『コミックボンボン』で連載された名作料理マンガが30年の時を経て復活！『OH!MYコンブ ミドル』／マンガPOP横丁（112）

『美味しんぼ』（小学館）や『クッキングパパ』（講談社）、『ミスター味っ子』（講談社）といった人気料理漫画が多く生まれた30年ほど前、小学生だったはりまにとって非常に強い衝撃を受けた作品があった。『コミックボンボン』（講談社）で連載、アニメ化もされた『OH!MYコンブ』である。とても前衛的かつ独創的で背徳感（？）もたっぷりの料理が登場し、小学生読者の心に強烈なインパクトを残した。そしてこの21世紀に『OH!MYコンブ ミドル』（かみやたかひろ：漫画、秋元康：企画・監修/講談社）となって帰ってきたのだ！

“子どもが考え子どもがつくりだす新しいグルメ”をコンセプトにした「リトルグルメ」。それは、子どもが真似できる駄菓子などの安い材料を使った創作料理のことだ。あれから30年。これを生み出した元少年料理人・なべやきコンブの今は……いつもだらだらと公園で駄菓子を食べ、それを目にする公園に遊びに来る子どもたちから“お菓子ばかり食べる妖怪”と揶揄される中年男性となっていた！ しかし30年経っても変わっていないものがあった。それは「リトルグルメ」の確かな腕と情熱！ かつての仲間はもちろん、コンブの住むアパートの住人などもリトルグルメに魅了され、こう絶賛する。

「オーマイ　コ～～～ンブ！！！」

「そうそう、コレコレ！」と懐かしみながら楽しんだと同時に、「まだまだ俺たちの“少し先”を行きやがる……！」と「リトルグルメ」の新たな可能性に感服。そう、攻めのクオリティは30年経っても衰えていなかったのだ。本作も期待を裏切らない駄菓子の存在感！ さらにコンブが中年になりお酒を飲むようになったことで、おつまみメニューが加わっている。サラダチキンのうまジャム和え、アダルトもちピザ、よっちゃんイカディップ……。インパクトの強さはそのままに、作ってみたいレシピが多数登場しているのだ！ そして前作から30年後ということで、コンブの今の姿に衝撃を受けたが、かつての仲間も現在の姿で登場する。個人的に常夏パイ助があの頃のイメージそのままに大人になってくれていたのはうれしい。やっぱり一番の衝撃はムスビの今だろう。そして気になるヒロイン・メンメンとの関係も見逃せない。さあ、30年後の彼らの姿を楽しみながら、コンブが作る新しいリトルグルメに実際に挑戦して叫ぼうじゃないか。

　オーマイ　コ～～～～～ンブ！！！！！

文・手書きPOP＝はりまりょう