心に渦巻く“負の感情”がすっきり!「不安」「嫉妬」「執着」3つの感情を捨てる方法は?

暮らし

公開日:2021/2/28

 人間関係の難しさや仕事の失敗、強い劣等感……私たちの心には、さまざまな負の感情が渦巻いています。そのせいで、自分でもどうしようもないほど心の中が激しくかき乱されてしまうときもありますよね。

 ここで、自分の“感情”に振り回される日々に疲れた人におすすめの3冊をご紹介します。

「不安」を捨てる! 自分にダメ出しするタイプの人は…

マンガでわかる「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法
『マンガでわかる「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(森下えみこ:漫画、大嶋信頼:原作/すばる舎)

 同書籍をマンガ化した作品。人々が抱えている普遍的な“不安”を心理カウンセラーの大嶋信頼氏がひもといていきます。

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 たとえば、毎日のように職場で怒られて悩んでいる男性・大野さん。彼は怒られるたびに自分が悪いと思い込み「知らないうちに(他人の)気分を悪くさせる何かが僕に…?」という不安に駆られて、大嶋氏のもとを訪れます。

 大嶋氏はまず、大野さんのように「自分にダメ出しするタイプの人は基本的に自分以外の人を信頼していない」と話します。人間そのものを信頼していないと、相手が“同じ人間”に見えないため、常に敵に囲まれているような不安に襲われるそう。

 強い不安は「緊張ホルモン」を分泌し、誰かと会話をしている最中も「自分のことをバカにしているのでは?」という疑念に苛まれる。その結果、ますます人が怖くなるという、負のスパイラルに陥ってしまうそう。世の中の仕事の多くは人と人が関わるものなので、彼の悩みは深刻ですよね。

 そんな大野さんに「相手のことを自分と同じ人間だと思うこと」が解決につながる、と大嶋氏はアドバイスします。別の生き物と捉えていた相手を同じ生き物と認識するだけでも、対人面の緊張や不安は和らぐそうです。

 このように、大嶋氏のカウンセリングは相談者の不安の原因を探り、思考を変える具体的なキーワードやヒントを提示してくれます。さまざまな悩みを抱える相談者が登場するので、自分に合う不安対処法が見つかるかもしれません。

「嫉妬」を捨てる! あなたの嫉妬は2パターンのどっち?

感情の整理学
『感情の整理学』(和田秀樹/エクスナレッジ)

 自分のモノなのに、なかなかコントロールができない“感情”。著者で精神科医の和田秀樹氏が、「不安」や「怒り」「心配性」などの負の感情をコントロールして心の健康につなげる方法を伝授してくれる一冊です。

 なかでも厄介な「嫉妬」の項では、「嫉妬は『大切な人、モノを取られる』『負ける』『地位を奪われる』『注目されなくなる』ことへの恐怖から湧きおこる、凶暴な感情」と解説します。戦争やスポーツ、恋愛、受験などあらゆる場面で“嫉妬”が人間の行動を支配している、とのこと。ただ、ネガティブなイメージが強い嫉妬ですが、ポジティブなパワーに変えることができる、と和田氏は解説します。

「嫉妬を2つの型に分けて説明すると
「エンビー型」…恵まれた人を激しくうらやみながら自分は努力する気はなく、陰でネチネチ中傷するなど「引きずり下ろす」ことに熱中する、ネガティブな嫉妬。
「ジェラシー型」…あの人がうらやましい、負けたくないという思いをバネにして自分を鍛え、実力をつけていくポジティブな嫉妬。」

 とくに昨今は、SNSやネットで誰かを攻撃する“叩き”が激しさを増しています。対象への強い嫉妬が元になる叩きは、かなりエネルギーを使う行為でもあります。誹謗中傷をするエネルギーがあるなら、それを“起爆剤”にして「自分を磨くこと、実力をつけること」に心血を注いでほしい、と和田氏は綴ります。厄介な感情をポジティブなパワーに昇華して飛躍する……感情のコントロールは、自分を成長させるきっかけにもなるようです。

「執着」を捨てる! こだわりとの違いとは?

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本
『「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本』(根本裕幸/学研プラス)

 予約3カ月待ちの人気カウンセラー・根本裕幸氏が“執着”との付き合い方を教えてくれる一冊。まず根本氏は、夢や希望を持って努力する「こだわり」と「執着」は心理学上で明確に分けられている、と解説します。

「あなたは、ある人物(もの)が気になってたまりません。心のほとんどをそれが占めていて、「絶対に手に入れたい」「絶対に手放したくない」と思い、いろいろな努力を重ねます。

そこには希望も夢も、喜びもありません。心を占めるのは、怖れや不安、悲しみ、無価値観など、苦しい感情ばかり。つまり、こだわりと執着の違いとは、そこに『喜び』があるか『苦しみ』ばかりを伴うかにあるのです。」

 根本氏は、執着している限り「人生に幸せを感じられなくなる」と警鐘を鳴らします。執着の対象は、恋人やお金、仕事など十人十色ですが、執着しているあいだは人生の選択肢が狭まり、幸福な時間が過ごせない。たとえ執着していたものを手に入れても、執着していた時間は取り戻せません。なんとも切ない話です。

 同書では、根本氏が携わった実例とともに執着を手放す「手放しワーク」の方法を紹介しています。第4章以降は実践的な内容になり、誰(何)を手放すのかを決めて、手放したい理由や、手放したあとの目標を定めるなど、具体的なプロセスを踏んで進められます。自分自身と深く向き合う難しい作業ですが、終わったあとは“人生の選択肢”が広がるはず。

 不安や嫉妬、執着など、自分の負の感情を取り除けるのは本人だけ。自らを労る気持ちで、心の整理整頓に挑んでみると前向きになれるかもしれません。

文=とみたまゆり