「本宮佳奈」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2017/4/28

本宮佳奈

 編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第158回となる今回は、「けものフレンズ」のフェネック役、「温泉むすめ」の有馬輪花役などを演じる本宮佳奈さんです。

――「けものフレンズ」で初めてアニメのレギュラーを務めた本宮さんが、声優を目指したきっかけは?

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本宮:すごくゲームが好きで、お兄ちゃんが「ファイナルファンタジーX」をプレイするのを横から見ていて、その頃はあまりなかった声つきのゲームに衝撃を受けまして。声優という素敵なお仕事があることを知って、中学3年の時にゲームの声を当てたいと思い立ちました。その頃は、家に誰もいない時にひとりでこっそり漫画のセリフを読んだりして楽しんでいました(笑)。

――どんな漫画を読んでいたんですか?

本宮:お兄ちゃんが読んでいた少年漫画が多かったですね。「BLEACH」とか「NARUTO -ナルト-」の女の子のキャラクターだけをピックアップして。今でも好きな漫画があると、声をあてたりするんですけど(笑)。

――今でもこっそりと(笑)。声優になるために一歩踏み出したのは?

本宮:中3の時に、親から、公立の高校に入れたら養成所に入ってもいいよと言われまして。たくさん勉強をして公立に入り、高1の夏から養成所に通いました。それから、養成所に6年も通っていました。長いですよね。なかなかご縁がなくて。

――多感な10代後半を養成所で過ごしたんですね。

本宮:デビューにはつながりませんでしたが、養成所に行くことで礼儀や挨拶の大切さと、人にどう接したらいいのかを学びました。私、自分で言うのもなんですが、すごくポジティブなんですよ(笑)。今の性格はその6年間に培われたものかなって。それまではすごく根暗だったし、ワガママでした。

――もともと内に秘めていた部分だったのかも。

本宮:そうかもしれないです。中学の時は引っ込み思案でしたが、養成所では自分らしく振る舞えていたので。演技って、自分の人生経験の中にあるものを引っ張り出しながら演じるものだと思うので、演技を始めてから自分の考えをしっかり持てるようになったと思います。

――初めて声のお仕事をしたのは?

本宮:「コズミックアライブ」という小説のプロモーションで、桜ノ宮羽純というキャラクターを演じました。その頃、声優の道には縁がないのかなってあきらめかけていたんですけど、知り合いの方から声を掛けていただいて、これを最後にしようと思ってお引き受けしました。やるからにはちゃんと名乗りたいと思って、フリーの声優として名前を出して。その作品に携わっている間に、ニコ生番組の「猫ブース鬼パーセント芋」のオーディションにも受かりまして、やっぱりあきらめたくない!と思い、今に至ります。

――その後、事務所に所属していますから、「コズミックアライブ」「猫ブース鬼パーセント芋」は、フリーの声優として活動した数少ない作品になったわけですね。

本宮:「猫ブース鬼パーセント芋」から私のことを知って応援してくださっている方も多くて、嬉しいです。

――そして、晴れて「けものフレンズ」でアニメの初レギュラーに。

本宮:本当にありがたいことにメインのフェネック役を演じることができまして、しかもアニメだけでなく歌やラジオと、本当にたくさんの“初めて”をいただいて。声優になったらラジオに出ることと大きなステージで歌うことが夢だったんですけど、それを両方叶えていただき、感謝しかありません。声優の仲間ができたのもこの作品。どうぶつビスケッツ×PPP(アニメ内ユニット)は本当に仲良しで、これからも一緒に切磋琢磨していきたいと思っています。

――若手からベテランまで集まったアニメでもありました。アフレコ現場はどんな感じでしたか?

本宮:先輩方の演技が勉強になりました! たとえば、國府田マリ子さん(ヘラジカ役)はみんなに気さくに話しかけて、場の空気を和ませてくださる方で。演技に対しても、ご自分が納得するまでキャラクターに向き合っていらっしゃって、本当に素敵でした。

――初めてのラジオではうまくお喋りできましたか?

本宮:最初は、新人声優だから可愛らしくしたほうがいいのかな〜と勝手に思っていたんですけど(笑)、途中でそんなことはないと感じて、自然に振る舞えるようになりました。私、ずっとツッコミキャラだと思っていたんですが、いじられキャラだったらしくて(笑)。尾崎由香ちゃんや小野早稀ちゃんからいじられながら、最近気づきました(笑)。

――いじられるのもイヤではない?

本宮:仲がいいからこそ、いじったり毒づいたりできると思うので、2人がいじってくれるのは愛を感じられて、すごく嬉しいです!

――2016年11月からスタートしたプロジェクト「温泉むすめ」では有馬輪花役を。

本宮:はい、私は輪花ちゃんのことが大好きで…。

――どんなところが好き?

