「結婚」は魔の2文字!? 同棲を解消して「結婚」を手放すことも必要

公開日:2015/7/25

 親からのプレッシャー、友人たちの結婚・出産ラッシュをひと通りくらったアラサーのココロはいつだって複雑だ。「早く結婚したい~!」という願望、「結婚するより今の生活が楽しい」というプライド(?)、「一生結婚できないかも…」という不安が、頭の中で常にループしているのだ。

 そこで今回ダ・ヴィンチニュースでは、著書『「結婚」を手放したらかえってラクになりました』で、3年半の彼との同棲生活の解消から新しい人生のスタートをきってからの体験を赤裸々に描いた、イラストレーターのカタノトモコさん(33)にインタビューを決行。今の心持ちを聞いてみた。

 結婚前の同棲に対する意見はいつも賛否両論。同棲は自然と“結婚意識”が高まるもの。そのプレッシャーから、つい家事を頑張りすぎて疲弊してしまった…。一方で、一緒に住んでみないとわからないことも多い、結婚しなくてよかったなんてことも。

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――カタノさんが、次お付き合いする人とは、結婚前に同棲したいと思いますか?

「いやもう結婚します。一緒に住みましょうとなった時点で結婚が前提です。“付き合う”&“同棲”とで見える部分と“結婚”で見える部分は違うと思いますし…それを踏まえてその人と一緒にいたいわけですから…相手を査定するためのとか、とりあえずやってみようとか…ちょっと一緒に住んでみよっかと言えてしまう男性は嫌ですね。」

――同棲するならやっておくべきことは?

「一緒に住もうというタイミングで、絶対いつ結婚するかという設定はしたほうがいいと思います。お互いいつかは結婚しようと思っていても、私のように、自分が考えている結婚の時期と、彼のタイミングが違うとうまくいかないと思うんです。具体的に、○年後、2人でいくら貯めたら結婚式をあげようなど、話は事前にしっかりした方がいいです。同棲中の2人の家計についてもです。その辺をきちんと話し合える関係の人じゃないと良くないですよね。」

――本書の中で、「結婚しよう」って言われたいシーンがありますが、自分から言おうとは思わなかったんですか?

「実は結構真剣に話したことがありました。そしたら、そこはおれから言わせてほしいと言われたんです。」

――そういう逃げ方もあるんですね…(笑)

「プロポーズって男の人がビシっと決めたいものなんでしょうけどね…。ただ、これから先もその人の都合で生きていかなきゃいけないんだろうなと思うと、やめて良かったというか。実は私、彼との同棲中ずっと眉間に皺が寄っていました。精神的苦痛から病気になるんじゃないかと思ったこともあったくらいです(笑)それに、3年が経った時にこれでもプロポーズがないのかって幻滅は大きかったです。離れさせてもくれないし、結婚もできないし、しんどくてしんどくて楽しくなかった。」

 そんなときに「東京に来たらいいじゃないですか!」と本書の担当編集Kさんから後押しがあったという。以前から抱いていた“東京で仕事がしたい”という気持ちが日に日に強くなり、思い切って彼と別れ上京することを決意したカタノさん。

「その時は、これだけつらい思いをして別れることを決心したので、とにかく離れたいって思ってました。」

――物理的な距離をおくのは有効的なことが多いですよね。実際、引越にはどれくらいの費用がかかったのですか?

「引越費用は20~30万くらい、新居の家賃や、家具は一掃したので、総額で100万くらいかかったと思います…。最終的にはこれだけかけたならやるしかない!と清々しい気持ちになりました。結婚資金にって思ってたんですけどね(笑)。」

――ある程度社会人経験を積んだ頃、30歳手前で、何かに挑戦するという女性は多いと思うんですが、そんな時に100万円くらい使えるお金をもっておくといいですね。ところで、彼と別れ上京してから、“彼に会ったほうがいいのかな”と思った理由は?

「別れた後も彼から連絡はあって、きっとまだ消化しきれていない部分があるんだろうなというのはわかっていました。1回しっかり彼と向き合って彼が真剣に話してきたらそれに答えようと思ったんです。」

――実際会ってそれらしき言葉はあったんですか?

「なかったですね。そこでお互いすっきりしました。」

――カタノさんが自分とのことは過去のこととして消化しているとなんとなく気づいて、何もいえなかったという可能性もありますよね。ところで、学生時代から付き合い続けているカップルは、30歳目前にして、結婚するか否かでモヤモヤしている人も多いと思います。そんな人たちに言えることは?

「私は、今ふりかえると結婚したい、結婚しなきゃということに惑わされていました。“結婚”そのものしか見てなかったんです。いくら待っても、結婚したくて、ずっと一緒にいたいと思えるくらい大好きだと思える相手なら待ってもいいと思います。ただ、“責任とってほしい”とか“今捨てられたらもう結婚できないかも”という気持ちだったらやっぱり違うなって…。でも相手の男性には“なにやってんだよお前は!!”って説教したいです。」

――結婚を手放した後に出会った人とトントン拍子で結婚して、そのときようやく、その人にしがみつく必要はなかったんだって思えた。という人もいるようですね。さて、カタノさんがいま考える「結婚」って何ですか?

「2人で一緒にいて楽しいと思える相手と生活することですかね。子供に自分の人生をかぶせたくないので、子供がある程度成長したときに、2人で旅行とか行きまくってうちの親って自由なんだよね、って子供に言ってもらえるような相手と結婚したいです。旦那といるのが嫌、会話がないから子供がいてくれた方がいいなんて嫌だなーと。」

――そんなお相手を見つけるには?

「自分が嫌なこと、無理しているなということに、気づくことだと思います。私は、自分の理想を書き出してみて、自分が譲れることとそうじゃないことに気づきました。意外とわかってない、“自分を知る”のが近道なんだと思います。私のように流されやすい人は特に(笑)。」

――カタノさんは、いい決断をしたと今でも思えますか?

「そう思います。私は、この人と結婚したいんじゃなくて別れたかったんだって気づいたんです。やっと自分で好きな人生を歩けると思えた時に、希望がわいてきました。彼のことは嫌いなわけではなく、大切な人ではあるんですが、私とは合わなかったのかなと思ってます。」

――最後に読者の方に伝えたいことはありますか?

「結婚や出産も、自分の人生で本当に大切ならそのタイミングでちゃんと来るだろうなと思います。遅く結婚した人で、ここまで待ったからすごくいい人と出会えたという人や子供ができなくても理想的だなと思える夫婦の方々も周りにいるので、良い人生を歩んでいるなと思える人たちを目標に、素敵なほうを見るようにしています。あとは自分に自信を持って結婚はいつか必ずできると信じて!笑 楽しく笑顔な毎日を過ごしていくのが一番いいですね!」

取材・文=ダ・ヴィンチニュース編集部

「結婚」を手放したらかえってラクになりました
カタノトモコ/KADOKAWA メディアファクトリー