「次にくるマンガ大賞 2026」U-NEXT賞受賞作。爽快感より執念と殺意! バレーボール漫画の王道を覆す『ディグイット』の圧倒的迫力【書評】
PR 更新日:2026/9/24

スポーツ漫画にはいまいち食指が動かない。汗と涙の爽やかな青春が描かれているのだろうと、なんとなく想像できてしまうからだ。ところが、そんな先入観を気持ちよく裏切ってくれる作品に出会った。男子バレーボールを題材にした『ディグイット』(ヨシダ。/講談社)だ。もちろん本作にも努力や挫折、仲間との絆はある。けれど、どうにも“温度”がおかしい。コートの上でぶつかり合うのは、若者たちの熱気というより、むき出しの殺意なのだ。

主人公の獅子谷岳は、元バレーボール日本代表のエース・獅子谷慧の息子。幼い頃から父の指導を受け、「日本一のアタッカー」になることを期待されてきた。しかし岳自身は、自分がアタッカーに向いているのか疑問を抱いていた。
そんなある日、岳の練習を見に来た慧が、チームメイトの日高昇にアタッカーの才能を見いだし、「日本一のバレー選手にする」と宣言。一方で岳も、血のにじむ努力の末、アタッカーとしての限界を自ら証明する。そして彼が選んだ新たな道は、守備専門のポジション「リベロ」。静岡の羽海野高校に進学した岳は、「自分のバレー」で父と昇を倒すべく、世界一のリベロを目指す。

2025年8月に第1巻が発売されると、即日重版が決定。既刊は累計45万部を超え、「全国書店員が選んだおすすめコミック2026」第4位にも選ばれた本作。その勢いは止まらず、「次にくるマンガ大賞2026」では、特別協賛のU-NEXTから贈られる「U-NEXT賞」コミックス部門に輝いた。
スポーツ漫画では「努力は才能を越えられる」というテーマが王道だが、本作は違う。努力だけでは越えられない壁があることを真正面から突きつけてくる。それでも岳は諦めない。「自分の才能は自分で掘り起こす」「見つけた可能性が小さくても泥臭くても、磨き続ければ才能になるかもしれない」と考えるのだ。岳のその言葉には「なるほど、そんな考え方があったか!」と、思わず唸ってしまった。挫折から這い上がる物語は珍しくない。けれど、自ら限界を確かめたうえで、新たな可能性を探して武器にしようとする主人公は新鮮だ。
そして本作を語るうえで外せないのが、冒頭でも触れた“殺意”だ。岳をはじめ、コートに立つ選手たちは「絶対に相手を倒す」という気迫に満ちている。実際、「ぶっ殺す」なんて物騒なセリフまで飛び出すほどに。とくにゾクッとするのが、キャラクターたちの表情。ネットの先を捉える目つきは殺し屋かと思うほど鋭く、なにがなんでも勝つという執念がこもっている。

また、本作は見開きや大ゴマを惜しみなく使った試合描写も印象的だ。ここぞという場面では、キャラの表情や動きだけで見せる。そのシンプルさが静かな迫力を生み、ぐっと心を掴まれる。「トスが上がってからボールに触れるまで約0.3秒」といった具合に、身体感覚の世界を理屈で見せてくれるのも面白い。バレーに詳しくなくても、試合の駆け引きを楽しめるだろう。

『ディグイット』の電子書籍はU-NEXTで読むことができる。また現在、期間限定で単行本1巻の試し読み増量キャンペーンも実施中だ。この機会にぜひチェックしてほしい。
文=倉本菜生

【「次にくるマンガ大賞2026」コミックス部門 U-NEXT賞受賞記念キャンペーン】
実施期間:2026年9月17日(木)0:00 ~9月30日(水)23:59
対象:『ディグイット』1巻試し読み増量
対象ページ:https://video.unext.jp/campaign/FTL0001562
【毎日無料】
実施期間:2026年9月17日(木)0:00 ~9月30日(水)23:59
対象:『ディグイット』
1~8話 完全無料
9~14話 毎日無料
対象ページ:https://video.unext.jp/book/title/BSD0001245694
