子どもの頃、度が過ぎるほど“真面目”だった僕は…【グレーを知らない子ども】/ナダル『いい人でいる必要なんてない』

文芸・カルチャー

更新日:2022/7/21

 人に気を遣いすぎて疲れしてしまう、思ったことをなかなか言えない…。そんな「人間関係」で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 今回は、人気お笑いコンビ、コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん初の著書『いい人でいる必要なんてない』をご紹介します。

 バラエティー番組に引っ張りだこのナダルさん。本音で生きる彼の姿の裏には、幼少期のいじめ体験や劣等生だった養成所時代など、数多の苦悩や葛藤がありました。そんな経験から「自分を犠牲にしてまで、いい人でいる必要はない」と導き出したナダル流の「本音で生きる術」をまとめました。今最もストレスフリーな男の生き方を綴るエッセイです。

※本作品はナダル著の『いい人でいる必要なんてない』から一部抜粋・編集しました

いい人でいる必要なんてない
『いい人でいる必要なんてない』(ナダル/KADOKAWA)

はじめに

 どうも! 吉本興業のお笑い芸人、コロコロチキチキペッパーズのナダルです。巷ではクズやらモンスターやら言われてますが、人としての名前はひでき(通称ヒデさん)と言います。意外と普通やったりします。

 まずはこの本を手に取っていただき、ありがとうございます。そしてこの本を購入してくれた方、マジで本当に心の底から助かります。本当に本当に、ありがとうございます。これからもついていきます。

 僕は普段、劇場や営業、そしてテレビやYouTubeで人に笑ってもらう仕事をしております。2010年NSCに入学し、そこから12年が経とうとしている、将来有望な芸人として絶賛活躍中です。テレビで僕を見てくれている方は、現段階で僕に対するイメージはクズでカスで気持ち悪くて性格悪い……みたいな感じだと思います。でも全然大丈夫です。もう慣れたので。昔はかなりきつかったですが。YouTubeの視聴者やオンラインサロンに入ってくれてる方は、また別の見方をしているのかもしれませんけどね。

 今回KADOKAWAさんから声をかけていただいた時、まず初めに脳裏に浮かんだセリフは「ついにこの日が来たか……」でした。いつかこんな日が来るような気がなんとなくしていたのです。最初担当の方に「ナダルさんの考えや生き方について教えてほしい。ナダルさんには、この不安定な世の中を強く生き抜くヒントが隠されている気がする」というような話をしていただいた気がします。僕は「確かにそのとおりだ」と思いました。芸人になる前は正直こんな感じじゃまったくありませんでした。マジで。本当わけ分からんくらい変わりました。別人級に。その辺も書いたつもりです。

 まわりの目を気にしまくっていた若かりし頃の僕。正直ここまで強靭なメンタルを手に入れられたのは、芸人になって成功するために強制的にでも自分を変える必要があったからだと思います。自分を変えることによって、芸人として、そして人としても生きていくことが楽になってきました。今まわりや世間の目を気にしてしまってて、生きるのしんどい、人生おもんないと思ってる方々。この本を手に取って、少しでも生きるのが楽になったら嬉しいです。

 この本を書く上でもうひとつお願いされたことが、「今のナダルさんのすべてをこの本に書いてほしい」ということ。これがまた難しいところで、芸人のすべてとなると裏側というか、芸の種明かしというか……。今の僕を好きでいてくれる人を裏切る、冷めさせてしまうんじゃないかなという怖さがありました。逆に僕のことが嫌いな人は、僕がどんな心構えで芸人をやってるかを知って、笑えることも増えるかもしれませんが。だから本は売れてほしいけど、怖さもあるなというのが本音です。まぁ全然売れなくて、なんの心配やってんってなるかもしれないですが(笑)。

 とにかく満を持した感じで取り組みました。現在最も自分の素を出しているYouTubeですら話したことのない内容も結構書いてます。自分でも何が言いたいのか分からなくなったりもしてます。ただ、全力で書きました。この本を読んで「ナダルおもんない」とか言われるかもしれないですし、怖いですけど、もっとおもろくなればいいだけなのでもう心配はやめます。とにかく売れることを祈るばかりです。売れれば売れるほど僕の稼ぎになります。みなさん、できるだけ多くの人に宣伝してください。売れろ〜!

ナダル

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