副業年収1億超のmotoさんに聞いた!「本業」で成果を上げて自分の市場価値を高める方法

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更新日:2020/10/2

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 転職と副業の達人motoさんは、短大卒業後に入社した年収240万円の会社から、約10年で5回の転職を経て、現在は年収1500万円で会社員として企業に勤務。Twitterのフォロワー数は12万人超、個人メディア「転職アンテナ」も法人化し、現在副業で2社を経営。33歳で副業年収は1億円を超えたという。年収も仕事も、「最短で最大化すること」をモットーにしてきたmotoさんが、自分の市場価値を高めるために重視してきたことは何なのか話を伺った。

「人が欲しがっているものはお金になる」ことを覚えた子ども時代

転職と副業のかけ算
『転職と副業のかけ算』(moto/扶桑社)

――『転職と副業のかけ算』(moto/扶桑社)を読んで、motoさんは子どもの頃からビジネスセンスに長けている印象を持ちました。小学生の頃、親からお小遣いをもらえなくて、ポケモンを売ってお金を手に入れることを思いつく子はなかなかいないと思います。

moto 僕が子ども時代に最初にお金を手に入れたのはクワガタの売買でした。実家が長野の寒い地域にある田舎だったので、ミヤマクワガタがよく捕れて。それを友だちに見せたら「それ、売ってくんない?」って言われて当時数百円で売ったんですね。そのときはじめて、「人が欲しがっているものを売るとお金になるんだ」と気がつきました。

 親の手伝いをしてお小遣いをもらったりもしていたんですけど、稼げるお金に限界があったんですよね。でも、クワガタとかポケモンは、ほしい人がいる限りお金になる。人がほしがるものを自分で手に入れて、その対価としてお金を得るのがお金を稼ぐのに一番手っ取り早いということを、この経験から感じましたね。

――高校生になると、ブランド物の中古品の売れ残りを安く買って転売されていたとか。田舎の男子高校生がブランド品に目をつけるところがすごいと思うのですが、ご両親がブランド好きだったのでしょうか?

moto 両親はユニクロ好きでしたよ(笑)僕は当時からゲームや洋服の流行りモノが好きで、ネットで海外のファッションニュースとかを見る中でいろいろなブランドに興味をもつようになりました。中でも、海外セレブの持ち物に興味を持ったんです。「お金持ちの彼らはどんなモノを買うのだろうか」という興味から「あの俳優さんが普段つけてる時計はどこのだろう?」とか「あの格好いいデニムはどこのブランドのものなんだろう? 自分でも買える値段だろうか? いくらくらいなんだろう?」と気になるものがあるとすぐリサーチするようにしていました。

マーケットを掘り下げる習慣を身につける

――高校生のときから、マーケットを分析していたわけですね。

moto とにかく安く買うことを考えていたので、相場をよく見るようにしていましたね。一番下限の金額から上限まで徹底的に調べて相場を熟知していました。もしかしたらその頃に、マーケットを掘り下げる習慣が身についたのかもしれません。新聞のチラシなどにあるゲームの買取価格などもチェックしていたので、ゲームの買取価格については誰よりも詳しかったです(笑)。

――お金がないからあきらめるのではなく、お金がないから効率的に稼ぐ方法を考える。そのようにネガをポジに反転する考え方で、短大卒という学歴のハンディを乗り越えて就活されたのもすごいですね。

moto 就活をはじめた頃、当時ライブドアの社長だった堀江貴文さんが球団やテレビ局を買収しようとしていたのが話題になっていて。彼が、東大を中退しても関係ないみたいなことを言っていたので、「学歴って関係ないのか」と勝手に考えていました。まぁ実際に就活してみたら学歴の壁は歴然とあったわけですけど。でも当時は、大卒の人より2年早く社会に出てお金を稼いだほうが面白そうだな、と思ったんですよね。

