旅行移動中でもお家でも! GW中にじっくり読みたい王道ミステリー小説5選

文芸・カルチャー

2019/4/27

 時間がたっぷりとあるGWは、なにかおもしろい本に触れたくもなるもの。そんな時は、王道のミステリー小説をじっくりと楽しみ、スリル感を満喫してみてはいかがだろうか? 長年愛され続けている王道ミステリーにはラスト1ページまで楽しめる仕掛けが盛りだくさん。本稿では、特におすすめしたい作品を5つご紹介したい。

■死刑判決を受けたの冤罪死刑囚を救うカギは「階段」に

『13階段』(高野和明/講談社)

 ミステリー好きがみな口をそろえて絶賛するのが、高野和明氏が手がけた『13階段』(講談社)。物語は、定年間近の刑務官・南郷正二が仮釈放された服役囚・三上純一に、10年前に起きた殺人事件の再調査を依頼することから始まる。南郷は犯人とされる死刑囚・樹原亮の冤罪を晴らしてほしいと頼む。生活苦だった三上は多額の報酬に惹かれ調査を引き受けるが、その裏には想像を絶するような真実が隠されていた。本作のカギを握るのは、「階段」。死刑執行まで残り3カ月しかない中、三上は真実にたどり着き、樹原の命を救うことができるのだろうか。

■どんでん返しな猟奇的殺人にハラハラ…

『ハサミ男』(殊能将之/講談社)

 今は亡き、殊能将之氏のデビュー作『ハサミ男』(講談社)は猟奇的な殺人にハラハラでき、ラストのどんでん返しにド肝を抜かれる作品。舞台は2003年東京。女子高生の喉にハサミが突き立てられる連続猟奇的殺人事件が発生。マスコミは犯人を「ハサミ男」と呼び、行方を追っていた。一方、その頃ハサミ男は3人目の犠牲者を選び、入念な調査を行っていたが、自分の手口を真似た犠牲者の死体を発見し、誰が殺害を行ったのか調査し始める。宝島社の「このミステリーがすごい!」にランクインしたこともある本作は、読後に後悔しない良質なミステリー小説だ。

■消費者金融に翻弄…。婚約者が姿を消した理由とは?

『火車』(宮部みゆき/単行本:双葉社/文庫版:新潮社)

 カード破産や多重債務をめぐる取り立てに翻弄される女性の生き様を描いた『火車』(宮部みゆき/単行本:双葉社/文庫版:新潮社)は、女性からの人気も高いミステリー小説。休職中の刑事・本間俊介は遠縁の男性に頼まれ、彼の婚約者である関根彰子の行方を捜すことに。すると、彰子は自らの意思で失踪し、徹底的に足取りを消していたことが判明した。なぜ、彰子はそこまでして自分という存在を抹消しなければならなかったのか。そして、彼女は一体何者なのか。山本周五郎賞に輝いた本作は、ミステリー史に残る傑作。すべての謎が解けた後は、残酷な余韻が楽しめるはずだ。

■連続殺人鬼「カエル男」の正体と犯行動機に驚愕!

『連続殺人鬼カエル男』(中山七里/宝島社)

 史上初、『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考に『さよならドビュッシー』(宝島社)と共にダブルエントリーされた『連続殺人鬼カエル男』(中山七里/宝島社)は刑法39条について考えたくなる、異色の社会派ミステリー。すべての始まりは、マンションの13階から女性の全裸死体がフックでぶら下げられていたこと。傍らにはまるで子どもが書いたような、稚拙な犯行声明文が置かれていた。そして、連続殺人鬼「カエル男」によるこの犯行には、街中の人をパニックにする“被害者選別の法則性”も。ラストで明らかになるカエル男の正体と犯行動機は、あなたの予想をはるかに超えるはずだ。

■上映も決定! 東野圭吾氏が放つラブストーリー×ミステリー小説

『パラレルワールド・ラブストーリー』(東野圭吾/講談社)

 2019年5月31日から上映予定の『パラレルワールド・ラブストーリー』(東野圭吾/講談社)は王道とは違った楽しみ方ができる、新感覚のミステリー小説。主人公である敦賀崇史は、かつて一目惚れをした女性が親友の恋人になっていたことに驚き、嫉妬に苦しむ。しかし、ある朝、目を覚ますと親友の恋人であったはずの彼女が、なぜか自分の恋人として隣にいた。「親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか」――そんな想いに駆られた崇史は本当の過去を取り戻すため、記憶と真実を巡ることに。パズルのピースが埋まるように謎が解けていく本作は、一気読み必至だ。

 本稿でご紹介した作品はどれも、非日常的な世界が楽しめるものばかり。謎解き重視の王道ミステリーはもちろん、社会問題に思いを馳せたくなる社会派ミステリーも要チェック。ぜひ、手に汗握るストーリー展開にわくわくしてみてほしい。

文=古川諭香