安齋由香里「人と話すことへの苦手意識をなくしてちょっとずつ成長したい」声優図鑑

アニメ

更新日:2020/4/1

安齋由香里

キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第235回目に登場するのは、『RELEASE THE SPYCE』の源モモ役や『ラピスリライツ 〜この世界のアイドルは魔法が使える〜』のティアラ役などを演じる安齋由香里さん。リングフィットや日本映画など、日々のなかで“はまっていること”がポンポンと登場。お話ししながらわかったのは、そのすべてが“声優を長く続けたい”という目的につながっていることでした。

——台湾のご出身で、5歳まで台湾のおばあちゃんのおうちに住まれていたそうですね。そこでの暮らしを今でも覚えていますか。

安齋:ちょこちょこ覚えています。幼稚園のお昼寝の時間に眠れなくて、園長室でひたすらお絵描きをしたこととか。親戚の結婚式でウェディングドレスの裾をもって歩いたこととか。今でも好きな果物はその頃からよく食べていました。マンゴーとかライチとか、グァバとか。中国語を使っていろんな人とおしゃべりできていたみたいです。

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——今でもSNSでイラストをアップされていますし、原点となる出来事がいろいろあったのですね。声優というお仕事に興味をもったのはその後?

安齋:アニメは小さい頃から見てましたけど、声優に興味をもったのはたぶん小学校4年生から6年生のあいだくらいです。学習発表会の演劇でオーディションに受かって演じた役が褒められたのがうれしくて。演技って楽しいと感じていたときに、アニメのキャラクターを演じている声優さんの存在に気づいて。ちょうどその頃、プロフィール帳がはやっていて、「将来の夢」の欄に何を書こうかいつも悩んでいたんですけど、「声優」って書くようになっていました。

——その頃に見ていたアニメはどんな作品?

安齋:ゾイド、ガンダム、ベイブレード…いわゆる男の子が主人公の作品から、『神風怪盗ジャンヌ』『カードキャプターさくら』みたいな女の子が主人公の作品まで幅広く。今と変わらず、誰かががんばっている作品がすごく好きでした。

——本当に幅広いですが、どれも自分で選んで見たアニメ?

安齋:兄からの影響もありましたけど、その頃はまだ配信サイトがなかったのでTSUTAYAさんで良さそうなものを選んでいました。絵を見て選ぶから、美少女ゲームが原作だったことを成長してから知った、みたいなこともありましたね(笑)。親と一緒に行くと2本まで借りてくれるのですが、3本目以降は自腹だったので、おこづかいをがんばって貯めていました。

——その後、声優になるために1年間P’s Voice Artist Schoolへ。どんな声優を目指していましたか?

安齋:小さい頃から変わらず演じることが好きだったので、演技をメインにしながら歌やダンスなどマルチに活動できる声優になりたいと考えていました。演技は、そのキャラクターの人生を自分なりに生きられるのが楽しくて。キャラクターの心情を汲み取って、代弁者みたいな形で伝えていくのが本当に好きなんです。

——それから順調に声優の道を進んでいますね。2017年に『潔癖男子!青山くん』で初仕事。2018年には『RELEASE THE SPYCE』(リリスパ)に源モモ役で初主演を。

安齋:『潔癖男子!青山くん』は事務所に所属する前の収録で、先輩たちの現場でのたたずまいから、それこそドアの開け閉めのタイミングまで、いろんなことを学ばせていただいた現場でした。リリスパは、共演者のみなさんと今でも仲良くさせていただいている思い入れの強い作品。音響監督の藤田(亜紀子)さんに、演技の足りないところを教えていただいたり導いていただいたりして、自分のターニングポイントの一つになっています。

——同じく主演を務めるゲーム『ラピスリライツ 〜この世界のアイドルは魔法が使える〜』は、2020年のTVアニメ化にも期待が高まっている作品です。

安齋:ティアラ役ははじめてオーディションに受かった作品で、『ラピスリライツ』は世代や芸歴が近い方が多くて、距離感の近い現場です。イベントではMCを担当させていただくことが多くて。はじめは進行ばかりに気を取られて、周りの空気感と噛み合わない時もありましたが、今はできるだけみんなが話しやすいようなMCを心がけています。

——『温泉むすめ』では台湾出身の尖石内湾(ぜんしい ねいわん)役として、台湾への遠征も。台湾にも温泉があるんですね。

安齋:あるんです。大人になってからもときどき台湾に行ってますけど、温泉に行ったのははじめてでした。だから内湾ちゃんのお話をいただいたときに、うれしい反面ちょっと驚いて(笑)。声優をはじめたときから台湾に関わるお仕事をしたいと思っていたのですが、内湾ちゃんを演じることで私自身も新たな発見がいろいろとあってうれしかったです。

——台湾の新竹県で温泉大使になるってすごいことだと思います。プライベートの休日はどのように過ごしていますか?