――いきなり企業のトップにメールを送ったり、人事の人に電話したり。びっくりするような裏ワザでアタックされたんですよね。その知恵と行動力はどこで身につけたのでしょうか。

moto もはやそうするしかなかったんですよね。無職になるわけにはいかなかったので、まずは会って話を聞いてもらうところにコミットしました。今思えば失礼なことですが、志望企業の社長に直接メールしたり、人事部に直接電話してました。とにかく自分という人間を認知してもらうために、会って話をしてもらうことに必死に取り組んでいました。

少しでも早く経験を積むと目標達成までの時間を短縮できる

――それでも9割の会社に断られたそうですが、心が折れることなくチャレンジを続けられた原動力は何だったんでしょうか。

moto もちろん最初は心が折れましたけど、3ヶ月で50、60社くらい受けたので、だんだん慣れていきました。落ちたところで失うものもないので、とにかく数をこなしました。同じ短大の同級生は地元の銀行に入ったり、学校の先生になったりと、安定した職業を選んでいましたが、「人生長いんだし、もっとチャレンジしたほうがいい」って考えて、無謀な就職活動を繰り広げてました。

――大企業の内定を辞退して就職した地元のホームセンターは、年収が240万円だったとか。それでも、人の倍働いて責任ある仕事にどんどんチャレンジされたのは、転職や副業を見据えての戦略だったのでしょうか。

moto 大手を蹴って入社した以上、実績を残して、選んだ道を正解にしていかないといけないと感じていたからですね。僕は短大卒でそれほど頭がいいわけでもないから、人3倍がんばらなきゃいけないと思っていて。

 最初から数年後に転職することも決めていましたが、当時は戦略というほどでもなく、少しでも早く経験を積んで多くのことを学びたい、というのが大きかったです。仕事の機会が増えると、当然、失敗もするし、上司に怒られることも多くなりますが、それも学びになる。もちろん反省はしますが、何がダメだったのか、どうすべきだったのかなどを、しっかり振り返るようにして自分の経験値を増やしていきました。

 同期には「同じ給料をもらうなら楽したほうがいい」という人もいましたけど、そうした同期よりも仕事の機会を多くもらえたし、昇進もできたので、結果として自分の選択に後悔はしていないです。

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独立すると経験が目減りしていって出すものがなくなる

――その後、より年収の高い業界への転職を繰り返して5社目で年収1000万円の目標を達成。転職経験をSNS、個人メディア、書籍で発信する「副業」が人気を集めて、「転職=motoさん」という認知度が高まりました。今は6社目の会社で働きながら2つ会社を経営されていて、副業年収が1億円を超えているそうですが、副業を本業にして「独立」したいと思ったことはないですか?

moto フリーランス、みたいな選択をすることはないですね。組織の中で、社員や社長として働き続けるつもりです。たとえフォロワー数がどんなに増えても、個人で独立したインフルエンサーみたいなキャリアは僕は選ばないです。自分自身をコンテンツにすることには限界があると思いますし、現場を離れてしまうとユーザー目線がなくなってしまい、評論家のようになってしまう。

 自分自身をコンテンツにして、人生を切り売りするだけでは、稼げるお金に限界がありますし、ビジネスとしての継続性も低いと思っています。その点、組織は人と人が協働して生み出せる価値がたくさんありますし、組織で働く中で得られる経験も増えていきます。個人の力だけでできない価値提供ができることが、組織で働くの魅力の一つだと思います。

――組織は、時代のニーズに合った事業で収益化を図らなければいけないので、常にトレンドを追っている新しさもあります。その点も、個人には限界がありますね。

moto 個人の場合、時代の1歩先2歩先を進むことはできるかもしれないけど、消費者やユーザーの情報の消化速度も年々速くなっているので、トレンドに先を越されてしまって「あの人は今」みたいな感じになってしまう可能性もあるんですよね。トレンドを創り出す側になれればいいですが、個人でできることには限界がある気がしますね。

