ときどき道草する方が人生は楽しい! おひとりさまエッセイで大人気・おづまりこの「ひとり時間の楽しみ方」

マンガ・アニメ

2019/12/11

『ゆるり より道ひとり暮らし』(おづまりこ/文藝春秋)

 自分のリズムを大切にしながら暮らしていける“おひとりさまライフ”は、快適で楽しいもの。しかし、一人暮らしが長いと、「暮らしがマンネリ化してしまっている…」と感じることもあるのではないでしょうか。そんな方にこそ手に取ってほしいのが、『ゆるり より道ひとり暮らし』(おづまりこ/文藝春秋)。

 著者のおづまりこさんは現在、一人暮らし9年目。これまでにも、楽しみながら節約ができる『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』(KADOKAWA)や安くて簡単な実践済みレシピを紹介した『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』(KADOKAWA)などを通して一人暮らしを最大限に楽しむ術を伝授しています。

 そうした過去作とは異なり、本作には初めて一人暮らしをした時のエピソードや上京してからのシェアハウス話、旅行記などを収録。これまでおづさんがどんな寄り道を経て、ひとり時間を楽しめるようになったのかを知れる作品となっています。

「おひとりさまの楽しみ方が分からない」「ひとりだと時間を持て余してしまう」と悩んでいる方も、おづ流の人生満喫術を知ると、ひとり時間の過ごし方をガラっと変えたくなるはずです。

■ひとり時間を楽しむ近道は「幸せ見つけ上手」になること

 一人暮らしを始めて間もないうちは色々な失敗にヘコんだり、ホームシックになったりすることも。おづさんも大学に入り、京都で初めて一人暮らしをした頃はなかなかひとりであることに慣れることができず、朝が苦手なので起きるのも一苦労だったそう。しかし、自炊を始めたり部屋のインテリアにこだわったりしているうちに、自然とおひとりさまの満喫方法を知っていったよう。

 中でもユニークなのが山遊びに熱中したというエピソード。

 お金をかけず目の前にあるもので楽しもうとするおづさんの精神は、この頃から変わっていないように思え、ほっこりとさせられます。

 また、大学で初めての課題に悪戦苦闘して満身創痍になった時は、1杯のコーヒーと夜明けの光景に助けられたことも。

 このエピソードにはひとり時間を満喫するための“いろは”が込められているようにも感じられます。

 おひとりさまは気楽な反面、孤独や寂しさを感じたり、ひとりで悶々としてしまったりすることもあります。しかし、心がささくれた日でも暮らしの中に小さな幸せを発見できる「私」であれば、自分の心を自分で満たしてあげられるようになるはず。

 おづさんの暮らし方を見ていると、「私も幸せ見つけ上手になりたい」と思わされ、いつものひとり時間の過ごし方を振り返りたくなってしまいます。

■寄り道や道草はワクワクの種

 大学卒業後、シェアハウス生活を経て、アラサーで一人暮らしを再スタートさせたおづさんは日々、新しいことにチャレンジ中。ひとり飲みの階段を徐々に上ったり、ひとりラーメンを楽しんだりと興味を持ったことに目を向け、ワクワクを補給します。さらに、公共の場ではオリジナルのルールを設けた“ひとり遊び”も実践中。

 能動的におひとりさまを楽しむこの姿勢は長年、ひとり時間を楽しめている理由であるように思えます。

 こうした姿を見せるおづさんはポジティブな人かと思えば、実はよく過去を振り返って悩んでしまう性格なのだそう。しかし、30歳で一人暮らしを再スタートするにあたり、寄り道が多くても自分らしくゆるく生きていこうと思えるようになったといいます。

 いつもと変わらない暮らしの中でワクワクを求めると、おひとりさまライフはもっと楽しくなる。そう訴えかける本作は、日常の中にこそ幸せはあるということに気づかせてもくれる一冊です。

文=古川諭香