安齋:最近は『リングフィット アドベンチャー』にはまっています! まだ始めたばかりですけど、1日15分以上の運動を心がけてます。

——冒険しながらフィットネスできるゲームですよね。目的としては…?

安齋:子どもの頃から、Tシャツとスキニーパンツで颯爽と歩くキャリアウーマン的なかっこいい女性に憧れていて。しなやかで鍛えられた筋肉を身につけたいなと。それに、からだを動かすようになってから意識も前向きになれることが多くて。心身の健康のためにやっているところもありますね。リングを押し込む作業なんかがあって、肩と腕の間が筋肉痛なので、効果は出ているのかなと! 遊びながら鍛えられるので楽しいです。

——普段使っていない筋肉が鍛えられそう(笑)。他にも、からだを整えるためにしていることは? たとえば食事制限とか。

安齋:食事制限はそこまでしていないんですよ。もともと野菜や果物が好きで、お肉はチキンが一番好きだし、そこまで高カロリーな食生活はしていないはず…。あ、でもお菓子は食べちゃいますね。あとはラーメンも。おやつを食べたいときは食後に一つだけとか、このお仕事の前はラーメンをやめておこうとか、楽しめる範囲で制限している感じです。でも食べちゃうときは食べちゃいますね(笑)。

——(笑)。たしかに野菜やチキン中心のごはんはヘルシー。ちなみに好きなメニューは?

安齋:けっこうスープや鍋にしちゃいますね。野菜やチキンをたくさん入れれば、おなかいっぱいになるけどカロリーはそこまで高くないので。あとはササミを軽く焼いて塩やハーブで簡単に味つけしたものを、蒸し野菜やサラダに乗っけて食べたりします。

——料理もされるんですね! 声優さんでよく遊ぶ方はいますか?

安齋:春日望さん、島袋美由利さん、石見舞菜香さんとはよく会います。『グランベルム』で共演された3人の集まりに私も呼んでもらったのがきっかけで。(島袋)みゅーさんとはお互い映画が好きなのでよく観に行ったり。(春日)のんちゃんとはよく会うのですが、お互いの誕生日がちょうど半年くらい離れているので、半年周期で誕生日を祝いあったりしてます。頻繁にではないのですが、リリスパでご一緒した皆さんとはご飯や旅行に行ったり、藤田茜さんとはスイーツを食べに行ったりと、仲良くさせていただいてます。

——たくさんいらっしゃいますが、ご自分から誘うことが多い?

安齋:最近になってお誘いできる機会が増えました! 以前は家にいて一人で過ごすことが多かったんですけど、あるとき「最近、人と全然会ってないな」って気づいて。去年くらいからみなさんとお話できる機会を積極的につくるようになりました。

——交友関係が広がると、いいこともありましたか。

安齋:ありました!わたし、話すのがすごくヘタなんですよ!しゃべってるうちに結論がどこかにいっちゃったり、うまく話がまとまらなかったり。それが人に会っていないとさらに酷くなるんです。あと初対面はそうでもないんですけど、2回目3回目だと人見知りしちゃって、反省することが多いんです。でもこの職業お話が上手な方が多くて、そういう方々っていろんなことに気がつくし、視野が広いんですよね。人と会う機会が増えて段々と話すことへの苦手意識がなくなってきたので、ちょっとずつそんな風になれたらなと思ってます。

——声優を志した頃から持っている声優像には近づいていますか? それとも新たな目標が生まれている?

安齋:演じることに沢山触れたいという気持ちは変わらないですが、そこに長く続けたいという気持ちが加わりました。「この役は安齋にお願いしたい」と言ってもらえるような声優になりたいです。まだ足りないことだらけで学ぶことも多いですが、人との交流や新しいことに挑戦をしたり、いろんなことに触れて視野を広げて、感性を磨いていきたいです。

——日々のさまざまな努力が伝わってきます! 最後にファンのみなさんにメッセージを。

安齋:たくさん写真を撮っていただいて、お仕事だけでなくプライベートのことまでお話させていただきました。この記事で私自身を知っていただけたらうれしいです。応援してくださる方にすこしでも恩返しできるようにがんばります。よろしくお願いいたします!

——安齋さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】安齋由香里さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

安齋由香里

安齋由香里(あんざい・ゆかり) スワロウ準所属

安齋由香里(あんざい・ゆかり) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト