意外と知られていない…!? SDGsの表記に小さな「s」がつく意味は?/イラスト図解で日本と世界がわかる! 親子で学ぶSDGs

社会

公開日:2022/4/19

 温暖化や異常気象、世界の貧困…私達が暮らす地球にはさまざまな問題があります。このまま事態が深刻化したら、未来はどうなってしまうのでしょうか。

 そんな問題を解決するため、国際連合(国連)が世界中の人々に向けて定めたミッションが「SDGs(持続可能な開発目標)」です。けれど、具体的にはなにをすればいいのか、きちんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。

 『イラスト図解で日本と世界がわかる! 親子で学ぶSDGs』は、わかりやすい言葉でSDGsを解説した1冊。かわいいイラストもふんだんにあり、大人も子どもも楽しく学べます。地球の未来を守るため、親子で「世界を知る授業」に参加してみませんか?

 SDGsを表記する際、最後に小さな「s」がつく理由ってなに…? 意外と知られていないその理由を紹介します。

※本作品は笹谷秀光監修の書籍『イラスト図解で日本と世界がわかる! 親子で学ぶSDGs』から一部抜粋・編集しました

イラスト図解で日本と世界がわかる! 親子で学ぶSDGs
『イラスト図解で日本と世界がわかる! 親子で学ぶSDGs』(笹谷秀光:監修/日本文芸社)

意外と知られていない!?
SDGsに小さな「s」がつく理由

17の目標はたがいにからみ合っている

 SDGsは「Sustainable Development Goals」を略したものだとお話ししましたが、最後に小さい「s」がつくのはどういう意味なのでしょうか?

 答えは、17の目標はバラバラではなく、たがいにからみ合っているからです。わかりやすい例として、イタリアの都市であるベネチアのある問題を紹介しましょう。

 ベネチアには100以上の島々があり、たくさんの運河と橋がまちを結ぶ、水の都として知られる都市です。まち全体が世界文化遺産に登録され、観光地としても人気です。しかし、大型クルーズ船がたびたび立ち寄るため、運河周辺の地盤や生態系など、環境への影響が心配されていました。近年は深刻な浸水被害も起きていますが、これは気候変動が直接的な原因といわれています。

 ベネチアの例をSDGsの17の目標に照らし合わせてみると、13番、14番、15番と深くかかわっていることがわかります。また、こうした状況に嫌気がさした住民が、どんどんベネチアを去っていますから、11番ともかかわっているといえるでしょう。

 みなさんも気になるニュースを見聞きしたら、SDGsのどの目標と関係しているか考えてみてください。

SDGs=環境問題だけじゃない!
経済・社会・環境の3つが大切

「その場かぎり」では状況は悪くなるばかり!

 SDGsを考えるうえで、重要なキーワードとなるのが「サステナブル(持続可能な)」です。難しい言葉ですが、「未来までずっと続けられる」と言いかえるとわかりやすいでしょう。

 みんなが安心・安全にくらせるサステナブルな世界にするためには、経済、社会、環境の3つのバランスがとても大事になります。

 みんなで経済を発展させてお金や価値を生み出し、ひとりひとりの人権を守り、地球の環境も守っていく。それが、SDGsのあるべきすがたです。

 逆に、みんなが今さえよければいいという「その場かぎり」の考えで行動したらどうなるでしょうか。貧富の差はどんどん広がり、差別や暴力がまかりとおり、地球環境も悪化してしまうでしょう。そうなれば、しわ寄せは次の世代、その次の世代におよぶことになります。

 サステナブルな社会とは、世界のため、自分のため、そして子どもたちのために、みんなが考え、行動する社会です。

 10年後、100年後の未来を今よりもよくするために、まずは自分なりにできることから取り組んでみるのもいいでしょう。

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