「メフレ(飯フレンド)」になりませんか? マッチングアプリで見つけた、ごはんがつなぐ男女の関係【書評】
公開日:2026/4/24

『ただの飯フレです』(さのさくら/幻冬舎コミックス)は、マッチングアプリで出会った二人がごはんを通じて真っ直ぐで対等な繋がりを築いていくありそうでなかったごはんマンガだ。
一人暮らしのごはんは、料理好きや節約といった理由がなければ、ないがしろになりがちだ。好きなものを食べているはずなのに、カップ麺では心が満たされない……。最近ごはんがつまらないと感じていた、一人外食が苦手なOL・春川は、マッチングアプリで「ごはん友達」を探してみることにした。しかし届くのは「ヤリモク」の通知ばかりで、アプリを消そうと思ったところに届いた一通のメッセージ。半ば諦めながら会ってみると、そこに現れたのは不思議な雰囲気を纏った女装男子の真冬。進む先はラブホ街で前途多難に思われたが、真冬が案内するのは、外見に反してどれも美味しい店ばかり。
久々にごはんを美味しいと感じたのは、誰かと一緒だったからかもしれない……と、これで終わりにしたくないという思いから春川と真冬はセフレならぬ「飯フレンド(メフレ)」となることに。一人では予約できない店に行けるうれしさ。何となくこのまま一人でいたくない気持ち。理由は何であれ、お互い突発的に誘って、タイミングが合うときだけ会うという肩肘張らない距離感を築いていく。
マッチングアプリで出会ったこともあり、周りからはラブな関係だと邪推されがちだが、二人は「恋人」でも「セフレ」でもない。大人になるほど新しい関係を築くのは難しくなるものだ。ごはんを共にし、互いのことを共有しあい、お腹も心も満たされる姿に憧れを感じると共に、読んでいて深く癒される。
友人から「刹那的な関係」と言われ、胸にざわつきを覚える春川。二人の関係はこのままごはんを共にするだけの「刹那的な関係」なのか。周囲の人間関係も交え、二人の関係はどうなっていくのか。今後の展開が気になる本作は、ほっこり心温まる癒しの一冊だ。
文=ネゴト / Ato Hiromi