本宮:オーディションを受けた時はまだイラストがなくて、ツンデレでちょっと勝気な感じで演じてみたところ、輪花ちゃんを“射止める”ことができました(笑)。初めてイラストを見た時は、こんなにかわいい役を私が演じられるのかと思いながらも、本当に嬉しくて。ちょっとスマした感じの顔が好みで、素直じゃないのにちょっと押しに弱いところとか、双子の妹が大好きなところとか、ギャップがあってかわいいな〜と。それに衣装も…全部がかわいくて大好きです!

――5月14日(日)開催のファンイベントに出演されますね。

本宮:私にとっては「温泉むすめ」としての活動はこれが初めてなので、これから始まっていく新鮮な雰囲気をみなさんに見守ってほしいです。

――温泉むすめ9人グループ・SPRiNGSとしての活動も楽しみです。

本宮:9人でがんばっていきたいです! 他のメンバーと集まったのは、スタッフのみなさんも含めてご飯を食べに行った時が初めて。その時、スタッフさんが「温泉むすめ」のキービジュアルが描かれた大きなケーキを用意してくださったんですよ。かわいい上に味もおいしくて(笑)、みんなで感激していました。

――スタッフさんの「温泉むすめ」愛を感じますね(笑)。

本宮:どの作品もそうだと思いますが、「温泉むすめ」のスタッフさんも本当に作品に情熱を注いでいるのが伝わってくるので、役者としてそれに応えていきたいと思います。

――どんどん詳細が明らかになっていく「温泉むすめ」。どんなことが楽しめる作品になりそう?

本宮:SPRiNGSに関してはわちゃわちゃしている感じがおもしろいので、その良さを出していけるといいと思います。メインのユニットなのに、センターの草津結衣奈ちゃんを筆頭に、いわゆる“天然”っぽいキャラクターが多いんですよ(笑)。ホワホワというか、元気に抜けてるというか。メインのキャラクターたちが天然というのが私の中では新しいので、そこを楽しんでいただけたら(笑)。

――注目してほしいですね(笑)。声優のお仕事が充実している本宮さんですが、プライベートではまっていることは?

本宮:うちで飼っているデグーのきすけです! 私のTwitterは、大きく分けると“お知らせ”か“きすけ”のどちらかと言えるくらい。デグーは人になつく動物で、お仕事から帰ってリビングに入ると「ピー!」って泣いて、歓迎ムードでおかえりおかえりしてくれるんですよ〜。小さな体で存分に愛をぶつけてくれる感じがすごく好きで、私もぶつけています(笑)。

――愛を存分に…。 “きすけ”っていう名前にインパクトがありますね。

本宮:きすけはオランダ生まれなので、日本になじんでほしいと思って和風の名前に。もうひとつの理由は、ヴァニラウェアさんの「朧村正」というゲームの主人公の名前です。あとあと考えたら、それが頭の片隅にあったのかなって。よく「『おじゃる丸』のキスケですか?」って言われますが、違います(笑)。

――歌がお好きということですが、どんな音楽が好き?

本宮:Sound Horizonが好きで、ずっと聴いています。テンションを上げたい時、悲しい時…どんな時でも。“生と死”をモチーフにしていて、歌詞がグッと心に刺さることが多いんです。

――特に好きな曲は?

本宮:え、選べない…(笑)。Sound Horizonの曲は物語になっているので、物語として好きなのは「この狭い鳥籠の中で」と「磔刑の聖女」。いつも励まされているのは「憎しみを花束に代えて」。その中の“だから どんなにいまが最低でも〜”っていう一節を聴くと、どんなにどん底の気分でも未来をあきらめちゃダメだなって励まされます。

――休日は何をすることが多いですか?

本宮:家をお掃除して、きすけといちゃいちゃして、ヴァニラウェアさんの「オーディンスフィア」をプレイしています。ソフトは予約して購入したんですけど、最近ようやくPS4を買いまして! 横にきすけを配置しつつプレイしています(笑)。

――これからどんな声優になっていきたい?

本宮:今だけで終わらない声優になりたいです。いずれ年を重ねたら、30代の私だからできる役、40代の私だからできる役を見つけながら、その時の自分にあったスタイルでずっと声優を続けていけたらいいなと思います。

――最後に、ファンのみなさんに伝えておきたいことをどうぞ!

本宮:いつも本当に応援してくださってありがとうございます。演技もトークも、まだ拙いところばかりですが、みなさんが安心して観て聴いていただけるように成長していきたいと思いますので、これからも見守っていてください!

【声優図鑑】本宮佳奈さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

本宮佳奈

本宮佳奈(ジャストプロ)

本宮佳奈 Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト