親のお金を持ち出し、大金を課金！ 強いショックを受けています／子どものスマホ問題はルール決めで解決します

石田先生：私にも息子が２人いますが、わが家は課金禁止じゃないんですよ。

田中さん：えっ!?　そうなんですか？　子どもがゲームに課金なんて、絶対ダメだと思うのですが。

石田先生：子どもがお金を扱うのはまずい？

田中さん：まずいですよ。際限なくなるし。

石田先生：息子たちは、お小遣いの範囲でやりくりしていますよ。

田中さん：うちの子は無理だと思う。実際にすごい金額を課金していました。

石田先生：課金禁止は、お子さんと話し合って決めたんですか？

田中さん：いえ、課金は論外なので「絶対禁止」と私が言い渡しました。

石田先生：大ごとになってしまったのは、それが原因かもしれませんよ。

田中さん：禁止したのがいけなかった？

石田先生：それは田中さんのお考えだから、いけないとは言いません。ただ「200円払えばこのアイテムが手に入る」というとき、どうしても欲しい気持ちが勝っちゃう子がいるわけです。親にはダメって言われている。どうするか。こっそりやる。隠れてやる。

田中さん：課金なんかしないはず、と思っていました。

石田先生：あきらめられないタイプのお子さんだったんでしょうね。一度やったらうまくいった。それでつい次も次もとやって、結果的にすごい金額になっちゃった。

田中さん：証拠をつかんで問い詰めても、「ぼくじゃない」「知らない」と言うので、こちらが泣きたくなりました。

石田先生：おそらく、息子さんもすごく動揺したと思いますよ。大変なことになっちゃった、どうしようって。まだ小学生だから、わかりやすくシラを切る（笑）

田中さん：それならこちらも少し救われるんですけど。

石田先生：ダメと言われていたことで、反動が大きくなってしまった可能性がありますよね。

田中さん：でもやっぱり、子どもがゲームでお金を使うのがいいことだとは思えません。

石田先生：課金＝悪いことでしょうか？　お子さんがお小遣いの範囲でやっているなら、別に問題はないんじゃないですか？

田中さん：でも、課金はエスカレートしますよね。

石田先生：禁止されているのをこっそりやった場合は、いくらまでという制限がない。お小遣いの範囲ならコントロールできたかもしれません。

田中さん：そうですかね……。お小遣いの範囲でできるものなのかなぁ。

石田先生：私は、課金そのものが悪いとは思いません。でも子どもが際限なくやってもいいとも思わない。だからうちは、お小遣いの範囲でというのがルールになっています。

田中さん：お小遣いでマンガやお菓子を買うのと同じですね。

石田先生：そういうことです。ただ、ネットの世界でお金がからむと、マンガを買うのとはくらべものにならないくらい危険なことがあるのも確かですよね。

田中さん：そうなんです！　そこがとっても心配。

石田先生：心配なんだけれど、具体的なことを親が知らなすぎる。禁止の命令を出して安心している。それは幻想だと思いますよ。

田中さん：幻想……。

石田先生：たとえば「お小遣いの範囲でならOK」とするなら、課金は歯止めがきかなくなるかもしれない、相手にプライバシーを把握される可能性もある――そういうことを事前にお子さんに話しておく必要があります。

田中さん：サクッと禁止するのも、ゆるっとOKにするのもダメということ？

石田先生：ゲームについて、課金について、親も最低限の知識は押さえておいたほうがいい。そのうえで、お子さんとしっかり話し合っておく。お小遣いの範囲でやってもいいけど、課金するときはひと言言ってねと伝えておくのもいいでしょう。上から押しつけるのではなく、「こういうことが心配なんだ」と言葉を尽くしたほうが、子どもの心に残ると思います。

田中さん：子どもとしっかりコミュニケーションをとるんですね。

石田先生：「これはおかしいな」というのは、ふだんから子どもと話していればわかることが多い。親の勘は大事にしたほうがいいですよ。