王貞治、孫正義…365人の仕事哲学を日めくり形式で読む『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』【要約】

ビジネス

公開日:2022/6/9

ロングセラーや話題の1冊の「読みどころ」は? ダ・ヴィンチWeb編集部がセレクトした『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(藤尾秀昭:監修/致知出版社)の書籍要約をお届けします。

〈こんな人にオススメ!〉

・仕事に前向きになれる元気の素がほしい人

・さまざまな「仕事人」の働く哲学を知りたい人

・「毎日一章読む」など読書の習慣化が得意/好きな人

〈3つのポイント〉

要点1
有名無名やジャンルを問わず、各界各分野で道を切り開いてきた「仕事人」たちの仕事や人生に対する真実の言葉を、1日1話1ページのボリュームで365日分まとめた一冊。カレンダー形式なので毎日の習慣にもしやすい。

要点2
掲載されたインタビューは、書店では販売しないものの11万人に定期購読されている月刊誌『致知』(致知出版社)から厳選されたもの。

要点3
30万部突破!(2022年5月時点)。「2020年ブクログ年間ランキング(評価順)」「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022で、総合グランプリとなるなど、2020年の発行以来、多くの読者の心を熱くし続けているベストセラー。

(著者プロフィール)
藤尾秀昭(ふじおひであき)/「人間学」をテーマにした月刊『致知』(1978年〜)の創刊以来編集に携わり、1979年編集長に就任。1992年、致知出版社代表取締役社長に就任。現在、代表取締役社長兼主幹。主な著書に『小さな人生論1〜5』『小さな修養論1〜5』『心に響く小さな5つの物語1〜3』『小さな経営論』『プロの条件』『はじめて読む人のための人間学』『二度とない人生をどう生きるか』『人生の法則』(いずれも致知出版社)ほか。

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稲盛和夫(京セラ名誉会長)

 技術者として経営者として長く「ものづくり」に携わる中で、常にこの宇宙のどこかに「知恵の蔵(真理の蔵)」ともいうべき場所があり、そこにある大いなる叡智に導かれるような思いがしていたという稲盛氏。彼が接してきた多くの研究者たちも創造的なひらめきを神の啓示のごとく受けた瞬間があると聞き、その思いはさらに強くなった。「人類に新しい地平をひらいた偉大な先人たちの功績を顧みるとき、彼らは『知恵の蔵』からもたらされた叡智を創造力の源として、神業のごとき高度な技術を我がものとして、文明を発展させてきたのだと、私には思えてならない」(稲盛氏)。

佐藤可士和(クリエイティブディレクター)

 ヒット商品を生み出すには商品の本質を見抜くことが肝要であり、そのためには「前提を疑う」こと、そして「人の話を聞く」ことが大事だと佐藤氏。ただし感情のままに行動するのではなく、必要かどうかを判断の拠り所にするのを忘れないようにしたい。「いつも本質だけを見ていようと思っていれば、判断を間違えることはないでしょう」(佐藤氏)。

コシノジュンコ(デザイナー)

 コシノ氏の母が最期に残した言葉は「与うるは受くるより幸いなり」という『聖書』の言葉だった。「人に何かをしてあげることは、遠く回って、結局は自分のためになる。自分のためにやるのではなく、人のためにやると最終的には自分に返ってくるよ、ということを母は最期に私に伝えたかったのだと思います」(コシノ氏)。実際にコシノ氏の人生にもそんな母の言葉通りの出会いが多々あった。

三浦雄一郎(冒険家)

 エベレスト登頂は大事業であり、あらゆる場面を先に予測した綿密な準備だけでなく、シェルパなどの人材をまとめていく力も必要だと三浦氏。「リーダーが暗ければ隊全体の士気が下がりますから、リーダーは、いつでもどんなに落ち込んでいようが何しようが、上機嫌で希望の旗印を掲げていなければいけない。これを降ろしてしまったら、誰もついてこなくなっちゃうわけです」(三浦氏)。

王貞治(福岡ソフトバンクホークス球団会長)

 現役時代、世界のホームラン王としてその名を轟かせた王氏。当時は一球一球が真剣勝負であり、プロとして絶対にミスは許されないと思いながら打席に立っていたという。「百回やっても、千回やっても絶対俺はちゃんとできる、という強い気持ちを持って臨んで、初めてプロと言えるんです」(王氏)。

鈴木敏文(セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問)

 鈴木氏がセブン-イレブンを日本で展開しようと考えた時、周囲は過去の誰もが経験論に基づいて反対したという。それでも食い下がった鈴木氏は「実験的にやってみれば」と了承を取り付け、実現に向かって奔走した。「昔から私のモットーは『変化対応』。変化は当然起こるから、あらゆる変化にいかに対応するかを考えていくことが大事だと。変化の激しいこの時代に過去の成功事例に縋りついていたら失敗が多くなる。ですから過去を捨てろと言いたいですね」(鈴木氏)。

山中伸弥(元京都大学iPS細胞研究所所長)

 高校時代の柔道部での経験がいまも自分の支えになっているという山中氏。ひたすら練習を続けることは、単調さに負けない精神力・忍耐力につながり、怪我をした経験は「何か悪いことが起こったときは『身から出たサビ』、つまり自分のせいだと考え、反対にいいことが起こった時は『おかげさま』と思う」(山中氏)というモットーにつながった。

孫正義(ソフトバンクグループ会長兼社長執行役員)

 リスクを恐れず攻めの姿勢で巨大企業を率いる孫氏。攻めていくためにはかなり難しい局面をクリエイティブに打開していかなければならず、そのためには「脳みそがちぎれるほど考える」ことが大事だという。「本当に心底、ちぎれるほど考えてみよ、そうするとおのずから新しいひらめきなり問題解決策が出てくる」(孫氏)。

羽生善治(将棋棋士)

 厳しい勝負の世界に生きる羽生氏。氏はその時の自分を客観的に捉えるための「リトマス試験紙」を持っているという。それは人から「頑張ってください」と声をかけられたときの自分の反応。「『ありがとうございます』って素直な気持ちで言える時ってだいたいいい状態なんです。いや、そんなこと言ったってもう十分頑張ってるよって思う時はあまりよくない」(羽生氏)。

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