超本気女子/オズワルド伊藤の『一旦書かせて頂きます』㉛

小説・エッセイ

公開日:2022/5/13

オズワルド伊藤
撮影=島本絵梨佳

ここ数年で人生が大きく変動しまくっている。給料から生活環境からなにからなにまで3年前とも2年前とも1年前ともまるで違う。目まぐるしいとはこのこと。だからかわからないが、駆けずり回ること紙幣の如くあちらへこちらへ大忙しの中でも毎日がとても楽しい。ガッツリ働いてガッツリ飲んでストレスは0に近い。うちの社長(畠中)は忙しさに滅法弱い為、いつか訪れる休日を想像してはほくそ笑む最弱のパラレルワールドに自身を解き放ってはいるが、オイラは忙しいの嫌いじゃない。余計なこと考える時間も減るしね。ネガティブなこともポジティブなことも考える隙間のない生活は、きっと今現在の自分には必要な時間なような気もするし。

そんな変化変化の連続の生活の中で、一番の変化とも言っていいのが他業種の方との絡みが増えたこと。僕は今他業種の方との絡みにとても興味津々なのである。

広く見れば芸能界なのかも知れないが、恐ろしく細分化されていて、今まで出会ってこなかった、絡んでこなかった、絡めるわけがなかった方々と仕事をさせて頂く機会が爆裂に増えてきた。元々「知らない人間」が大好物の僕にとっては、新しいなにかの人に出会うことはとーっても楽しい。芸人の先輩後輩同期と絡んでいる時の喜びとは全く別の脳汁が出る。聞きたいことが山ほどある。その人の今までとか超教えて欲しい。本で読んだり調べたりするよりも、誰かと目を見て話をして得た情報の方がはるかに入ってくる感じがするから。

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そんな他業種の方々の中でも、今最も自分の中で熱い存在なのがアイドルという職業の方々。職業というよりも人種といった方が適切かも知れない。

僕は今、このアイドルという人種の中での2つのグループと一緒に仕事をさせて頂いている。

1つ目のグループは私立恵比寿中学。通称エビ中。

彼女達とは1年前から一緒に『エビ中☆なんやねん』というラジオをやらせて頂いていて、我々オズワルドにたくさんの初めてを与え続けてくれている。

アイドルとレギュラーをやるのも、アイドルのライブに行くのも、オープニングで泣いたのも、エンディングで泣いたのも全部初めてだったし、なによりもアイドルってのはこんなにもパワー溢れるエナジーの塊みたいな存在なのかとド肝抜かれた。なんかこう、生きている人達って感じ。めっちゃ元気もらってる。

2つ目のグループは乃木坂46。すんごいデカいグループ。

そのうちのデビューして間もない5期生と言われる子達と、この春から『新・乃木坂スター誕生!』というテレビ番組を一緒にやらせて頂く運びとなった。

とにかく最初の印象は尋常じゃない透明感。いや学校にひとりもこんな子いなかったわという華やかさ。もひとつ言うなら現場の大人の多さ。これは本当にどちらが良いというわけでもなく、エビ中とはまた違ったタイプのアイドル。グループ違うとこんなにもいろいろ違うのかという印象。

強いて例えるなら、エビ中が幼なじみのかわい子ちゃんだとするなら、乃木坂5期生は転校生のかわい子ちゃん。一緒に缶蹴りするのがエビ中で、一緒にお弁当持ってピクニック行くのが乃木坂。頼む伝わってくれ。

ただ共通して言えることは、2組とも超本気という点。一生懸命の上位互換が超本気。超本気が良く似合うのこの2組。

超本気には圧倒されるし、超本気にはこちらも超本気になる。故にこちら側がうまいこといかなかった時は超申し訳ない。だからこちらも超本気。だから多分、職業柄断言は出来ないものの、万が一また他のアイドルとガッツリ番組をやらせて頂くオファーが来たとしても今の段階では受けないと思う。超本気はそんなに分散出来ないから。

今のところ僕にとってはアイドルとはこの2組のことであり、アイドルとはカッコイイもんだと思っている。そして彼女達のお陰で、彼女達に人生を注ぐ人達の気持ちも少しわかる。偉そうなことは言えないけどなんか元気出るよね見てるだけで。

最後に、長々と講釈垂れましたが、我々もまだまだひよっこですので、是非とも彼女達の横にいるおじさん達の成長も見守ってちょうだいね。

一旦辞めさせて頂きます。

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オズワルド 伊藤俊介(いとうしゅんすけ)
1989年生まれ。千葉県出身。2014年11月、畠中悠とオズワルドを結成。M-1グランプリ2019、2020、2021ファイナリスト。


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