人の気持ちを想像しすぎてしまう「やめたい癖」が、作品の魅力に繋がった? リアルな“ネコ様漫画”の裏側【著者インタビュー】
公開日:2025/10/11

気分が乗った時だけ気ままに甘え、通常モードでは自分の意志を貫き通すのが猫。一緒に暮らしていると、無言の「ネコ圧」に完敗してしまうことも多々ある。
『今日もネコ様の圧が強い』(うぐいす歌子/KADOKAWA)は、そうした飼い主の日常や自分ファーストな猫の心理をユーモラスに描いた猫漫画だ。
言葉を発さず、目力や態度で飼い主を翻弄する「ネコ圧」。本作で作者は、その迫力や魅力をどう描き切ったのだろうか。漫画では知れない秘蔵エピソードと共に、本作に込めた想いをうかがった。
――本作ではネコ様たちの強気でユニークな言葉だけでなく、目力からも「ネコ圧」が伝わってくるように感じました。描く中で、どんなことにこだわられましたか。
うぐいす歌子さん(以下、うぐいす歌子):目の影の入れ方です。本作では、逆光気味の光源設定にしています。
――目力の表現法以外にも、「ネコ圧」をリアルに伝えるため、工夫されたことなどはありますか。
うぐいす歌子:実はあまり何も考えず、自動で描き上がるものを出しています。描き上がったら、体力がゴリゴリ削られてはいるので、きっと何か考えてはいるのでしょうけど、まだ言語化はできていません。
――本作は、猫から見る人間の姿や猫の心理描写がリアルですよね。そうしたリアルな猫目線の表現は、どうやって習得されたのでしょうか。
うぐいす歌子:私はネコさんだけでなく、人間さんの心境も勝手に考えて読む癖があるので、そのせいかもしれません。人間さんの心情なんて考えてもストレスになるので、やめたい癖ではあります(笑)。
文・取材=古川諭香
