「女子同士って、なんか面倒くさい!」と感じる人必読! 書籍『女子の人間関係』のポイントをコンパクトに解説

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公開日:2022/7/1

ロングセラーや話題の1冊の「読みどころ」は? 2014年に発売された『女子の人間関係』(水島広子/サンクチュアリ出版)の書籍要約をお届けします。

女子の人間関係
女子の人間関係』(水島広子/サンクチュアリ出版)

こんな人にオススメ!

・ 女子同士の人間関係でイライラする人
・ 自分にだけ当たりのキツい先輩がいる人
・ 職場仲間でのランチが面倒くさい人

3つのポイント

①女性は昔から男性に「選ばれる性」として生きてきた。人を比べる女性の言動は“彼女”の心の傷から起こっている。

②「女」の嫌な部分に自分も「女」で対抗すると反感を買ってしまう。自分の「女」度を下げておけば、受ける攻撃も減る。

③あなたへの挑発は“彼女”の不安でたまらない心から来るもの。「そうか、そんなに不安なんだな」「見逃してあげる」と受け流そう。

著者プロフィール:
水島広子(みずしま ひろこ)
精神科医。慶応義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶応義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶応義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表。2000~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。2014年に刊行された『女子の人間関係』が、13万5000部のベストセラーに。

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いわゆる「女」の嫌な部分とは?

 女性は「男性に選ばれる性」という生物学的な立場から、自分よりも恵まれた女性に嫉妬し、その足を引っ張ろうとしたり、幸せを奪い取ろうとしたりする、という特徴を持つ場合が多い。裏表があり、表ではよい顔をしていても裏では陰湿だ。「それ、かわいいね」などと本人には言いつつ、裏では「ださいよね」などと言ったりする。また、感情的に「敵」「味方」を決めたり、陰口やうわさ話、つまり他人についてのネガティブな話が好きである。

 ここに挙げたような、いわゆる「女」の嫌な部分を、本書ではカッコつきの「女」と書いている。これは女性そのものを意味するのではなく、いろいろな女性に見られる、一連の困った特徴のことを呼ぶ。

 ここでは、嫉妬して張り合ってくる女性の対処法について見てみよう。

「自分の話」ではなく「彼女の話」として受け流そう

 女性は昔から男性に「選ばれる性」として生きてきた。そのために外見の勝ち負けにこだわり、よいふるまいで気に入ってもらうために“演技”もしてきた。それと同時に「女らしくしろ」「女のくせに」といった言葉で傷ついてきた。「女」とは、「癒やされていない心」のことなのだ。

 人を比べてくる女性の言動も、それがどれほど上から目線に見えようと、「癒やされていない、気の毒な心」なのだ。少しでも優位に立たないと「自分は選ばれない存在になってしまう」「自分は価値が低い女になってしまう」ことが不安なのである。

 よって、比較されても「自分がよく思われていない」「自分が挑発された」というように「自分の話」だとは思わないこと。その代わりに「この人はストレスフルな人生を生きている、かわいそうな人なんだな」「いつもピリピリして、自分が負けているところがないか確認しないと気がすまないんだな」と、「彼女の話」として受け流していこう。

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巻き込まれないためには、“彼女”の悪口を言わないこと

 嫉妬して張り合ってくるタイプは、時に周りを巻き込んでこちらを不利な立場に追い込んでくることもある。その女性だけでなく周りに対しても自分を守るためには「彼女の悪口を言わない」ことだ。

 自分も「女」として正論じみた陰口で対抗してしまうと、他の「女」たちから反感を買ってしまい、男性からも「これだから女は……」と疎まれる。自分にとってよい状況が作られなくなってしまうのだ。

 もうひとつは、彼女以外の人たちとの間の信頼関係を日頃から築いておくこと。きちんと挨拶をしたり、頼まれごとに誠意をもって応えたり、あらゆる人にフェアに接するようにする。物事に対して感情的に反応するのではなく客観的に見るようにすること。自分の「女」度を下げておけば攻撃も減る。

「あなたという存在を尊重している」という気づかいを示そう

 ここまで来たら、次は彼女の心を癒やして関係性をよくしていこう。「ただでさえ面倒な彼女に、そんなことまでしてあげる必要はない」と思うのであれば、もちろんしなくても構わない。しかし彼女がこれからもずっと一緒に働いていく相手なのであれば、その関係性は少しでも改善された方が楽だろう。

 女性は、ひとりの人格として誠実に尊重されると、「女」度が下がるのだ。その人をひとりの人格として尊重し、心からの感謝を表現していくと、「女」が癒えて「女」度が下がってくるものだ。

 彼女の話を「頑張っているんだなあ。それほど頑張らないと存在をないがしろにされると思っているなんてかわいそうだなあ」「私にはわからないサバイバルを歩んでいるんだなあ。苦労が多いだろうなあ」と聞いてみる。そして「本当にすごいんだね」と心を込めて温かく言ってみると、彼女は自分自身が受け入れられたと感じ、だんだんと癒やされていくのだ。

「女」の特徴を知ると、女性との関係がスムーズになる!

「女」についてよく知り、自分自身の「女」度を下げ、他の女性にもよい影響を与えることができれば、それは女性全体の力につながる。今まで、「女が強くなる」と言うときには、「男のようになる」という文脈で語られることがほとんどだった。しかし、「女」に注目することによって、女性として楽しめることを失わないまま、しなやかに強くなることができる。

 これは、結婚している/していない、働いている/働いていない、子どもがいる/いない、どんな立場でも関係ない。「女を捨てた」わけではなく、「女」の嫌な部分から解放されて生きていくという新しい生き方を目指すことができる。

 ストレス度はどういう姿勢で受け流すかによって変わる。「挑発されている」と受けとめつつ受け流すのであればそれは「忍耐」「我慢」ということになるが、単に不安でたまらない彼女が不適切な態度を取っているというふうに見れば、「そうか、そんなに不安なんだな」「見逃してあげる」という余裕のある選択ができるはずだ。

文=ジョセート

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