「竹田誠志選手の、次に何をするかまったくわからない、目を奪われるような試合運びに惚れました」倉持明日香インタビュー【プロレス特集番外編】

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更新日:2018/8/21

『有田と週刊プロレスと』(Amazonプライム・ビデオ)でMCを務める倉持明日香さん。大のプロレスファン、大の小橋建太ファンで知られているが、最近注目の選手として名前があがったのは、人気急上昇中のデスマッチファイター・竹田誠志選手だった。

高校時代、私のプロレス仲間は『週刊プロレス』とテレビだけでした。

――プロレスを好きになったのは、いつ頃ですか。

倉持明日香(以下、倉持) 高校1年生くらいのとき、神奈川テレビで放送されていた大日本プロレスの大会を観たのが最初です。デスマッチ(※)の試合で、「(あまりの激しさに)この人たちは、一体いくらもらっているんだろう?」と興味を持ったのがきっかけです。その後、テレビ朝日の新日本プロレスの番組を観たのですが、新・闘魂三銃士(棚橋弘至、中邑真輔、柴田勝頼)が人気で、「こういうイケメンレスラーもいるんだな。女子が好きそうだな」と思っていました。

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※デスマッチ:蛍光灯、画びょう、カミソリなどの凶器を使い、血みどろになって戦うプロレスの試合形式。

――小橋建太さんのファンになったのは、そのあとですか?

倉持 そうなんです。日本テレビのプロレスリング・ノアの中継を観て、リングのコーナーに佇む小橋さんの背中に一目惚れしました。「なんてカッコいい背中をしてるんだろう!」と。背中に一目惚れするのは、後にも先にも小橋さんだけだと思います。

――周りにプロレスファンはいたんですか?

倉持 女子校だったので、一人もいなかったんですよ。親友に「プロレスが好きって言わないほうがいいよ」って言われたりとか。家族もプロレスに関心がなかったので、夜中、自分の部屋でプロレス中継を観ていると、母が心配して見に来たりして。誰からも理解を得られなくて、私のプロレス仲間は『週刊プロレス』とテレビだけでした。

――当時から『週刊プロレス』は読んでいたんですね。

倉持 いまでこそ定期購読しているんですけど、当時はバイトもしていなかったのでお金がなくて、毎日コンビニに寄ってちょっとずつ立ち読みしていました(笑)。

――生で観戦はしていなかったんですか?

倉持 生で観戦したのは、このお仕事を始めてからなんです。スタッフさんの中にプロレス好きな方が結構いて、楽屋ではプロレスの話ばかりしていました。

――倉持さんがプロレス好きをカミングアウトしたのはいつですか?

倉持 秋葉原の劇場公演で、自己紹介のときに毎回お題が出るんです。ストレス解消法とか、好きなチュッパチャプスの味とか。ある日、「最近あった一番嬉しかった出来事は?」というお題が出て、「小橋さんがガンから復帰したこと」って言ったんです。会場がざわつきました(笑)。これはスタッフさんに怒られるやつだと思ったんですけど、公演後の手紙を見たら、会場にプロレスファンの方がたくさんいたんです。握手会でも、「小橋さんのファンです」「プロレス大好きです」と言っていただくことが増えて、やっと自分が本当に好きなものを人と共有できて嬉しかったです。

――いまでもずっと小橋さんがお好きなんですよね。他に注目している選手はいませんか?

倉持 小橋さんが(2013年に)引退してからは、推しのレスラーができなくて。そのことを小橋さんに言ったら、「もう僕以外に作らなくていいんだよ」って言ってくださったんです。私にとって小橋さんは神様なので、神様の言葉は守らないといけない(笑)。だから、特定のレスラーのファンにはならないようにしているんですが……いま私の中でかなり熱いのは、デスマッチの竹田誠志選手です。

――意外です! 竹田選手のどんなところに熱くなるんですか?

倉持 竹田選手の試合を観ていると、殺気が伝わってきて恐怖を覚えるんです。デスマッチって、何が飛んでくるかわからないし、いろんな意味で目が離せないんですけど、竹田選手には一挙手一投足、全部見入ってしまう。次、何をするのか、まったくわからないんです。目を奪われるような試合運びに惚れました。息をするのも忘れてしまうというか、呼吸が一定じゃなくなります。

――“デスマッチのカリスマ”葛西純選手が、竹田選手のことを「壊れたダンプカー」と表現していましたが、かなり暴走するというか、エグいことをしますよね。

倉持 そうなんです。することは本当にエグい。でも、最近はお客さんの盛り上がりを見る余裕が出てきたというか、とくにベルトを獲ってからは貫禄がすごい。いまとても勢いのある選手だと思います。

――マイクパフォーマンスもすごくうまいですね。

倉持 今年5月5日の大日本プロレスの試合(横浜文化体育館)で、アブドーラ小林さんと対戦したときのマイクパフォーマンス(※)も、すごく上手だと思いました。こどもの日だったので、「これを見てデスマッチファイターになりたいという子が出てきてほしい。子どもたちに夢を与えたい」っておっしゃっていました。

※マイクパフォーマンス:プロレスラーがリング上やインタビュールームなどでマイク片手に、相手を挑発したり、観客に向けてのメッセージを発したりすること

――竹田選手は中学生の頃からデスマッチファイターになりたかったそうですね。

倉持 将来の夢がデスマッチファイターって、すごいですよね。葛西さんだったり沼澤さん(”黒天使”沼澤邪鬼)だったり、アブドーラ小林さんだったり、いろいろな選手に憧れてデスマッチを目指したと思うのですが、竹田選手にはその人達を超えて新しい時代を築いていってほしいです。そして今度は、「俺が竹田を潰す」っていう勢いのあるデスマッチファイターが出てきたら、デスマッチはもっともっと面白くなると思います。

「竹田選手の試合は殺気が伝わってきて恐怖を覚える」と
語る倉持明日香さん。

2018年3月22日後楽園ホール
『THE 下剋上 2018』竹田誠志vs吹本賢児
(c)FREEDOMS

取材・文:尾崎ムギ子