相手を思うからこそすれ違ってしまう…タイBLの青春ラブストーリー『Love By Chance』

エンタメ

公開日:2020/12/31

“これが、恋…?”

 運命の出会いによって始まる甘酸っぱい恋心を、繊細に愛らしく、相手を思うからこそすれ違ってしまう想いも描く青春ラブストーリー『ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance』はもう観ましたか? まだの方はぜひ今すぐ、もう観た方はもう1回、何度でも観てほしい作品となっています!

ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance
(C)Studio Wabi Sabi. All rights reserved.

 いつの間にかあの人のことを考えていて、いつしかその人のことを目で追って、もらった言葉すべてが大事になり、ちょっとのすれ違いで涙が止まらなくなる。そんな恋愛の喜怒哀楽をすべて詰め込んだ本作は、愛おしくて、切なくて、苦しくて、でも最高に素敵なお話になっているのです。

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 主人公はお金持ちの家で育ったマシュマロのように白い肌で可愛らしいピートと、サッカーまっしぐらで、学校の寮で暮らす、恋のコの字も知らない純朴でマジメ、でも男気があるエー。大学の学部も部活も違うふたりは出会うはずがありませんでしたが、ある時、車にぶつかりそうになったエーをピートが助けます。そうです。これぞ王道の出会い! 運命の出会い!

ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance
タイドラマは本当によく傷の手当てのシーンが出てきます
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 エーの優しさに触れたピートはそれからエーのことが気になってしまいますが、ピートは鈍感力を競えば人間上位に輝くほどの鈍感。さらに、ピートはゲイであることを理由にひどい仕打ちを受けていたため、積極的にはなれず…。その後もピートのピンチにはエーが駆け付ける王子様っぷりにどんどん惹かれていきますが、この恋は叶わないと勝手に幕引きをし、想いを閉じ込めようとするピートの姿はとても切なく…。しかし、エーは徐々にピートに対し、“何かしてあげたい”“いつも考えてしまう”とストレートにその気持ちを自覚していきます。そう、それが恋、それが恋なんだよ! 初恋に戸惑いながらも、ストレートに想いを伝えようと動き出すエーのカッコよさに、何度テレビの前で「頑張れぇぇ!」と叫んだか…。この正月、箱根駅伝ばりにふたりの恋愛を応援したくなることは間違いありません!

ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance
左:ピート 右:エー
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 ただ、本作には愛らしいラブストーリーのほかに、カミングアウトの問題や、アウティングなど、BL作品での大きな壁もしっかりと描かれていきます。そのたびに、周りがどう変化していくのか、そして本人たちがどう変化していくのか、ちゃんと描かれているからこそ、より応援したくなるのです。

ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance
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 さらにもう1組、見逃せないカップルが登場します。エーと同じサッカー部のキャンは、名前をなぞるようにキャンキャンうるさい中身は小学生のような、でも友情に厚い男の子。さらに、ピートと同じ学部で、冷徹でセレブな御曹司であるティンは口を開けば憎まれ口をたたきますが、実は心に深い傷を負っていて…。その凍てついたティンの心をほぐすのは、まさかのキャンなのですが、キャンがどうにもこうにも鈍すぎて観ているこっちがジリジリ…。実はこのふたりのお話は人気を呼び、『Love By Chance2』ではメインカップルとして登場。その理由がしっかりと分かるティン×キャンのお話もぜひ楽しんでください。

ラブ・バイ・チャンス/Love By Chance
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 実は本作は、大人気ドラマ『TharnType the Series』の3年後を描いた世界。演じるキャストは違いますがタイプやター、タムなどが出演します。それもあって、『TharnType the Series』にはティンとピートがカメオ出演していますし、そこでのセリフに「!?」と驚くところがあるので、一緒に観て楽しんでくださいね。

 相手がいるからこそ、思い通りに行かない“恋”。苦しくて、切なくて、でもどうしようもなく会いたくて、自然と涙がこぼれて…。つらくもあるけれど、恋愛は素晴らしい。そんなことを教えてくれる本作を、いまあらためてじっくり観てみることをおすすめします!

文=吉田可奈

<プロフィール>
吉田可奈:好きをとことん広めたいエンタメ系フリーライター。ダヴィンチやInRed、俳優誌などで執筆中。