日本の「お金持ち層」が激増中!? 富裕層の4分の1が「年収500万以下」という謎/年収300万円FIRE

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更新日:2022/7/21

 早期リタイアなんて高所得者だけの特権?――いいえ、その考えは間違いかもしれません。

 山口貴大著の書籍『年収300万円FIRE貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』を参考に、あなたも“労働に縛られない生き方”を目指してみませんか。

 リモートワークの普及や働き方改革がすすみ、ライフスタイルの選択肢が増えています。「FIRE」とは経済的な自立を実現させて、仕事を早期に退職する自由な生き方のこと。本書では、年収が低くてもFIRE達成可能な「お金の増やし方」をわかりやすく解説します。これでお金の心配をしなくていい自由な生活も夢じゃない!?

 長期間にわたって物価の下落が続いていた日本ですが、ここに来てじわじわとモノの値段が上がりインフレ傾向になってきています。こんなときに注意すべきことはどんなことでしょうか。

※本作品は、山口貴大著の書籍『年収300万円FIRE貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』から一部抜粋・編集しました

年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(山口貴大/KADOKAWA)

預貯金で「お金が減る」カラクリ

 みなさんは、「インフレ」というのが、どういう状態かおわかりですか?

 インフレとは、モノの価格が上がって、お金の相対的な価値が下がることをいいます。

 たとえば今日、100万円で買える車が、1年後に120万円になったとします。

 車の側から見ると、1年で20%値上がりしたことになります。

 では、反対にお金の側から見たらどうでしょう。

 1年前には100万円で買えた車が120万円払わないと買えなくなったわけですから、車自体がまったく同じものなら、お金の価値は「100÷120=0.833……」で、約17%も目減りしてしまったことになります(図6)。

年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」

 長期間にわたって、モノの価格の下落(「デフレ」)が続いていた日本ですが、ここへ来てジワジワとモノの値段が上がりインフレ傾向になってきています。

 こんなときNGなのは、現金や預貯金しか持っていないこと。インフレになると現金の価値が相対的に下がってしまうので、資産価値が目減りしていくことになります。

 つまり、インフレの時代には、モノの価値が上昇しても目減りしないような資産(株式や不動産など)を持っていることが大切なのです。

 インフレが起こる原因はさまざまですが、その国のお金を印刷して流通させる中央銀行(日本では「日本銀行」)が金融緩和を行うことで、お金の供給量が増え、現金の価値が希薄化して下がってしまうことも1つの要因です。

 そして、インフレが起こると、現金以外のモノの価値が上がります。

 つまり、株、不動産、物価……モノに相当するものすべての価格が上がるので、現金だけで資産を保有している人はインフレによる資産価値上昇の恩恵を受けられない! ということになります。

 インフレは貧富の差を拡大させる要因ともいえるのです。

 その証拠に世界の基軸通貨である米国ドルは金融ショックがあるたびに、大量に印刷され続けています。

 図7を見ると、2008年頃から米国FRB(連邦準備制度理事会)のバランスシート(貸借対照表/総資産を示す)は拡大しています。

年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」

 FRB(連邦準備制度理事会)とは米国の中央銀行のことで、日本でいうと日銀のような存在です。FRBが米国債を買うことにより、市場に現金(米ドル)をじゃぶじゃぶとばら撒いてきたのです。

 2008年は未曽有の金融危機といわれる「リーマンショック」があった年なので、金融緩和をすることにより経済を回復させています。さらに、2020年にFRBはバランスシートを約1.7倍に拡大しています。これは「コロナショック」が起こったので、今までにない異次元の金融緩和をしたのです。

 そして、図の下段のチャートは米国の代表的な株価指数であるS&P500の値動きを示したものです。リーマンショックやコロナショックなど金融ショックのたびに暴落していますが、ことごとくショック前の高値を回復して、史上最高値を更新し続けています。

 これはFRBが金融ショックのたびに金融緩和を行うからといえるでしょう。

 金融緩和は市場に現金を供給するので、現金の価値は歴史的に希薄化し続けており、反対に米国株をはじめとした資産価値は長期的には上がり続けています。

 つまり、現金でしか資産を持っていない人は金融緩和の恩恵を受けられず、株式などの資産を保有している人は金融緩和の恩恵を受けられるので、ここで貧富の差が広がっているのです。金持ちがさらに金持ちになるのは、こういうカラクリです。

「なんだか、お金持ちばかり恩恵を受けてズルイ」と思ったあなた! 大丈夫です。

 この本を読んで少しずつ、投資を実践すれば、あなたも自分の資産が増えていくことを実感できるようになるでしょう。

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