担任がゆかな先生だったらよかったのに/今月の1冊『大家さんと僕』

アニメ

公開日:2022/1/30

担任がゆかな先生だったらよかったのに

 人気声優・ゆかなが、先生役に扮し、視聴者に時に親身に、時に厳しく、様々なことを教えてくれるネット配信番組「担任がゆかな先生だったらよかったのに」。同番組の内容の一部をお届けします!

 番組内のコーナー「今月の読書タイム」では、毎月ゆかな先生が実際に読んだ1冊を紹介。今回はお笑いコンビ・カラテカの矢部太郎作『大家さんと僕』(新潮社)の感想を語ってくれました。

 ゆかな先生が一言感想としてスケッチブックに書いたのは「素敵な店子さん日記」。この本を読んでゆかな先生はどのように感じたのでしょうか?

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 「店子」というのは借家人を指す昔の言葉で、「大家と言えば親も同然店子と言えば子も同然」というくらい江戸時代は大家さんと借家人の関係は過酷だったとのことですが、本作ではそういう感じは全くなく、何というか昭和の人情的な店子さん(半分下宿に近い感じの)と大家さんの関係を思い起こさせる、とてもほのぼのした作品です。

 実は私には、この本に出てくる大家さん(87歳)よりもう少しお姉さんのお友だちがいるんです。

 その方とお話ししていると戦時中のことなどが会話の中によく出てくるんですけど、それは教科書に載っているような内容ではなくて、その時に生きていた人の思ったことや体験談なので、生きている景色として生々しく聞けるんですよ。そういう関係って素敵だな~と。つながっている時間軸を感じられて。

 目まぐるしく変わっていった価値観だったり、街並みだったり、彼女の目から見たものが生き生きと感じられるのもうれしいですし、こちら側も、時に質問したりしながら追体験出来るその過程がすごく好きなんですよね。

 この『大家さんと僕』を読んでいると似たような感覚を覚えます。価値観とか年齢とかシチュエーションが違う人たちが良心的に交流していくという素敵な世界がこの作品の中にはあって。こういうのって都市部に住んでいると尚更、同質性の高い集団の中で暮らすことが多い方も多いと思うので、なかなか体験しづらいのではないかと。この作品の世界に魅力を感じた人たちが、例えば毎朝前の道を掃除してくれているお婆ちゃまに「こんにちは毎日暑いですねー」みたいなところからお友達になっちゃうみたいなことが増えたら世界がもっと楽しくなりそうだなぁって。

 私がこの本を手に入れた時、帯に「100万部を突破」って書いてあったんですけど、刺激的な作品の多い中、こういうほのぼのとした世界観が支持を得られるいうこと自体、なんだか社会の温かさを感じられて何よりうれしかったですね。

 コロナ禍でいろいろあって心が疲れたなって人はぜひ『大家さんと僕』を読んでなごんでみてください!

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 「素敵な店子さん日記」という言葉の裏にはこんな思いがあったんですね。いろんな世代のお友だちがいるというゆかな先生らしい感想でした。『大家さんと僕』に興味を持った方はぜひチェックしてみてください♪

ゆかな プロフィール
声優、ナレーター。アニメ「ONE PIECE」しらほし役、「たまごっち!」ひめスペっち役、「ふたりはプリキュア」雪城ほのか役、ゲーム「テイルズオブジアビス」ティア・グランツ役、「新鬼武者」柳生十兵衛茜役など、人気作品の主要キャストを数多く担う。フジテレビ 「メディア見たもん勝ち!ゼルマ」、TBS「S☆1・スパサカ」、テレビ朝日「テスト・ザ・ネイション」など、ナレーションも数多く担当。

【関連情報】
★担任がゆかな先生だったらよかったのに
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声優、ナレーター。アニメ「ONE PIECE」しらほし役、「たまごっち!」ひめスペっち役、「ふたりはプリキュア」雪城ほのか役、ゲーム「テイルズオブジアビス」ティア・グランツ役、「新鬼武者」柳生十兵衛茜役など、人気作品の主要キャストを数多く担う。フジテレビ 「メディア見たもん勝ち!ゼルマ」、TBS「S☆1・スパサカ」、テレビ朝日「テスト・ザ・ネイション」など、ナレーションも数多く担当。
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