ジョブズが同じ服装なのにはワケがあった! メンタリストDaiGoの教える超集中法

ビジネス

公開日:2018/3/8

『図解 自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo /かんき出版)

 ある日偶然に、1冊の本を手にした。「人は決定疲れする」という興味深い一文がそこにあった。それが『図解 自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo /かんき出版)である。

 これはベストセラーになった同タイトルの「図解版」だが、分かりやすいイラストや図が多いのでスルスルと頭に入ってくる。

 なにより、その「人は決定疲れする」というワードに目からウロコであった。集中力といえば今の自分になにかどんどん足し算をして身に付けていくものと思っていたが、もしかしてアクションを減らしていくことが肝心なのか?とハッとし、思わず読み進めた。

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 今回は本書から、特に良いと思った考え方をシェアしたい。

■選択肢が多いと決断できなくなる

 スーパーに試食品のジャムを24種類置いたときと、6種類を置いたときでは、ジャムを購入した割合は6種類のときの方が多いという実験結果がある。

 実は「立ち寄っただけ」という人の割合でいえば24種類のときの方が多かったのだが、「購入までたどり着いた」のは6種類のときの方が多かったという。選択視が多いほど、「迷ったあげく“買わない”」という選択をしてしまう。これは、人が物事を決定するときにエネルギーを使ってしまうためだ。決定を避けようとして「先延ばし」をしてしまう。

 そのため「決断」をすぐ下せる仕組みを作る必要がある。何かを思いついたらメモ帳やスマホにいったんメモをしてすぐに頭の外に出すことが重要だ。行動を「可視化」することでエネルギーを節約できるのだ。

■15分集中したら強制的に休憩を取る

「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取る方法がある。それは、最初から時間を短く区切って作業することである。「もう少しやりたかった」というところで仕事や勉強を中止してしまうのだ。

 たとえば、15分作業したら休憩、また15分作業したら休憩…と繰り返していく。15分集中したところで強制的に手を止めると、物足りない気分になる。「もう15分か。もう少しやれたな」「早く続きがやりたいな」と思えればしめたものだ。

■集中力は、ノートを開くだけで失われていく

 DaiGo氏のデスクには、開きっぱなしのノート、関連する本、いつでも書きだせるためのペン、テーブルクロスだけが置いてあるという。テーブルクロスは机に向かう気持ちを高めるためのお気に入りのものだ。自分を行動しやすくする、いつでも作業を始めることができる、というのが肝心である。選択肢やモノを減らして、集中力を奪うような「迷い」や「決断」をなくすことだ。

 それは毎日の服装にも同じことが言える。たとえば、スティーブ・ジョブズが公の場に出るときはいつも同じ格好をしていた。「毎日の服を選ぶ」という選択は、よほど服が好きでない限り面倒で手間がかかる。ジョブズは、そういうわずらわしさを、自分で作った仕組みで排除していたのだ。

 たとえば服装のパターンをある程度絞ったり、持ち物を大幅に片づけたりするなどして、タスクに集中のエネルギーを残す仕組み作りがポイントだ。

 実はDaiGo氏はかつて「LD(学習障害)」だと周囲に心配されていた過去がある。そんな自身は、ある日「勉強をして、自分を変えよう」と決意。そこからさまざまな試行錯誤を重ね、現在は幅広く活躍している。そのDaiGo氏を作り上げたのが、自分で身に付けた「集中力」だ。物事に集中できない性格だと思っている人でも、少しの工夫で変わることができるかもしれない。仕事にも学習にもマルチに使える1冊をぜひ手に取ってほしい。

文=女生徒