「クルクル洗顔」はたるみをつくるだけ! TVで話題の形成外科医が教えるすっぴんクオリティの上げ方

健康・美容

更新日:2020/8/18

すっぴんクオリティを上げる さわらない美容
『すっぴんクオリティを上げる さわらない美容』(上原恵理/KADOKAWA)

 少しでも綺麗になりたいという願いから、デパコスにお金をつぎ込んだり、小顔マッサージをしたりしている女性は多い。近ごろはYouTubeやSNSでもさまざまな美容情報があふれており、効果がありそうなものはとにかくチャレンジしてみたくなる。しかし、その高い美意識が逆に、汚肌の原因になっていることもあるという。

 そう指摘する本書『すっぴんクオリティを上げる さわらない美容』(KADOKAWA)は人気バラエティ番組「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの形成専門医であり、美容外科医でもある上原恵理さんが手掛けた美容本。

 上原さんは職業柄、一見美肌に見えても中身がボロボロの汚肌をこれまでに多く目にしてきた。そこで本書では専門家ならではの視点で私たちが当たり前にやっているスキンケアをぶった切り、すっぴんクオリティが上がる正しい美容法を紹介している。

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美肌の基本は「さわらない・こすらない」

 化粧水をしっかりと肌に叩き込んだり、むくみマッサージを習慣化したりすることは肌にとってプラスで、スキンケアのデフォルト。そう思っている人は、きっと多い。しかし、実は常識として広まっているスキンケアは、肌に触りすぎなのだという。

 例えば、ベッドの上で毎日ジャンプを繰り返すとスプリングがへたってしまうように、肌も触りすぎるとコラーゲンやエラスチンのスプリングがへたり、皮膚がどんどん垂れ下がってしまうのだそう。

 さらに皮膚と骨は靭帯によって繋がっているため、こすったりマッサージしたりして頻繁に引きのばすと靭帯が緩み、ますますたるんだり、シミの増加や肝斑の原因にもなってしまうのだとか。美容雑誌でよく目にする「保湿しながらマッサージして血液とリンパの流れを良くする」という方法も実は、自ら肝斑を作る自虐行為なのだ。

 では一体、どんなスキンケアなら美肌になれるのか。上原さんが推奨するのは、さわらない&こすらないスキンケア。肌は年齢を重ねるにつれ、どうしても衰えていってしまうが、普段のスキンケアで「さわらない・こすらない」を意識すると老化のスピードを遅らせることができ、たるみや肝斑のような医学を用いても治療が難しい肌トラブルを最小限にできるのだ。

その洗顔、洗いすぎじゃない?

 スキンケアの基本は、なんといっても洗顔。汚れをしっかり落とすことが一番大切だと思い、クルクルとマッサージをしている方もいるのでは? だが、タオルで拭いた時に肌がつっぱるようならば洗いすぎている証拠。

 上原さんいわく、皮膚にはターンオーバーがあるため、多少残った汚れは無視してもOKなのだとか。逆に、洗いすぎて乾燥すると肌のバリア機能が壊れてしまい、皮脂分泌が増加。すると角栓が詰まりやすくなり、またクルクル洗顔してしまう…という悪循環が生まれる。

 このサイクルを断ち切るには泡立てたソープを肌の上に置き、押さえるだけの洗顔にチェンジ。その際は、3つのポイントを意識しよう。

①泡を顔に乗せる時間は30秒くらい
②メイク落としや洗顔料はたっぷり使う
③鼻やおでこなど皮脂の多いところからつける

 洗顔後はタオルでゴシゴシこすらず、優しく水分を拭き取ることも重要だという。

 なお、本書には自分のポテンシャルを120%高める美肌フレームワークとして正しい保湿の仕方や日焼け止めの塗り方なども掲載されているので、ぜひこれを機に自分の中の常識を疑ってみてほしい。

安易に試すと泣きを見る「NG美容法」

 プロならではのエビデンスをもとに、間違った美容知識を改められるのも本書の魅力。次々と現れる美容アイテムは斬新であればあるほど、つい手に取りたくなってしまうが、安易に試すと泣きを見てしまうものも多い。

 例えば、今話題のニキビパッチ。隠しつつ治せることから一見、優れものであるように思えるが、専門家の目から見ると密閉によって菌が繁殖し、かえって炎症を起こしてしまうアイテムなのだそう。上原さんの指摘は、「これは本当に意味があるのだろうか」と立ち止まるきっかけを授けてくれる。スキンケアだけでなく、巷で話題のボディメイク術の効果の有無にも言及しているので、そちらも見逃せない。

 当たり前だと思っていた美の常識を見直すと、時間やお金を他のことに使えるようになるので、生活に余裕が出てくる。正しいスキンケアには、生活や人生を豊かにしてくれる力があるのだ。何となく毎日のスキンケアをしている方はぜひこれを機に、本当に効果がある方法を知り、「史上最高に大好きな私」になってみてほしい。

文=古川諭香