自宅で簡単にできる育毛マッサージ！ 発毛診断士が教える「頭蓋骨トリートメント」とは？

　近ごろはメディアや雑誌などで特集が組まれるなどし、女性の薄毛が話題にのぼる機会が増えてきた。だが、髪の毛に関する悩みはデリケートなものであるため、誰にも相談できず、薄くなってきた頭を見ては、どうしたらいいものか……とひとり、悶々としている方も多いのではないだろうか。

　そんな方に希望を与えるのが、『フサフサ大作戦! ──あなたの髪がよみがえる方法のすべて』（久田篤/自由国民社）。著者の久田篤氏は、日本発毛協会認定の発毛診断士。実は著者自身、薄毛を克服したひとりで、実体験をもとに構築された育毛ノウハウはメーカーの研究者や経営者からも厚い信頼を得ている。現在は全国各地でセミナーを行いつつ、年間5000人以上の美容師たちに安心安全な発毛育毛法を指導する育毛のプロだ。

　本書は育毛の落とし穴や正しいケア法、最新の毛髪医療の知識などをまるっと学べる、薄毛対処本となっている。

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■日ごろの頭皮ケアには「頭蓋骨トリートメント」と「おでこ1分マッサージ」

　著者いわく、薄毛や抜け毛の原因には頭皮の老化が大きく関係しているのだそう。実は頭皮の下の頭蓋骨は年齢と共に歪みが現れ、それが原因で頭皮がつっぱり、弾力がなくなると髪に栄養素が行き渡りにくい状態となって、抜け毛や薄毛が誘発されるのだとか。

　また、髪の毛は食品で取り込んだ添加物や呼吸によって体内に入った車の排ガス、空気中の有害物質を体外に排出する役割を担っているため、そうした毒素や老廃物が気づかないうちに髪や頭皮に溜まると美しい髪作りが困難になると著者は指摘。

　特に、頭皮に老廃物が溜まると、炎症やトラブルが発生しやすくなり、その結果、頭皮は劣化。髪を作るための栄養分を運ぶ血流が悪くなり、頭皮がますます硬化して抜け毛や薄毛になりやすいのだという。

　さらに、頭皮は血液を送るポンプである心臓よりも高い位置にあるため、血流が悪くなる場合があり、髪の栄養分を運ぶ頭皮の毛細血管まで栄養が行き渡りにくい状態になることもあるとか。

　そこで、著者は「血」「酸素」「栄養素」「デトックス」という4つのキーワードを重視し、頭皮をケアしていこうと提案する。本書では血流を良くして発毛に必要な栄養分や酸素を頭皮全体に行き渡らせる効果が期待できる「頭蓋骨トリートメント」を紹介。

　頭蓋骨トリートメントは、頭蓋骨の歪みの解消にも効果的だと著者は語る。

　そして、リモートワークが多くなっている今は、「おでこ1分マッサージ」も意識したい。なぜなら、酷い眼精疲労が進行し、目の周りや額の筋肉が血流低下によって酸素不足・栄養不足となり硬化した結果、頭皮も硬くなると、抜け毛や薄毛の原因になると著者が指摘しているからだ。

　1分マッサージをする際は親指を手の中に入れずに両手拳を作り、第2関節の面をおでこに当て、1カ所数回ずつ回しながら移動。

　眉毛の上から髪の生え際まで、おでこ全体を往復し、まんべんなく行うのがポイントだ。

■頭皮のゴシゴシ洗いはNG！

　本書では斬新なマッサージ法だけでなく、正しいシャンプーの選び方・仕方なども学べて心強い。例えば、あなたは普段、シャンプー時にゴシゴシと頭皮を洗ってはいないだろうか。

　実はゴシゴシ洗いをすると髪と髪に摩擦が生じ、絡み、さらに抜け毛が増えてしまう可能性があるのだそう。著者いわく、頭皮はゆっくり優しく揉みこむように洗うのがポイントなのだとか。長年、ゴシゴシ洗いをしてきた方は、美容師が行っている「指抜き洗髪法」を取り入れ、揉みこむだけの頭皮ケアにシフトチェンジしていくのもおすすめだという。

　なお、シャンプー剤は直接頭皮につけず、手のひらでよく泡立ててから襟足につけ、徐々に全体に行き渡らせるのが重要だと著者は語っているので、こちらも意識してみてほしい。

　他にも本書には、頭皮のバリア機能が整うオイルマッサージ法や薄毛対策をする上で心がけたい食事など、今日から日常の中に取り入れられる対処法が盛りだくさん。著者は、「遺伝でハゲる？」などの素朴な疑問にアンサーを下し、男女で異なる脱毛原因も分かりやすく説明してくれているので、現在、薄毛に悩んでいない人も予防のために備えておこう。

　従来の理論とは違った角度から薄毛の改善を目指す、著者の育毛論。これを参考にすれば、鏡に映る自分にもう一度、自信が持てるようになるかもしれない。

文＝古川諭香