漬けて焼くor焼いて漬けるだけ! いつもの食材が美味しく変身!【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/2/14


『ほっとくだけで味が決まる 漬けたら、すぐおいしい!』(堤人美/講談社)

 忙しい時、「野菜洗うのめんどくさい……」「すぐ食べたいのに何もない……」と、キッチンで呆然とし、結局ついつい適当にどうでもいいものを食べてしまった。そんな経験はないだろうか? そんなふうに毎日の食生活を疎かにしていると、栄養が偏り、体調を崩してしまう。本当は、忙しい人こそ、忙しい時こそ、ちゃんとした食事をする必要がある。

 そこで便利なのが、焼いて漬けておく、もしくは漬けて下味をつけ、焼くだけにしておくなど、“漬ける”作りおきレシピを集めた『ほっとくだけで味が決まる 漬けたら、すぐおいしい!』(堤人美/講談社)。この本には、「朝漬けて夜帰ったら火を通すだけ」「漬けたベースを2~3品にアレンジ」など、知っていると料理の幅が広がる簡単レシピがたくさん詰まっており、簡単レシピファンから人気を得ている。

 これらをマスターすれば、帰りが遅い日でも、やる気がない日でも、美味しい料理が食べられそうだ。そこで、実際にいくつか作って試してみた。

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「鶏肉のレンジ照り焼き」(P.12~P.13)


 ビニール袋に、鶏もも肉、しょうゆ、はちみつ、酒、片栗粉、長ねぎ、生姜を入れてよくもみ込み、半日~1日冷蔵庫に入れておけば下準備は完了。そしてこのレシピのありがたいところは、フライパンすら使わないところ。耐熱皿に皮を下にして置き、ラップをせずに電子レンジで加熱すれば完成する。材料を全て入れてほったらかし、レンジで加熱しただけとは思えない美味しさ。

「豚ばら肉のにんにく塩漬け」(P.30)とじゃがいもを焼いてみた。


 本書では、「豚ばら肉のにんにく塩漬け」(P.30)とじゃがいもで「塩肉じゃが」にしているが、こんがりさせても美味しいのでは?と思い立ち、同じ材料を焼いてみた。じゃがいもは事前に電子レンジで加熱し、皮をむいておく。塩漬けの豚バラ肉を漬けダレごとフライパンに投入し、程々に火が通ったらじゃがいもを入れ、じゃがいもの表面に少し焦げ目がつくくらいまで炒めれば完成。「豚ばら肉のにんにく塩漬け」には、塩、こしょう、にんにくに加え、ごま油としょうゆも入っているので、香ばしく仕上がってご飯にもお酒にも合いそうな味。

「黒酢にらだれ」(P.56)に、根菜と唐揚げを漬けてみた。


 「黒酢にらだれ」には肉や魚のほか、根菜類もおすすめ、とあったので、素揚げした大根とにんじん、そして唐揚げを漬けてみた。素揚げすることで味が凝縮され、たれも絡みやすくなって大成功。たれには、にら、しょうゆ、黒酢、砂糖、いり白ごま、ごま油、水、にんにくが入っている。本書では、豆あじの唐揚げや手羽先グリル、さやいんげんを漬けたレシピが紹介されている。肉、魚、野菜何にでも合いそうな、いろいろと試してみたくなる万能つけだれだった。

「さつま芋の中華だれ漬け」(P.67)


 最後は、砂糖の加減でおかずにもおやつにもなりそうな「さつま芋の中華だれ漬け」。乱切りして素揚げしたさつまいもを、しょうゆ、砂糖、酢、長ねぎの粗みじん切りを合わせたものに漬ければ出来上がり。さつまいもは、冷たい油に入れて揚げるとほっくりカラリと仕上がるそうだ。甘酸っぱい味にネギがアクセントになっていて、いつでも箸が進みそうな一品。冷めても美味しいので、常備菜として置いておきたい。

 どれも漬けて焼くだけ揚げるだけ、もしくは焼いて、揚げて漬けるだけという、非常にシンプルな調理法なのだが、そうとは思えない本格的な味に仕上がる。夜に下準備をしておけば、お弁当にもものすごく役立ちそうだ。

 この『ほっとくだけで味が決まる 漬けたら、すぐおいしい!』には、他にも「豚肉の塩ローズマリー漬け」「スペアリブのBBQソース漬け」「ぶりのゆずこしょうオイル漬け」など、気になるレシピがたくさん。忙しい人も、料理が苦手という人も、ぜひとも本書で“漬けるレシピ”をマスターしてほしい。

文=月乃雫