1000枚の服を捨てたら人生が好転。クローゼットを見直し、服の呪縛から解放される〈服捨て〉メソッドとは【書評】
PR 公開日:2026/3/5

『服捨て 自分を解き放つメソッド』(講談社)は、ファッションエディターでありライフスタイリストの昼田祥子さんが、1000枚の服を捨てたら人生がすごい勢いで動き出した自身のストーリーを軸に、“服捨て”の効果やメンタルの変化、実践のステップなどを丁寧に記した一冊である。
「1000枚」と聞いて、“自分はそんなに服をたくさん持つタイプではない”“すでに整理整頓されている”と感じる人もいるだろう。しかし著者によれば、整理されているはずのクローゼットにも落とし穴がある。もしあなたが今、望まない人生を歩んでいたり、自分の生活や仕事に不満を持っていたりするならば、その原因を、クローゼットの中から取り除いていけるかもしれない。
「本当に捨てないといけないもの」は視界に入っていない
(39ページより引用)
クローゼットの中に、「褒められた服は持っておいていい」「いろんな着こなしをしないとおしゃれじゃない」などの思い込みによって、着ていないのに捨てられずにいる服はないだろうか?
本書では、服の捨て方を紹介している。しかし意外だったのは、本当に捨てる服は、自分の視界に入っていないということだ。「捨てられないものを捨てる」と聞いてパッと思いつくものはすでに認識できている。けれど、本気で人生を変えたいなら、捨てようなんて微塵も思っていないものにも目を向ける必要があるという。
ワクワク感よりも大切なのは、「役目」を与えること
(126ページより引用)
服を捨てて余白ができたクローゼットに、心から着たいと思う服を加えることも、服捨てのプロセスのひとつだと、著者は語る。一般的に、服を買うときの基準となるのは「好きな服」「似合う服」「ワクワクする服」などだろうか。しかし、著者はそれらをすすめない。買った服は、最初こそワクワクするかもしれないが、つきあい始めた恋人と同じで、その後は家族のような安心感に変化していくものだからだ。
著者の服選びはまず、「どんな自分でありたいか/どうなりたいか」を自分自身に問いただすところから始まる。その上で、服に「役目」を与えていくという。自分にとってのハレの日/ケの日とは。着用期間や着用頻度とは。それらを事細かく分析して手に入れた服は、ずるずると手放せなくなることなく、信頼できる相棒となって、自分自身が望むべき未来へと導いてくれるという。
意外なアプローチに驚くかもしれないが、自身の成功談に基づいた独自のメソッドだからこそ、信頼感と真実味がある。
クローゼットは自分を映し出す鏡のような場所
(199ページより引用)
自分がどうなりたいかなんて、自分がいちばんわからない…という人もいるだろう。しかし、そんな人たちに対して、著者は「クローゼットを見れば、その人がわかる」と投げかける。服捨てメソッドによれば、クローゼットは自分を映し出す鏡のような場所だからだ。
著者はこうも言っている。今の自分の生活や仕事、人づきあいなどに不満があるとしたら、問題を招いたのは自分自身であり、自分にダメ出しをしているうちは、自分に優しくできていないのだと。自分を承認し、本音を行動に移し、自分への愛を放出できるようになれば、世界は嘘みたいに優しく応えてくれる、と著者は語る。
服を捨て始めた10年前は不安しかなく、「何事も起こらず、このまま静かに人生が終わればいい」とさえ考えていたという著者。今はそんな自分を思い出せないくらい、人生がまるっきり変わってしまったという。扁桃炎がぱたっとなくなるなど、心身の不調まで和らいだというから驚く。
服への呪縛を取り払い、発想を自由にする——。服捨てによる思考の変化は、思わぬ未来を引き寄せるかもしれない。今、必要なのは、行動しようとする決断だけ。あとは、本書のメソッドに沿って、本当の意味で自分の人生を生きるための循環の中に入るだけだ。
文=吉田あき
