7つの体型と14の肌色。髪型も目の色も自由に選べる! 世界のファッショニスタ「バービー人形」60年の歴史

エンタメ

2019/11/21

『Barbie 60周年アニバーサリー 公式ブック』(講談社)

 異国からやってきたバービー人形はどこか大人びていて、意志の強そうな瞳と立ち姿に凛としたカッコよさをそなえている。ファッションも先進的で、いつかこんな美しい大人になれたらと憧れたものだ。そんなバービーの生誕60周年を記念して刊行された『Barbie 60周年アニバーサリー 公式ブック』(講談社)をひもといてみると、制作側の強いこだわりと女性たちへのメッセージが伝わってくる。

 バービー人形の生みの親であるルース・ハンドラーは、男の子は消防士や宇宙飛行士、医者などなんにでもなりきって遊べたのに、女の子には限られた選択肢しか与えられないことを疑問にもち、「女の子だって何にでもなれる」という想いをバービーに託していたという。

 1959年に誕生した初代バービーは、白黒ストライプ柄の水着に、金髪のポニーテール、大ぶりのイヤリングにサングラス。いま見てもまったく古さを感じないそのいでたちは当時の子供たちを魅了した。

 そして翌年、ルースの想いを反映して誕生したのがキャリアバービー。ファッションエディター、シンガー、フライトアテンダントにレジスタードナース。それぞれの仕事に誇りをもった自立心に溢れた佇まい、自分の人生の主役は自分なのだと見せつけるような華やかさ。きっと、子供だけでなく大人の女性の心をも打ったにちがいない。自分もこんな人形で遊びたかった、と。

 その後、職業の幅を広げ、ときにファッションブランドとコラボレーションしながら、世界のファッションリーダーとして君臨し続けてきたバービー。1980年にはアフリカン・アメリカンドールとヒスパニックドールを発表し、1992年には大統領選に立候補。2014年に開設されたインスタグラムのアカウントのフォロワー数は210万人を超えていて(2019年11月時点)、現実のインフルエンサーたちをものともしない圧倒的な存在感を放っている。

 さらに翌年、現実の「シーロー(あらゆる障壁を越え女性の可能性を広げてきた女性のヒーロー)」をモデルにしたドールを発表。アメリカだけでなく、ドイツ、ギリシャ、メキシコ、ペルーと多種多様の国から女性が選出され、日本からは大坂なおみさんや黒柳徹子さんが仲間入りしている。

 そう、世界中の女性のファッショニスタであるバービーに国境の壁など存在しない。7つの体型と14の肌のトーン、無数のヘアスタイルや目の色。好みの洋服を選んで着せれば、世界でたったひとつの個性がそこにたちあらわれる。2019年には車いすのバービーが登場し、バービーハウスにもスロープが備えつけられ、ますますダイバーシティが進んでいる。

 女性はみな、どんな見た目でも性格でも、胸を張って生きていればそれだけで美しい。そんな勇気と希望をくれるバービー人形。350体以上のドールが大集結し、眺めているだけで楽しいアニバーサリーブックをぜひともご堪能あれ。

文=立花もも