「前田佳織里」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2018/5/9

前田佳織里

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

 第185回となる今回は、「ラブライブ!」虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の桜坂しずく役、「アイカツスターズ!」の双葉アリア役などを演じる前田佳織里さんです。

――天気が曇りがちでしたが、撮影はいかがでしたか?

advertisement

前田:春っぽい薄手の衣装を選んできたので、大丈夫かな?って思ってたんですけど、奇跡的な現象が起きたんですよ。外に出た瞬間に雨も風も止んで、終わった頃に土砂降りっていう。私、晴れ女なんです。てるてる坊主10人分です!

――心強いですね! 前田さんといえば、「ラブライブ!」虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の桜坂しずく役。このキャラクターの魅力は?

前田:第一印象はすっごく清楚なお嬢様だな〜と。でも、どんどん知っていくと、芯がしっかりした部分も見えてきました。佇まいが凛とした大和撫子で、常に学ぼうとする精神をもち、真面目でストイックなところがあると思います。オーディションの話をいただいた時、言葉で表すのは難しいんですけど、直感で「この子が大好き!」って思えた瞬間がありました。

――自分と似ているところはある?

前田:自分ではわからないんですけど、演技が好きなところと真面目なところ。ラジオ番組でよく会う鬼頭明里ちゃんと指出毬亜ちゃんから、「本当にしずくそのものだよ」って言われました(笑)。

――これから、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会をどんな風に盛り上げていきたい?

前田:もともと歩まれた軌跡があったから私たちがいられるんだということを忘れずに、私たちそれぞれのカラーを出していけたら、と思っています。具体的には、ファンの方と触れ合うようなライブができたら嬉しいです! 個人的にやってみたいのは運動会。ラジオでパジャマパーティーみたいな雑談をするのも楽しいし、ドッキリ企画なんかも(笑)。これからのグループだからいろんなことができると思っていて、みなさんがあっと驚くようなことにも挑戦してみたいなって思います。

――前田さんが声優を目指したきっかけは?

前田:高校の時、地元の福岡でバンド活動をしていて、友達とスタジオにこもって曲を作ったりとか、バンドに限らずみんなで何かを作ることが好きだったんですね。みんなで何かを表現するような職業に就きたいと思った時に、「声優かっ!」っていう少女漫画で声優という職業を知って、この道にぐんぐん興味を惹かれました。小学校の時も朗読劇が好きで、主役をやらせていただいてたんです。「スイミー」とか「北風と太陽」とか、ハイハイハイ!って立候補して(笑)。

――高校生バンド大会で準優勝っていう輝かしい経歴もありますね。

前田:あの頃が私のいちばんの青春でしたね(笑)。お客さんの投票制だったので、どうやったらみなさんに応援してもらえるかを考えました。私、MCが苦手だったので、大好きなLiSAさんのMCを見て、どうやったら「この人についていきたい!」って思われる人になれるんだろうって。このタイミングで煽りを入れようとか、ここで登場する時にバンド名を入れた飴を投げようとか、みんなで工夫しました。あんなに頭を空っぽにして音楽にのめりこめたのもこの時が初めてでした。あとから映像で自分の姿を見てびっくりしたくらい(笑)。今思うと、初めて表現というものを突き詰めた頃だった気がします。

――どんな曲を歌ってたんですか?

前田:チャットモンチーさん、LiSAさん、Girls Dead Monsterさんが多かったですね。声が高いのでガールズバンドを中心に歌ってました。

――「声優かっ!」を読んで、声優という仕事に感じた魅力は?

前田:自分ではない人の人生を生きるっていうことがすごく面白いなと思いました。小さい時から空想するようなところがあったからかもしれません。小学校の時は物語を書くのも好きだったんですよ。

――本もよく読んでいた?

前田:読んでました! ダレン・シャンとかデモナータとか、宮部みゆきさんとか。安房直子セレクションは、何回も何回も読みました。ファンタジーが大好きなんです。

――2017年から演じている「アイカツスターズ!」双葉アリア役に感じている魅力は?

前田:全部大好きですけど、なによりも、妖精アイドルらしい雰囲気を持っているところ。ちょっと浮世離れしているというか。でも、アイカツが大好きすぎて、初めて悔しいっていう気持ちを味わうシーンがあるんですよ。楽しい気持ちを失わずに本気でアイカツに向き合うところに、ただ妖精としてフワフワしているだけではないアリアちゃんの強さを感じました。

不思議なのが、アリアちゃんと私の気持ちがすごくシンクロしてるんです。アリアちゃんがアイカツで活躍し始めた頃、私もデビューしたてで演技が楽しくて。でも調子よくないなーって、アニメを見て悔しい思いをすることがあると、アリアちゃんも物語の中で悔しい思いをしていて、運命的なものを感じました。アリアちゃんに出会えて本当によかったです。

