男の妄想を掻き立てる壇蜜の完ペキなトークとモテ力

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公開日:2017/1/5

出典:「壇蜜OFFICIAL WEB SITE」より

 タレントの壇蜜(36)が12月23日、都内で2017年カレンダー発売イベントに出席したときの模様を、ネット版の日刊スポーツが報じていた。

 どうやら今年の彼女は「二」にまつわる災いが多かったそうで、詳細を説明すれば

「給湯器が2度壊れ、右膝を2回すりむき、2時間待たされ…」と発言。「ウチで鍋を食べようという話になったサラリーマンの方がいらっしゃいまして。私を抱いても何の得も無いサラリーマンですが、2時間待ったけど来なかったんです」と告白。

「メールで(今日行くのは)『難しくなった』と。『この埋め合わせは必ず』といいながらもう年が明けそうです」。報道陣から「いい人ができたということでいいですか」と確認されると、「いい人じゃないですよ。何の埋め合わせもしてくれていないし。熱愛は無いです」と笑顔で否定した。

とのことらしい。「たわいもない与太記事でしかないじゃん」と言われたら、そこに異論を挟む余地もないのだが、会場に約300人ものファンが集まったという壇蜜の「36歳なる妙齢を最大限に活かしたモテ力」が遺憾なく発揮された完ペキなトークだと、思わず舌を巻いてしまった。

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 たった250ワード足らずの短い引用文にもかかわらず、着目すべき点は山ほどある。

 まず、「給湯器が2度壊れ、右膝を2回すりむき」のくだり。これだけに一人暮らしの女性の侘びしさとか弱さが見事に集約されている。「ああ、一見華やかな芸能界に身を置く彼女でも、誰もいない家に帰れば普通の独身OLと同じような暮らしをしているんだな…」と、殿方の優越感にも似た親近感を絶妙にくすぐってやまない。給湯器のスイッチをカチカチさせながら「あ〜ん、もう!」と軽い地団駄を踏み、膝をすりむいて半ベソをかいている壇蜜の姿が今にも目に浮かぶような名台詞である。

 そんな“前フリ”で程良く場を温めてからの波状攻撃が、また凄まじい。「ウチで鍋を食べようという話になったサラリーマンの方」が「2時間待ったけど来なかったんです」。しかも、「私を抱いても何の得も無いサラリーマン」が、よりによってあの壇蜜を「(今日行くのは)難しくなった」と、アッサリ惜しげもなく切り捨ててしまうのだ。

 男子諸兄は、ここまでを読んで、如何なる想いを馳せることだろう? ほんのりただようM気質を“売り”とする壇蜜特有の言い回し「私を抱いても何の得も無いサラリーマン」は、我々男子の脳内で「壇蜜が抱いても何の得も無いサラリーマン」にスイッチされ、「もしかすると、芸能界にはまったく縁のないサラリーマンのオレでも(しがないライターの私でも)、運良く出会いさえすれば、チョット頑張りさえすればイケちゃうんじゃないか!?」と、はてしなく妄想を膨らませてしまうのではなかろうか?

 そして、トドメが「いい人じゃないですよ。何の埋め合わせもしてくれていないし。熱愛は無いです」と笑顔で彼氏の存在を全否定。彼女の発言をあえて真に受けるなら「我々にもまだチャンスは残されている」のである。

 なんというきめ細やかで卒ないサービス精神! 一文字一文字を噛みしめれば噛みしめるほど、どの発言にも一切の無駄文字がない。こうやって世の中年・初老の殿方たちは壇蜜マジックに無自覚なままハマっていく……。

 では、もし壇蜜みたいな女性が身近にいれば……とてもじゃないけど、実際は我々の手なんかには負えるはずもない。「私が抱いても何の得も無いサラリーマン」を抜かりなく「私を抱いても何の得も無いサラリーマン」と即時に変換できる“国語の怪物”を前に、ただただ翻弄されるばかり……。したがって、「しがないライター」でしかない私は、日々メディア上で垂れ流される壇蜜の言動から、せいぜい「炎上防止のテクニック」を学ぶことくらいが身の丈だと、自分に言い聞かせるしかないのであった。

文=citrus山田ゴメス