がんばってるのに空回りするのはなぜ? 疲れたら、休んで自分を甘やかして/がんばらないことをがんばるって決めた。

暮らし

公開日:2022/2/7

 ついついがんばりすぎてしまい、自分のことをおろそかにしていませんか? ストレスの多い現代社会を、もっと楽に生きたいと思う人は多いのではないでしょうか。

「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」

 今回ご紹介するのは、そんな等身大のつぶやきで「いいね」を15万以上獲得した、考えるOLさんの『がんばらないことをがんばるって決めた。』です。

 考えるOLさんの共感を呼んだ投稿と、書き下ろしエピソードを満載したエッセイは、優しい言葉とエピソードが詰まった、がんばりすぎてしまうすべての人の心に響く1冊です。疲れている人ほど本書『がんばらないことをがんばるって決めた。』を手に取ってみてください。

※本作品は著:考えるOL、イラスト:おさつの『がんばらないことをがんばるって決めた。』から一部抜粋・編集しました。

がんばらないことをがんばるって決めた。
『がんばらないことをがんばるって決めた。』(考えるOL:著、おさつ:イラスト/KADOKAWA)

プロローグ

 人生って、ほんと難しいよね。

 幸せになろうとすればするほど、なぜだか不幸に近づいているし、がんばればがんばるほど、なぜだか空回っている。

 休む時間を惜しんで働いたら、体調は不安定になってしまう。節約するために好きな食べ物を我慢していたら、ご機嫌斜めになってしまう。将来のために、好きな本よりビジネス書を読んでいたら、小難しいやつだと言われてしまう。

 ずっと、誰かに認められたいと必死だったんだ。

 夢だった仕事に就きたかったし、バリバリ働くかっこいいOLになりたかった。特別な何者かになりたくて、みんなに憧れられる生き方を探していた。

 そうして、いつの間にか心が疲れて、仕事を休むことになった。ありのままの自分を見失い、「何も手に入らない」という現実だけが目の前にポツンと立ちはだかっている。努力すればするほど、理想に手が届かなかったときに、自分を認められなくなってしまった。

 自分ではがんばっているつもりだったのに、気づいたら、どんどん不幸に直進している。そういうことってあるよね?

 だから、いっそのこと、がんばらないことをがんばるって決めた。

 仕事よりも、寝る時間を確保する。節約するよりも、ちゃんとハーゲンダッツを買う。ビジネス書よりも、小説をたくさん読む。誰かに憧れられる自分より、自分が好きでいられる自分になるんだ。

 

 努力は必ずしも報われない。それでも、運よく報われる確率を上げるために結局は努力をするしかない。

 けれど、長いお休みを経て、ひとつだけわかったことがある。努力というのは「我慢すること」や「他人から良い評価を貰うこと」だけとは限らない。疲れたら少し休んで、自分を見つめ直していくことも、立派な努力のひとつだ。

 何者かになるより、自分が自分でいられるようにしよう。

 誰かに憧れられる夢より、自分が生きたいと思えるだけの夢を持とう。

 起きてもいない未来を不安がるより、目の前の日常を見つめてみよう。

 意味のある時間よりも、意味のない時間こそ愛せるようになろう。

 きっと、ありのままの自分を受け入れられるようになったなら、生きることはもっと容易くなるはずだから。

 

 この本を手に取ってくれている、あなた。

 これまでの人生の努力をすべて回収しようとしたり、選んだ道を必ず正解にしなければいけないと、無理矢理に自分を奮い立たせて、ひたすらにがんばることで自分を追い込んでしまったり、していませんか?

 あなたはもう十分がんばっている。

 がむしゃらに走り続けてしまうと、周りが見えなくなったり、自分の声が聞こえなくなったりしてしまう。そんな時は、がんばらないことをがんばる選択肢もあるということを思い出して欲しい。

 がんばりすぎて疲れてしまったら、少し歩みを緩めて、自分を甘やかして、日常の些細な感情に耳を傾けてみる。そうすることで、本当に行きたかった場所にちゃんと辿り着けるかもしれないよ。

 この目に映る世界の捉え方次第で、どんなに上手くいかない日々だって、どんなにへなちょこな自分だって、愛おしく想えるんだということを、あなたに伝えたい。

 ねえ、今までよくがんばってきたね。もう、ひとりじゃないからね。

 今から少しだけ、一緒にがんばらないことをがんばってみない?

がんばらないことをがんばるって決めた。

<第2回に続く>


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