ライト博士がムチャぶりしまくり! メーカー公認のギャグマンガ!『ロックマンちゃん』/マンガPOP横丁(104)

マンガ

公開日:2022/4/1

ロックマンちゃん
『ロックマンちゃん』(河田雄志、行徒:著、監修・協力:株式会社カプコン/KADOKAWA)

  この回から「マンガPOP横丁」は、めでたく連載3年目に突入しました。よかった……続けられている! そんな記念すべき今回は、原作担当の河田雄志先生と作画担当の行徒先生による新作マンガをご紹介。私はこのコンビが描いた作品が大好きで、私立高校の生徒会を舞台にしたギャグマンガ『学園革命伝ミツルギ』(スクウェア・エニックス)が有名だ。行徒先生による美麗な美男美女のキャラクターに河田先生が放つぶっ飛んだギャグの組み合わせが最高で、さらに独特な世界観に当時大変衝撃を受けた。さて、このコンビが新たに描いた作品というのは、なんとゲーム業界で第一線を走るカプコンが生んだ人気ロボットアクションゲーム『ロックマン』を題材にしたマンガなのだ。そのタイトルは『ロックマンちゃん』(河田雄志、行徒:著、監修・協力:株式会社カプコン/KADOKAWA)。なんとカプコン公認ということで、ゲーム本編のような展開かと思いきや、これもまた期待を裏切らない河田×行徒節全開のギャグマンガに仕上がっているのだ……!


advertisement

ライト博士とロックマンの新たな戦いが開幕

 20XX年、ロボット工学の第一人者であるライト博士がロボットを作るたびに、ライト博士を憎むDr.ワイリーの手によってロボットたちが暴走する事件が起きていた。これを解決するため、ライト博士はかつて自らが生み出した家庭用お手伝いロボット・ロックマンを戦闘用に改造し、ロックマンを戦いに出すのであった。そしてDr.ワイリーの手によって新たなロボット暴走の発生。今回の戦いの場となる要塞と化した巨大工場へロックマンを送り込もうとするが、現場はたくさんのトラップが待ち構えているかもしれない。そんなときに戦力になるのは、犬型サポートロボットであるラッシュ。しかしそのラッシュは前回の戦いでボロボロ……。そんなこともあろうかとライト博士が“第2のラッシュ”を用意していたのだが、現れたのは……ラッシュ風になんちゃってパーツを装備させられた本物の“犬”! 別の日、ワイリーを含めた“6人の男たち”と“8体のボス”がロックマンとの戦いに挑む! しかしこれまでワイリーが戦いを挑んできたのには理由があり、それはワイリーと過ごしたライト博士の大学時代にあった!? これはまだまだ一癖も二癖もありそう!

描かれるのは、“新解釈ロックマン”?

 原作ゲームでのロックマンは、Dr.ワイリーが仕掛けるステージに挑み、その奥で待ち構えるボスと戦ってクリアを目指すのが基本の流れだ。そしてDr.ワイリーが悪キャラでライト博士が世界を救う側という立ち位置が確立しているが、この作品に限ってはワイリーへ共感したくなる場面がライト博士の言動と過去の話から出てくるのだ。このライト博士、結構憎たらしい素顔をもってます。この物語の良心であるロックマンの妹・ロールちゃんですらライト博士へ“間接的”にボールをぶつけることがあるくらいだ。

 ライト博士に従順すぎてめんどくさい感じに育っている純真無垢なロックマンをはじめ、兄のブルースやラッシュなどゲームではおなじみのキャラクターのほか、北米からあのキャラが飛び入り参加など、見どころも笑いどころもたっぷりの本作はまさに「新解釈」ロックマン! 心のE缶マンガとして笑いをチャージしてみませんか?

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

あわせて読みたい