障壁だらけの百合コメディ! 「教師と教え子」「同性」「親友の娘」を超えられるか…

マンガ・アニメ

2018/10/29

『草薙先生は試されている。(星海社COMICS)』(安田剛助/講談社)

 ラブコメを盛り上げるのは、ふたりの間の“障壁”だ。何もなければすぐに告白して付き合ってしまうような両想いのふたりでも、教師と生徒、年齢の差、同性同士…など、さまざまな“障壁”があることで、物語はときに切なさを増し、その“障壁”を超えたときの感動はいっそう強くなる。本稿で紹介する『草薙先生は試されている。(星海社COMICS)』(安田剛助/講談社)も、そんな“障壁”だらけの作品だ。

 いつもクールな中学校教師・草薙美奈子(36)は、教え子である久保田一姫(かずき)からの告白に動揺していた。草薙先生の脳内には、「教師と教え子」「年の差」「同性」などの言葉が駆け巡るが、問題はそれだけではない。大前提として、一姫は、草薙先生がかつて好きだった女性――久保田八重(やえ)の娘なのだ。草薙先生は、大好きな八重に想いを伝えられず、八重は男性と結婚してしまっていた。

 この“好きだった親友の娘”という設定があまりにも切ない。これは、付き合うことができない心理的な“障壁”であると同時に、否応なく彼女に“過去の恋”を思い起こさせるトリガーでもあるのだ。草薙先生は、八重の面影を残す一姫の顔が「めっちゃ好み」で、あの手この手で迫ってくる彼女にドキドキしている。だが、八重と同じ顔で笑う一姫の姿を見ていれば、自然と八重との思い出がよみがえる――。

 基本的には一姫が草薙先生をぐいぐい攻めるコメディ作品だが、ときおり現れる切ないパートがふたりの魅力を引き出していく。“同性”という障壁故に、想いを伝えることもできずに終わってしまった過去の恋。そして、乗り越えるべき壁はたくさんあるけれど、まだ始まったばかりの今の恋。草薙先生は、一体どんな未来を選ぶのだろうか。

 本作は、星海社が運営する4コマ漫画サイト「ツイ4」にて連載中。これまでの掲載分はすべて無料で読めるので、興味が湧いた人はまずこちらを。そして、先日発売された第1巻には、ファンを驚愕させるとんでもない書き下ろしマンガが…。ヤバすぎて語彙力を失う人が続出しているようです。

文=中川 凌