山田杏奈「本を開いて活字がびっしり並んでいるのを見ると、『キレイだなぁ』って見とれちゃいます(笑)」

あの人と本の話 and more

公開日:2016/7/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、現在公開中の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で瑞々しい演技を披露している山田杏奈さん。普段は小説、マンガを問わず読み漁るという彼女に、お薦め本『天翔る』の魅力や彼女ならではの読書観についてお話をうかがいました。

「この作品に登場する大人たちはみんな、まりもちゃんの成長を優しく見守っている。読み終わった後、私も、自分と性格の異なる周りの人たちが、普段どんなことで悩み、どんなことを思って生きているのだろうと考えるようになりました。その意味でも、いろいろと学ばされることの多い小説でした」

 山田さんがお薦め本に選んだ『天翔る』は、村山由佳作品としては初めて読んだものだったそうだ。

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「普段はミステリー小説を読むことが多いですね。特に好んで読むのが湊かなえさん。少しダークなあの世界観が大好きで(笑)。ただ、どっぷりと入り込むというのではなく、いつも客観的な視点で読んでます。例えば、登場人物の誰かが罪を犯すと、『あ〜、やっちゃったなぁ……』って冷静に思っちゃったりして(笑)。ですから、主人公に思いっきり感情移入して読んだ『天翔る』は、私にとってはすごく新鮮でした」

 読書が趣味の母親の影響で、自身も本好きに。学校の友だちにはたくさん字が並んでいるのを見るのが苦手という人も多かったそうだが、彼女はその逆だった。

「ヘンな人と思われるかもしれませんが、ページを開いて活字がびっしり並んでいるのを見ると、『きれいだなぁ』って思っちゃうんです(笑)。だから、ずっと本を読んでいられる。気がつけば時間が経つのも忘れて。読書に没頭していることなんてしょっちゅうです」

 山田さんはこの春、高校1年生になった。すでにドラマやCMで活躍しているが、女優としての道はまだまだ歩み始めたばかり。そんな彼女に、今後役者としてトライしてみたいジャンルを聞いてみると、すぐさま「恋愛モノです!」との答えが。

「あまりやったことのないジャンルなんです。特にやってみたいのが、少女マンガの『好きです鈴木くん!!』という作品。女優を目指している女の子と、彼女に魅了された中学校時代からの同級生の男の子が一緒に成長していく物語で、今でも何度も読み返すぐらい大好きです。もし実写化があればぜひ挑戦してみたいですね!」

(取材・文=倉田モトキ 写真=山口宏之)

山田杏奈

やまだ・あんな●2001年埼玉県生まれ。「ちゃおガール2011☆オーディション」でグランプリを受賞。2013年にドラマ『刑事のまなざし』にレギュラー出演するほか、大河ドラマ『花燃ゆ』『スミカスミレ』など数々の話題作にも出演。昨年放送されたCM「城とドラゴン」では歌声も披露し、注目を集めた。
ヘアメイク=横山雷史郎 スタイリング=杉浦 優(ザ・ボイス) 衣装協力=バーガー 179/WG(ニコル プレスルーム 電話03-5778-5445)

 

『天翔る』書影

紙『天翔る』

村山由佳 講談社文庫 780円(税別)

学校でのいじめを経て不登校になった11歳のまりも。早くに父を亡くした、彼女を支えるものは理解ある周囲の大人たちの存在と、馬と一体となり野山を翔ける耐久競技「エンデュランス」だけだった。雄大な北海道の自然に囲まれて、自分の生き方を見つけようとあがき続ける少女の姿が読む者に力を与える感動作。

※山田杏奈さんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ8月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』

監督・脚本/宮藤官九郎 出演/長瀬智也、神木隆之介、尾野真千子、森川 葵ほか 配給/東宝、アスミック・エース 現在全国で上映中
●修学旅行中に不慮の事故に遭った大助(神木)が目覚めた場所はなんと地獄だった。彼の未練は、片思い中のひろ美(森川)にまだチューもしていないこと。その夢を叶えるため、大助はロックバンド「地獄図(ヘルズ)」を組む赤鬼キラーK(長瀬)の指導を受け、地獄巡りを始めることに……。
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