文芸賞

谷川俊太郎の「谷川」

著者/谷川俊太郎
制作/株式会社ナナロク社、
面白法人カヤック、
株式会社リアルコーヒーエンタテインメント
※現在閲覧可能な端末:iPhone、iPad 互換

川からは桃太郎も流れてきたんだから、俊太郎が流れてきてもいいんじゃないか、と思いついたのは実は私じゃありません。私は詩を提供しただけ。あとは三人(三社)寄れば文殊の知恵で、いつの間にかテスト版ができてきて、私は川音と小鳥のさえずりが欲しいと入れ知恵しました。 釣りでは待つことが大切なんだそうですね。私も詩の最初の数行は理詰めで考え出すのではなくて、意識下から上がってくるのを待つので、このアプリとは相性がいいんです。詩作品そのものというより、詩と読者をむすぶ面白い方法が受賞したことを、ことのほか嬉しく思います。 一同を代表して、「谷川」を推してくださった皆様に厚く御礼申し上げます。

選評

「正直、嫉妬するくらいにいいと思った。Twitter 上にそれぞれの呟きが流れていくように、谷川さんの文章が川を流れていく。そしてその中で自分の気に入ったものだけを拾い上げていくという感触が、詩の雰囲気も含めて、アプリの特性と完全に一致している。自分もアプリ製作者なので、アプリを評価する際はちょっとだけ意地悪を言いたくなるのだけど、でも、これは完璧」(森川)。「メニュー画面となる川に、各作品のタイトルではなく、それぞれの印象深いフレーズが流れてくる。その点に、紙媒体とは異なる「デジタル・デバイス上の詩」を成立させる意気込みを感じた。フレーズと詩全体の印象が必ずしも一致しないことが、読む者にいい意味での驚きと発見を与えてくれるのも、階層性を持った電子書籍ならではの仕掛け」(市川)

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