おデブ姉妹のユニークな日常がここに! 夢と脂肪がいっぱいなデブカワコメディ

マンガ

更新日:2018/7/30

『小林姉妹はあきらめない!』(小林潤奈/KADOKAWA)

 太っている自分の体型をコンプレックスに感じると、ダイエットにとり憑かれてしまうこともあるだろう。そんなときにこそ手に取ってほしいのが、太り気味の姉妹が繰り広げるコミカルな日常が描かれたデブカワ漫画『小林姉妹はあきらめない!』(小林潤奈/KADOKAWA)だ。わずか5カ月でインスタグラムのフォロワー数4万人を突破し、書籍化された本書はおデブ女子だからこそできる人生の楽しみ方を教えてくれる。

 太っている自分をネガティブな視点で見つめてしまうと、恋やおしゃれをあきらめそうにもなってしまう。しかし、小林姉妹はファッションやインスタ映え、ロマンスなどをあきらめず、自分たちの日常を思いっきり楽しんでいる。

 本書はダイエットをテーマにしているが、小林姉妹は「痩せたい」と口にしながらも、ポジティブな独自の解釈で食べ物の誘惑に負けてしまうこともある。

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 しかし、こうした小林姉妹の明るい考え方が、ダイエット疲れの心に効くのだ。

 そして、小林姉妹がチャレンジするダイエット法がユニークであるため、さらに微笑ましい気持ちになれる。

 楽しみながら行えそうなダイエット法なら続けられそうな気もする。

 自分に自信を持つためには理想的なプロポーションをつくることももちろん重要だが、そのせいで心が錆びついてしまったり、笑顔になれない日常が続いてしまうと、太っているときよりも自分のことを好きでなくなってしまったりもする。「心を追い込むダイエットをしている…」という心当たりがある方は本書を手に取り、自分にあったダイエット法を再検討してみてほしい。

■食を通した姉妹愛にほっこり

 本書は食を通した温かい姉妹愛を感じさせてもくれる。例えば、姉は妹のふとした一言を聞き、愛のこもったキッシュ作りに励んだり、自分にとっての最高の日は妹の誕生日だと語ったりする。

 そして、著者である妹の潤奈氏も同じように姉を大切に想っており、本書内で明かされる“自分たちをモデルに漫画を描き始めた理由”にも姉妹愛がたっぷりと詰めこまれている。「姉妹ってやっぱりいいな」――そうほっこりできる本書は、身近な人が当たり前に傍にいてくれる幸せをも感じさせてくれるはずだ。

「肥満」という女性の悩みを笑顔に変えてくれる本書は、ダイエットにくじけそうな時の支えとなってくれる。「太っている自分は好きになれない…」という悩みは小林姉妹の明るさに触れることで解決しながら、あきらめない人生をつくっていこう。

文=古川諭香