マスクの色によって印象はどう変わる?/ わかる! 伝える!視線の心理術 ③

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更新日:2022/1/5

ビジネスシーンでもプライベートでも使える、「マスク・画面越し」のコミュニケーション術。コロナ禍によって、大きく変化したコミュニケーションの形。マスクで口元が見えなかったり、テレワークの普及などの影響で、人の気持ちを察するための手掛かりの不足によって生じる悩みや不安を、心理学の面などからアプローチし、新たな状況の中でのコミニュケーションに対応できる対処法をわかりやすく紹介!

マスクの色によって印象はどう変わる?

 顔の半分ほどを覆うマスクは、表情に変わってその人のイメージを形づくる存在になっています。そして、どんな色のマスクを身につけるかによって、その人の印象を大きく変えることができます。

 最近では、ファッション雑誌でも、マスク込みでのコーディネート特集も組まれるほど、マスクはその人の全体の印象に影響を与えます。

 職場の服装規律などと照らし合わせて、カラーマスクの着用がOKの場合や気心の知れた人と少人数で会うときなど、どのような色のマスクが自分の印象を高めてくれるのか、そのためのカラーマスクの選び方のポイントを紹介します。

クールは収縮色、柔らかさは膨張色

 マスクに関するマナーは大きく変わりました。かつては職場でマスクの着用が禁止されていましたが、今や、マスクをしないで対面することは完全なマナー違反です。

 初対面の相手や仕事相手との打ち合わせ、人前で話すときなど、相手に対して慎重さや誠実さを表現したり、安心感を与えたい場合には、白の不織布マスクを使用するのが、ビジネスマナーとして正解です。

 ですが、もしもTPOによってマスクの色を自由に選べるような機会があれば、印象を大きく左右する不織布のカラーマスクにトライしてみてください。

 色には、人に与える重量感があります。「明度の低い色=暗い色」ほど重たく見え、「明度の高い色=明るい色」ほど軽やかに見えます。以前は、茶色だった引っ越し用の段ボールが、白色がメインとなったのも、茶色とくらべて白色は軽く感じ、作業効率がアップするためなのです。

 色が人に与える重量感をマスクにあてはめてみると、淡いピンク色やブルー、ベージュやライトグレーなどの明るい色のマスクは、軽やかで柔らかい印象を与えます。反対に、濃紺や黒、カーキなどは、重たく、威圧的、内向的な印象を与えます。

視線の心理術

 ただし、明度の低い黒やネイビーなど色は収縮効果によって、すっきりと引き締まって見えるという面もあります。収縮色のマスクは、ビジネスシーンではマナー違反に感じる人が多いため、避けたほうが無難です。

 ただし、プライベートでクールな印象や小顔に見せたいときには、良い効果を発揮します。

 反対に、白や淡い色といった明度の高い色は、相手にやわらかい印象を与えられますが、膨張色であるため、ふっくらとした輪郭に見られてしまうというデメリットもあります。

 以上のように、カラーマスクは、自分が大切にしているイメージ、相手に与えたい印象に沿って、どの色にするかを決めることが肝心です。

マスクも入れて3色にまとめる

 マスクで自分のイメージを作る場合、マスク単体ではなくトータルコーディネートで考えることも大切です。人は本質的に“あいまいさ”を苦手としています。このため分かりにくい見た目には不快感を覚え、わかりやすい見た目には快感を得やすいのです。オールブラックやオールネイビーなど、パッと見てわかりやすいワントーンコーデが、魅力的に映るのはそのシンプルさゆえです。

 ワントーンで統一したコーディネートに、マスクの色も揃えれば、すっきりと見え、凛とした佇まいに仕上がります。

 わかりやすい見た目という意味では、グラデーションコーディネート(1色で濃淡のあるコーディネート)も効果的。淡いグレーのマスクから、徐々に色を濃くしていき、ダークグレーのパンプスを履くなど、視線が上から下へといち方向に動く服装も、シンプルな見た目に映り、好印象を与えます。

 NGなのは色を使いすぎること。カラフルなコーデに別の色マスクといった視線があちこちに飛ぶようなコーディネートは不快感を与えます。全身のコーデは3色までが基本です。バッグや靴の色にマスクの色をリンクさせるなど、シンプルに見せる工夫をしてください。

<第4回に続く>

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