいぐるみや本など、とにかく何か置いて寝ていた。今もシングルベッドの棚に使わなくなった歴代のスマホ、ガラケーやトンカチが置いてあるし、季節問わず羽毛布団、毛布3枚、タオルケット1枚、枕2つが常駐している。これらは冬でも使い切らないので、やっぱり馬鹿なのかもしれない。

 

三つ、貰うのも好き。

大学や、仕事先、友人、先輩、後輩問わず、私は貰えるものは大抵なんでも貰う。
日頃の移動が車なのもあり、持ち帰りには基本的に困らない。

今部屋にある冷蔵庫は大学の先輩に譲ってもらった物だし、電子レンジも大学で拾った。
あと高校と大学それぞれでもらってきた椅子があるし現役で使っている。
こうして文字を打っている傍にも大学同期の仕事先の上司から頂いた木琴がある。
足元には昔働いていたバイトの先輩から山のような本が詰まった紙袋が場所をとっているし、本棚の半分を占める画集は幼少期に稽古していた茶道教室の先生の旦那さんの遺品だ。

何かの飲み会でもらった格好良い酒の空き瓶もあるし、居酒屋でバイトしていた時期に梅干しをつけていた瓶もある。この瓶は当時かなり喜んで持ち帰った記憶があるが、現在は余った割り箸を入れるケースとしてのみ活用されている。

他に何かあったかなと振り向いたらスーパーファミコンのケースだけがあった。俺は何を思ってこれを貰ってきたんだろう。

 

こうして振り返ってみると、そりゃあ物が増えるよなと実感する。基本的に物を捨てないから増えていく一方だ。
俺の部屋にはなんでトンカチが三本もあるんだ。
あとやっぱり散らかってるな。

全部忘れてください、さようなら。