人には言えないけど…性別も年齢も関係ない、みんなの欲求不満事情

マンガ・アニメ

2018/6/30

『mon*mon』(太田出版)

 好きな人としたい、とにかく誰でもいいからしたい、恋人とのセックスをもっと楽しみたい……目的はどうあれ、状態は同じ。悶々としていて、じっとしていられない。

 そんな悶々とした気持ちを描いた短編集が『mon*mon』(太田出版)だ。『中学性日記』を描いたシモダアサミのデビュー作である当作品は、初の単行本とは思えないほどに完成度が高く、読んでいるこちら側も悶々としてくること間違い無し。

 作品に出てくる登場人物はみんなアラサー男女。性に興味津々の思春期なんてとっくに過ぎたはずだけど、彼らはいまも自分の肉体の疼きを持て余しています(実際私もアラサーですが、性欲ってそう簡単に衰えるものではないですよね……)。

 単に「セックスしたい!」と欲する人はもちろん、「激しくかきまわされたい」なんて赤裸々な女性の欲望も描かれていて、なんだか妙にリアル。セックスレスのカップルもいれば、乙女ゲームの王子様に恋する女子もいるし、風俗で働きながら大好きな彼氏がいる女の子もいます。みんな心惹かれる相手がいて、同時に「触ってほしい!」と願うのです。

 終わり方は、ハッピーエンドもあれば、ちょっぴり切ないエンドもあり、様々。でも、どのストーリーも読後は明るい気持ちになるのが不思議です。きっとどの登場人物たちも自分の欲求に素直で、それをストレートに相手に伝えることができているからでしょう。

 悶々とした気持ちや欲求不満って、どうしても言葉にするのは恥ずかしいもの。気持ちよくはなりたいけど、あけっぴろげに「セックスしよう」とか「触って気持ちよくして」なんて言うのは、けっこう勇気がいるんですよね。

 この作品を読んでいると、登場人物はみんな素直に本能のまま行動したり、ちょっと恥ずかしがりながらも頑張って相手に伝えてみたりと、自分の「悶々」と向き合っています。その先にある悦びも描かれているせいか、なんだか読んでいると「私もちょっとは素直になってみようかな」という気持ちに。

 ちょっぴりエッチで、とってもハッピーな気持ちになれる、シモダアサミのデビュー作。悶々としながらも行動にうつせない人は、ぜひ読んでみることをオススメします。

文=園田菜々