「俺は君のにおいを嗅ぎに来ます‼」衝撃の純愛コメディ『あせとせっけん』がおもしろい!

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更新日:2018/8/6

(【Dモーニング公式サイトより)『あせとせっけん』(山田金鉄)

 酷暑の日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか? とくに多汗に悩んでいる人にとって夏は地獄。汗のにおいも気になるし、誰にも近づいてほしくない……という、コンプレックスが爆発する季節でもあります。

 現在『週刊Dモーニング』で連載中の『あせとせっけん』(山田金鉄)の主人公、八重島麻子もまた、自身の汗の多さに悩む多汗女子のひとりです。

 彼女は、女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー「リリアドロップ」の経理部で働くOL。麻子の日課は、毎朝会社のトイレにこもって汗ふきシートや制汗デオドラントで、においのケアをしてから出社し「汗をかかないよう極力動かず目立たずの日々」を過ごすことでした。人よりも汗っかきな体質のせいで、幼いころ「汗子」と呼ばれてからかわれた過去がある彼女は、それ以来、自分の汗対策に心血を注いでいるのです。

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 一度汗をかくと、それが気になって余計に汗をかき、さらには自分でコントロールできないにおいまで気になってくる、まさに負のスパイラル。多汗の悩みを抱える人ならば、麻子の悩みに共感できること請け合い……。

 そんな彼女の前に「これから毎日一週間… 俺は君のにおいを嗅ぎに来ます‼」と、鼻息荒く現れたのは“いいにおい”に敏感な嗅覚男子こと名取香太郎。彼は麻子と同じ会社の商品開発部に勤務するプランナーで、とにかく鼻が利く新しいタイプ(?)の変態でした。そして彼は言います。

「俺はあなたのにおいを嗅ぐとすごくインスピレーションが湧きます 新作のアイデアも浮かぶかもしれない…!」

(c)山田金鉄社

 突然においを嗅がれて、よくわかんないことを言われたら、誰でも普通にドン引きしますが、バスタイムを豊かにしてくれるリリアドロップのためなら、と一肌脱ぐことに。その後、名取は社内で麻子を見つけては、彼女の首すじやら胸のあたりなど、際どい部分のにおいを嗅ぎまくります。

 一方の麻子は、自分のコンプレックスでもある体臭が必要とされている事実に驚きながらも、次第に名取の役に立ちたいと考えるようになります。コンプレックスを受け入れ、少しずつ明るくなっていく麻子の表情にも注目です。そして、においを嗅ぐ、嗅がれるだけだった二人の関係にもある変化が訪れますが、続きはぜひ本編でご確認ください。

 コンプレックスを克服するのは容易なことではないけれど、誰かひとりでも受け入れてくれる人がいれば、少しでも前向きになれるのかも。そんな気持ちになれる作品です。

 ただ、1話を読んだ直後の感想は「麻子ちゃんかわいい。麻子ちゃんのにおい、嗅いでみたい」でした。ぜひ「麻子の石けん」を商品化していただきたいです。

文=丸井カナコ