4期が待ちきれない!今からでも間に合うアニメ『ゴールデンカムイ』1期~3期振り返り

マンガ

公開日:2022/8/21

ゴールデンカムイ
ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社)

※本記事は作品の内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

 シリーズ累計2200万部超えのメガヒットコミック『ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社)は2014年から続いた連載を終え、2022年の7月にたっぷり加筆された単行本最終31巻も発売となった。元軍人の杉元佐一(すぎもと さいち)が、アイヌの少女・アシㇼパ(リは小文字)とともに莫大な埋蔵金を巡る争奪戦に挑んだ物語が大団円を迎えたのである。

 だが、『ゴールデンカムイ』はまだ終わらない。2018年に第1期と第2期、2020年に第3期が放送されたテレビアニメシリーズ第4期が、2022年10月からスタートするからだ。

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 この記事ではテレビアニメ第3期までを振り返り、この秋トップクラスの話題作の第4期についても予想を交えて解説。さらに思わず北海道へ行きたくなる『ゴールデンカムイ』聖地巡礼旅のススメも書いておく。

『ゴールデンカムイ』をぜんぶ読んで(見て)いなかった方も、アニメ第3期までを見ていなかった方も、本記事で第4期をスムーズに楽しむための予習ができれば幸いだ。ではここからはテレビアニメ第1期から第3期までを改めて紹介していく。

第1期:1話~12話

 杉元は日露戦争での武功から“不死身の杉元”の二つ名をもつ帰還兵だ。彼には金が必要で、砂金が出ると聞いて北の大地にやってきた。そこでアイヌが隠した莫大な埋蔵金の話を聞く。その隠し場所の手がかりは、網走刑務所にいた24人の囚人の体に刺青として刻まれ、その後彼らは脱獄したのだという。

 ただ、金に導かれたのは杉元だけではなかった。彼の前に立ち塞がるのは、アイヌの埋蔵金を元にした独立国家樹立を目論む、鶴見篤四郎中尉が率いる第七師団、そして明治維新後も生き延びていた土方歳三・長倉新八らの元新撰組一派である。

 杉元はアイヌの少女・アシㇼパと出会い、24人の囚人の一人で“愛され脱獄王”こと白石由竹、元マタギの谷垣源次郎とともに、北海道と樺太を舞台にした『一攫千金サバイバル』へ身を投じていく。彼らは第七師団と土方一派より先に、脱獄囚たちの刺青を集めなくてはならない。その生死を問わずに……。

 やがてアイヌの男・キロランケの口から明らかになるのが、埋蔵金を奪い、隠し場所を暗号にして入れ墨にした人物“のっぺら坊”こそがアシㇼパの父親だというのだ。

 その真偽を確かめるためには、結局“のっぺら坊”と会うしかない。小樽から長沼へ旅をしてきた杉元たちは、彼が収監されている網走監獄を目指す。

 第1期の巡礼可能な聖地では「小樽貴賓館」を紹介したい。この豪奢な建物は脱獄囚人の一人である辺見のエピソードの舞台となった。

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第2期:13話~24話

 網走へ向かう途中、白石から刺青のある囚人がいるという情報を得た杉元一行は夕張へと向かう。そこでは鶴見中尉の画策で刺青の偽物がつくられており、すでに死んだ脱獄囚の“刺青人皮”の争奪戦にそれが投入されることで、戦局はよりカオスになっていく。

 網走監獄の内通者で土方の仲間になる門倉利運、鶴見中尉に心酔する士官学校卒の新任・鯉登 音之進ら登場人物も増え、よりスケールアップしてくる物語の舞台はいよいよ網走へ。

“のっぺら坊”から全ての答えを得るため、土方一派と共闘した杉元たちは、互いにさまざまな思惑をもちながらも協力し、第七師団と戦いつつ、ついに網走監獄へ潜入する。一方、第七師団は駆逐艦で現れ監獄を襲撃。激戦の中で、杉元は監獄の典獄(監獄長)・犬童四郎助が隠していた“のっぺら坊”を見つけ出し、アシㇼパと対面させようとする。第七師団から離反し独自の動きをみせるスナイパー・尾形百之助、“のっぺら坊”を知る男・キロランケのとった行動とは?

 第2期の聖地と言えば「網走監獄」だろう。現在も「網走刑務所」として現存するが、1983年天都山の中腹に木造の旧建造物を保存公開している「博物館 網走監獄」が開館。国の重要文化財に指定されている「旧網走監獄」「旧網走刑務所二見ケ岡刑務支所」庁舎などの建造物を見ることができる。

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第3期:25話~36話

 網走監獄で生き残った杉元と谷垣は第七師団に囚われ、鶴見中尉に従うことになる。彼らは鶴見の腹心である月島基、鯉登とともに連れ去られたアシㇼパを追う。目的地はアシㇼパの父の生まれ故郷・樺太だ。

 そこで4人はロシアの伝統的な格闘競技・スチェンカで脱獄囚と戦い、曲馬団の公演に出演して命を狙われるなど厄介ごとに巻き込まれていく。

 アシㇼパは彼女を連れ去った尾形、キロランケとともにロシア軍と戦闘になっていた。ロシアにパイプがある鶴見中尉が、すでに彼らの動向・情報を流していたのだ。

 杉元らはアシリパの消息を追って北上していく。アシㇼパたちの目的はロシア領・北樺太の亜港監獄だった。監獄には“のっぺら坊”とキロランケの仲間だった女性革命家・ソフィアが収監されているのだ。そこでアシㇼパは父の過去を知り、刺青の暗号を解く鍵を思い出すが、尾形がそれに気づく……。

 はたして杉元とアシㇼパは無事再会することができるのか。

 樺太が主な舞台の第3期だが、第32話で土方が訪れた釧路と根室には聖地巡礼が可能だ。本編には釧路川河口付近に架かる「幣舞橋」が登場した。また釧路市立博物館のアイヌ民族コーナーには原作者・野田サトル氏のサイン色紙やポップが展示されている。そして土方と脱獄囚との対決シーンで描かれた根室の花咲岬に行くと、車輪のような形状で迫力満点の「根室車石」が迎えてくれる。

第4期まで待てない……!描かれるのはどこまで?

 最後に現時点で公開されている「第4期PV第1弾」から、2022年10月から放送予定の内容を予想し紹介する。凄腕の砂金掘り師“平太師匠”のホラーテイストのエピソードや、ジャック・ザ・リッパーとの戦いは確定。そして杉元一行と共闘することになる海賊房太郎が登場する。さらにどこまで原作通りに描かれるのかは不明瞭だが、宇佐美時重上等兵が本格的に参戦してくるようだ。第七師団の面子はますます濃く、ディープになっていく。

©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

 ジャック・ザ・リッパーの登場は、「札幌ビール工場」、つまり現在の「サッポロビール博物館」「サッポロファクトリー」が戦いの舞台になることを意味している。ビール好きならずとも聖地巡礼したくなる札幌で人気の観光スポット。アニメの背景にも要注目だ。

 原作の約1/3まで到達したテレビアニメ『ゴールデンカムイ』。多くの謎が明かされた第3期のラストから、よりスケールアップと面白さが加速していく「一攫千金サバイバル」の行方は。第4期のスタートまでもうあとわずかだ。

文=古林恭

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