「やる気が出ない」「目標が見つからない」の悩みには必ず原因がある! 『大合格』オリラジ・中田敦彦の悩み解決の法則【インタビュー前編】

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更新日:2017/6/5

 進路、勉強、恋愛、人間関係、そして自分自身のこと……。悩み多き受験生からの相談に対し、「きれいごとの精神論で終わらないリアルな戦略」をアドバイスしているオリエンタルラジオ中田敦彦さんの『大合格 参考書じゃなくオレに聞け!』(KADOKAWA)が売れている。

『大合格 参考書じゃなくオレに聞け!』(KADOKAWA)

 志望校に「合格」するだけではなく、人生というステージで「大合格」を勝ち取るための解決方法が詰まった内容は、受験生の親はもちろん大人も励まされ勇気が湧くこと間違いなし! 5月12日には、『大合格』電子版も発売された。学生たちの悩みに、どんな思いで耳を傾けてきたのか、中田さんに話を伺った。

――学生がどんな悩みを相談してきても、基本的に否定や批判はしていませんね。相談を受けるにあたって、何か心がけていることはあるのでしょうか。

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中田敦彦さん(以下、中田) 悩みがある人は自信を喪失しているので、まず自信を取り戻してもらうためにいったん相手を受け入れて、いいところを見つけるようにしていました。下を向いたままじゃ何も見えないので、まず顔をあげてもらうことが大事です。でも、悩むっていいことなんですよ。現状に満足していなくて、自分に何かが足りなくて、それでも前に進もうとして問題にぶつかるわけですから。僕も「これでいい」となかなか思えないタイプで、毎日悩んでいます。

 どんなに優れている人でも、悩んでいない人なんていません。ただ悩みのレベルはいろいろあります。かなり高度な問題で悩んでいる人もいれば、かなり手前のところで悩んでいる人もいる。でもどちらも悩みを解決したいと思っているわけなので、そこは評価したいと思っています。

――相談の内容はいろいろですが、大まかにわけるといくつかの傾向がありそうです。

中田 ありますね。初期段階で多いのは、「モチベーションがあがりません」「やる気が出ません」といった悩みです。それと、「目標が見つかりません」この2つは多いですね。でも、モチベーションをあげるって、そんなに難しいことではないんですよ。何か患部があるからやる気が起きないんです。何かをあきらめていたり、自分は何かが無理だと思い込んでいたり、モチベーションがあがらない原因が必ずあるんですよね。

 その原因は千差万別なので、この人のやる気が出ない理由は何なんだろう? と細かく聞いていくと面白いです。たとえば、何もやる気が起きないという子の話を聞いていくと、本当はミュージシャンになりたいのに親に反対されて、就職活動したけど自分はやる気がないから全部落ちた、というケースだったりするわけです。

――その場合は、やる気が起きない問題の前に、親子関係の悩みをどうすればいいかという話になりますね。

中田 そうなんです。やる気が出ないとか、やりたいことがないとか、悩みの原因は本当に人それぞれで、原因を探っていくと別の問題が見えてくることが多い。でも解決方法はたったひとつです。つまり、自分の才能や強みを適切に把握して、それに見合った仕事で社会貢献できれば、大抵の人は満足すると思うんですよ。たとえメジャーリーガーでなくても、自分の能力を生かした仕事でみんなに喜んでもらえたら、それはいい人生だといえますよね。

 たとえば、私はバナナみたいに長くなくて、丸いんです。汁もすごいんです、っていうことで悩んでいる人がいるとしますよね。そしたら、いや違うよ、あなたはみかんという種類で、あなたのことを好きな人がいっぱいいるよ、と気づかせてあげます。あなたがもし高級みかんの「せとか」だったら、こんなところにいないでデパ地下の高級果物売り場や料亭に行くべきだし、もし100円のみかんだったら、あなたを待っているママや子どもが何万人もいるから、早くスーパーに行って喜ばせてあげればいいよ、と。

 みんないろんなことで悩んでいますけど、自分が何者で、どこで何をすればみんなに喜んでもらえて自分も幸せになれるのか? ということで悩んでいます。だから、どんな人の悩みを受けても、その人の良さは何だろう?と意識して細分化してみていくようにしています。そこに一番興味ありますし、僕にない能力があるんだ!って発見するのも楽しいですね。

――他人と自分を比較して、自分に足りない能力を気にしてコンプレックスを感じる人もいます。

中田 アイドルグループの子と仕事すると、神7みたいなセンタークラスの子とグループの端っこにいる子がいるんですけど、端っこの子は自己評価がすごく低いんですよね。絶対に私はセンターには行けないし、一軍でもないから、アイドルとして価値がないと思い込んでいるんです。だけどその子がもしアイドルグループじゃない別の世界にいたら、めちゃくちゃ評価されて人気者になれる可能性もあるんですよ。それってどんな人にも当てはまることで、今いる場所だけで、自分の価値を決めつけないでほしいですね。

取材・文=樺山美夏 写真=山本哲也

【後編】「僕はなんにもできなくて、藤森は何をやっても全部うまくて…」 オリラジ・中田敦彦が語る、悩み解決の法則