自分の市場価値は本業の成果で高めていく

――転職や副業で収入を上げていくためには、自分の「市場価値」を高める必要があると書いていらっしゃいます。市場価値もいろいろあると思いますが、何から高めていけばいいでしょうか。

moto 「本業で成果を上げること」に尽きますね。本業における自分の仕事の成果を高め、自分の経験値を増やすことが大切です。

 たとえば本業で「新規事業を立ち上げて3億円の売り上げを作った」という成果を出したときに、その成果自体は会社のものですが、「3億の事業を創り出した経験」は個人の経験資産になります。この経験に再現性を持たせられれば、それは自分の価値になる。昨今では副業もしやすい環境になっているので、小さい規模でもいいから副業で同じことをやってみるのもいいと思います。プロジェクトを動かす構造は変わらないはずなので、組織と個人でやることの違いがわかれば、その経験を今度は本業の組織で活かすこともできると思います。本業と副業をかけ算していくことが、個人としての市場価値を高めることにも繋がると僕は思います。

――motoさんの場合、お金が欲しいから副業したというより、自分の経験を他の人にも役立ててもらったらお金が入ってくるようになった感じですよね。

moto 「お金が欲しい」というのは自分の欲求でしかないんですよね。でも、お金を稼ぐには相手の欲求を満たすことが先決です。副業でお金を稼ぎたい、という動機は良いですが、仕事をする上では「相手のためにできること」を考え抜くことが大切です。

 会社員として働く分には「生活のために働く」という文脈でも良いと思いますが、個人を看板にして行う副業は、目先の損得や自分の欲求を優先してスタートしてしまうと、お金を稼ぐことができない可能性が高い。自分の市場価値どころか、自分に対する信用を下げてしまう可能性もあるわけです。

 そうならないためにも、本業で成果を出すことで知識と経験を積み上げて、人の役に立つ引き出しを増やすことです。経験の深さが、自分の成長を決めることにもつながりますから。

「どんな経験も誰かの役に立つはず」という意識で発信する

――経験や知識を発信するときは、「自分をSEOする」視点を持つようにとおっしゃっています。

moto 僕は普段から「自分がどんなキーワードで検索される人物なのか」というのを意識しながら仕事をしています。たとえば「転職に詳しい人がいないかな?」と検索したら、「moto」という名前が引っかかるように、自分のタグを意識しています。「この人は○○ができる人」「この人は○○に詳しい人」と誰もがわかるように発信することで、自分が得意な仕事が集まるようになってきます。

――タグというのは、社内の評価ではなく、個人として何ができるのか、のことですね。

moto 「あなたは何ができるんですか?」という質問に答えられるように仕事をしていくのが大事ですよね。人と違うことをしたり、特殊な才能を身につけたりする必要は全然なくて、「自分がどんなことをしたときに、他人にありがとうと言ってもらえるか?」というのを意識するといいと思います。他人から感謝されるということは、自分の介在価値があったということです。些細なことでも、それは誰かにとって価値があるという証拠。自分の介在価値がどこにあるのかを考えながら仕事に取り組むだけでも、キャリアは変わっていくと思いますよ。

――motoさんは、自分の経験を解像度高く分析して説明しているので、読んでいるほうの納得度も高いのが人気の理由だと思います。どうすればそこまで解像度高くなれるのでしょうか?

moto 自分が腹落ちして納得できるまで、「なんでそう思ったのか?」を考え続けてきたからだと思います。自分が経験したこと俯瞰して捉えた上で細分化し、「これがこうなって、こうなったから、こういう結果になった」と誰にでもわかるレベルで説明できるように、自分の中で最後まで消化することを心がけてきました。

 仕事をする中でわからないことがあったら、それについて詳しい人に、自分がわかるまで質問して話を聞く。自分の仕事の領域で「わからないことをいかになくすか」「その知見を活かして課題解決ができるか」が成果につながります。その知見と経験の量が、自分の価値になっていくと思いますよ。

取材・文=樺山美夏

・motoさんのブログ:「転職アンテナ
・motoさんTwitter:@moto_recruit

この記事で紹介した書籍ほか

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方

著:
出版社:
扶桑社
発売日:
ISBN:
9784594082727