産後の「マタニティブルー」に備えて夫・家族の教育は必須! 「産後うつ病」との違いとは

健康・美容

2020/1/31

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

 マタニティブルーとは、産後に見られる軽いうつ状態のことで、「産後うつ病」とは異なる状態です。産後、急激に女性ホルモンが低下することによって引き起こされるもので、通常は産後3~5日がピークとなり、10日もすれば自然に治まってきます。

 主な症状は、具体的には、

・気分が不安定になる(落ち込んだり怒りっぽくなったりする)
・涙もろくなる(理由もないのに急に泣き出したりする)
・不眠
・不安
・焦り
・集中力低下
・意欲低下

など多岐にわたります。

 これらの症状が一時的に見られても、2週間以内に治まれば「マタニティブルー」であり「産後うつ病」ではないので心配ありません。逆に、2週間たっても症状が改善しない場合は「産後うつ病」の可能性があるので、まずはお産をした病院に相談して適切な治療や支援を受ける必要があります。ただし、「産後うつ病」になっている本人が、「2週間たっても症状がよくならないなんておかしいわ。受診しなければ」と思い立つことは非常にまれです。うつ状態の時には、自分の状態を客観視したり、どうしたらよいのかを考えて適切な行動をとるということ自体が困難になります。そのため、同居している家族がいかに早く気付くかがカギになってきます。

 マタニティブルーは、自然によくなりますので「病気」ではありません。産後の方の約半数に見られるもので、「マタニティブルーになったらどうしよう」と心配する必要もありません。産後はホルモンが急変動する上に、心身が出産のダメージから回復するのを待たずに24時間赤ちゃんのお世話をしなければいけないわけですから、うつ状態になって当然なのです。

 マタニティブルーを予防するというよりは、そうなった時のためにあらかじめしておいた方がよいことは、まず「夫または同居する家族の教育」です。前述の通り、マタニティブルーから産後うつ病に移行する場合があります。その時に、できるだけ早く異変に気付いて早めの対処をするためには、本人以外の家族が、マタニティブルーや産後うつ病についての正しい知識を持っておく必要があるのです。

 また、うつ状態は「ぶつけどころのない怒りや理不尽な思い」を抱え込んだ時に発生しやすくなります。体が辛いのに赤ちゃんのお世話を休めない、寝たいのに寝られない、「ちゃんとしなきゃ」と思えば思うほどうまくいかない気がして落ち込む…こういった状態を誰にも伝えられず、自分の中で抱え込んで我慢をしてしまうことがリスクになります。なので、あらかじめ、産後どのような状態になりうるのかを身近な家族に把握しておいてもらって、「いかに自分が楽に過ごせるか」を優先して環境を整えておくことがポイントです。自分が感情的になった時に、身近な家族が「サンドバッグ」の役割をしてくれれば、理不尽な思いをため込まなくてよくなります。

 赤ちゃんにとっての一番の幸せは、お母さんが笑顔で過ごしていることです。笑顔でいられないなと思ったら、どんどんいろんな人の力を借りながら、心身や環境の変化をゆっくり受け入れてみましょう。