塩対応男子からの無自覚な特別扱い…!? 難攻不落なイケメン外科医とのじれキュンラブストーリー【書評】

マンガ

PR 公開日:2026/4/17

テリトリーラブ~その外科医、難攻不落につき~
テリトリーラブ~その外科医、難攻不落につき~(田村よもぎ:作画、滝井みらん:原作/スターツ出版)

 女嫌いで女子には塩対応なイケメン外科医が自分にだけ甘い……そんな王道展開のキュンを届けてくれるラブストーリー『テリトリーラブ~その外科医、難攻不落につき~』(田村よもぎ:作画、滝井みらん:原作/スターツ出版)。疲れた心を癒してくれること間違いなしの物語だ。

 主人公・優里はブラック企業で働く新卒社会人。体調不良で訪れた診療所で初恋の人・玲人に再会する。玲人と出会ったのは13年前。幼い頃に両親を亡くした優里は祖母が家政婦として住み込みで働いていた家で暮らすことに。その家が玲人の実家。玲人は大病院の御曹司なのだ。初めての場所に戸惑っている優里に冷たくもストレートな言葉をかけてくれた玲人。以降優里にとって玲人はずっとヒーローである。

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 玲人がアメリカに渡ってからもずっと彼を思い続けてきた優里。6年ぶりに再会した玲人は冷酷&女嫌いなところはそのままで、女性には特に塩対応な“難攻不落男子”になっていた。再会できたことが嬉しくてそんな玲人に好意を隠さずコミュニケーションを取る優里。ふたりのやりとりがコミカルなのも本作のいいところ。ふざけながらも好意を伝え続ける優里の幸せそうな表情がかわいくて「こんな子を好きにならないわけがない!」と気づけば背中を押したくなっている。

 玲人にすげなくあしらわれることすら喜ぶ優里だが、玲人に心配をかけたくないため、診察中にも本当に困っていることは打ち明けない。しかし、激務に加えて隣人の深夜にわたる騒音でさらに寝不足になった優里は倒れてしまう。そこに居合わせ、その事実を知った玲人は自分の家に優里を連れていき、「体調がよくなるまではうちにいていい」とまさかの同居を提案する。

 本作のキュンポイントは、塩対応男子からの無自覚な特別扱い。同居の提案に混乱した優里が「ずっと居座っちゃうかもよ!?」と言えば玲人は「優里は俺が本当に嫌がることはしないだろ」と一言。こんな「お前のことはよくわかってるし信頼してる」感満載の言葉の直後に頭をひとなでして、お粥を作りに行く。玲人の無自覚な愛情表現がズルすぎる。

 さらに「また倒れたらいろいろと面倒だから」とさらっとGPSを共有。口では冷たいことを言いつつも愛が重めな行動に出る玲人もかわいい。人間のほとんどに興味がなさそうな玲人だからこそ、この行動にもキュンとする。

 忙しく働く玲人の負担になってはいけないと優里がベッドで寝ることを固辞すると、玲人は「一緒に寝ればいい。昔よくせがまれて寝てたしなんてことないだろ」とさらっと言い放ち、先にベッドへ。そのあまりのなんてことなさに優里は「自分のことを女として見ていないんだ」と落ち込んでしまう。

 しかしパーソナルスペースの広い人間が同じベッドで寝かせてくれるなんてそれこそ究極の特別扱い、もはや愛では? と盛り上がるこちらをよそに、玲人はまったく自分の感情に気づかない。ハイスペイケメンだけど女嫌いの玲人にとってはこれが初恋のようなものなのだろう。一方優里も「家族みたいなものだと思われている」という思い込みが強すぎて、玲人の気持ちに気づかない。そんな初恋同士だからこそのすれ違い、じれったさも本作の楽しみだ。

 優里が玲人を支えるなど、ふたりの関係にも次第に変化が表れる本作。すでに自分のテリトリーに優里が入っていることに、玲人はいつ気づくのか? その瞬間を楽しみに読み続けたい。

文=原智香

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