――共感できることが多いと、お芝居にも力が入りそうですね。

前田:悔しい気持ちがすごくわかったし、アリアちゃんが感じているいろんな気持ちを、私のすべての力を使って表現したいって本気で思えました。同じ事務所の富田美憂ちゃんも、同じようなことを話してたんですよ。

美憂ちゃんが演じるゆめちゃんが、進級した時に出会う後輩がアリアちゃん。実際に、私は美憂ちゃんより年上だけど後輩だし。アリアちゃん初登場の時、ゆめちゃんから、アイカツとは何かを教えてもらう時の気持ちも本当にシンクロしていて。2人でお茶しながら、すごいね!ってよく話してます。脚本家の方が私たちにスパイをつけて脚本を書いてるんじゃないかって(笑)。アイカツマジックですね!

――これからも長く演じていけるといいですね!

前田:実は3月いっぱいで「アイカツスターズ!」はいったん一区切りなんですが…、おばあちゃんになってもずっと寄り添っていたいし、アリアちゃんを好きになってくれた方の期待を裏切らないように、私自身も声優業をもっと頑張っていきたいです。いつもアリアちゃんが心の中にいるような気がしています。

――「温泉むすめ」の強羅かんなちゃんは、どんな女の子?

前田:人におもてなしをするのが大好きっていうところに惹かれますね。私と正反対だな〜って(笑)。私はどちらかというとマイペースで、周りの友達とハチャメチャしあうことが多いので。一人っ子だからなのかな〜。だから、人に喜んでもらいたい、笑顔を見たいっていう心を持っているところが素敵だなと思います。人を癒したり、力になってあげたいっていう気持ちは、温泉むすめにとって、すごく大切なものじゃないですか。だからかんなちゃんに少しでも近づけたらと奮闘しています(笑)

――温泉に興味を持つことは?

前田:もともと温泉好きなんです! 福岡県出身で、友達とバスで大分の湯布院に出かけたりしていたので、この話をいただいた時、本当に嬉しかったです。それに、今は自宅に湯沸かし器がなくて、お風呂のお湯を貯める時は蛇口なんですよ。温泉に入りたい!って思うことも募るいっぽうで(笑)。この作品をきっかけに、強羅温泉の良さも伝えていけたらいいなと思います。

――音楽が好きということで、最近聴いているのは?

前田:「はじめの一歩」のOP、EDをずっと聴いてます。「HEKIREKI」とか大好きで。友達からアニメをすすめられて、2週間で1期から3期まで見ました。以前は音楽だけ聴くことが多かったですけど、最近は時間がある限りアニメに触れていたいので、移動中にアプリでアニメを見ながら音楽を聴いています。「はじめの一歩」は繰り返し見るたびに発見があるし力をもらえるので、ずっとエンドレス。デンプシー・ロールも家でずっとやってます! 相手の視覚に入って叩き込むのがコツなんですよ。先に言いますと、それが最近はまってることです(笑)。

――なるほど(笑)。他に好きなアニメは?

前田:放送されているアニメの他に、最近見たのは「ひぐらしのなく頃に 解」。まどマギも大好きですし、意外って言われるのは「電脳コイル」とか。好きですね〜。海外ドラマも好きで、最近は「プリティ・リトル・ライアーズ」を見ました。

――趣味は麻雀。よくするんですか?

前田:よくやってます! 帰省した時、父に雀荘に連れて行ってもらう予定なんですけど、なかなか時間がなくて。でも今年中の夢ですね。絶対に叶えたい! もともと「咲-Saki-」を見て、あんな風に可愛くかっこよく打てたら楽しいな〜って思ったんですけど、なにより楽しいのは、一緒に打つ人たちの性格を見ること。麻雀って心理テストっぽいところがありますよね。自分の打ち方を見てどう思うか、相手に聞くこともあります(笑)。

――声優として挑戦してみたい役は?

前田:二面性のある役で、見ている人をゾッとさせてみたいです。怖いとか鳥肌が立つという意味ではなくて、たとえ楽しい場面でもゾクッとさせたいんです。もともと人をびっくりさせるのが好きなので。

――今後の展望を教えてください。

前田:自分の人生や生き方を演技に反映した、深みのあるお芝居ができるようになりたいです。そして、いつでも誰かに求めていただけるような、息が長い声優になりたいと思っています。年を重ねるにつれて、求められる役柄も変わると思うので、臨機応変に。まだ不慣れなところも多いんですけど、目の前のことをしっかり頑張りつつ、いずれは、人間味が溢れる温かみのある声優になれたらいいなと思っています!

【声優図鑑】前田佳織里さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

前田佳織里

前田佳織里(まえだ かおり) アミューズ所属

前田佳織里(まえだ かおり) Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト