「根本流風」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2017/10/11

根本流風

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第177回となる今回は、「けものフレンズ」でコウテイペンギン役、「VENUS PROJECT」で香島夕役を演じる根本流風さんです。

――声優を目指すようになったきっかけは?

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根本:小学校3年生くらいで声優という職業を知りました。戸田恵子さんが、とあるドラマに出演されていたのですが、親に「この人は『それいけ!アンパンマン』でアンパンマンの声を出している人だよ」と教えてもらったんです。そこから色々調べていくうちに、魅力にすっかり取りつかれてしまいまして……。10歳のときに学校で「2分の1成人式」という行事が行なわれて、「将来の夢は声優です!」と宣言しました。小学生のころの友人に会うと「あのときの夢、かなったね!」と言ってもらえるのが感慨深いです。

――テレビアニメは昔からご覧になってました?

根本:小学生のとき、友人のお姉さんが録画した深夜アニメをよく観ていて、そこから色々なジャンルの作品をたしなむようになりました。ちなみに最初に観たのは「ひぐらしのなく頃に」という作品で、すごく怖いシーンだったので、ちょっとしたトラウマになりつつ(笑)「こんなアニメ作品もあるんだな」というのを知りました。

――その後、2013年に放送された「スパルタンMX」という声優オーディション番組に応募し、見事最後まで残りました。

根本:アニメを観ていたら、CMでたまたまオーディション募集の告知を知りまして。私は元々養成所に通うつもりで、それを見越して高校時代も単位制の学校に通っていたのですが、受かったらデビューへの近道になると思いまして、すぐに飛びつきました。

――番組内では、ライバル達との過酷なサバイバルレースを制しました。

根本:挑戦者をふるい落とすため、泊りがけの合宿が行なわれたのですが、私は運動が苦手で、持久走はビリだしダンスでも先生から厳しい言葉をもらったりして「声優になるのってこんなに大変なんだ」と思い知らされました。
確かに過酷ではあったのですが、夢をかなえるためなら、ということで辛くはなかったです。ひたすら目の前のハードルを越えるため、がむしゃらにやっていたのを覚えています。

――番組内では実際に、とある番組のアフレコオーディションも受けましたね。

根本:最終的には主役のキャラクターは落ちてしまったのですが、オーディションでは同時に複数の役での掛け合いをやらせていただいたんです。
先輩の声優さんとも掛け合いをさせてただきまして、当時は私のなかで勝手に「なんとかなるだろう」という気持ちがあったのですが、いざやってみると全然うまくいかなくて……。すごくいい実践経験になりました。

――実際に声優のお仕事を初めて、苦労したことは?

根本:デビューされた方の大半と違い、私は養成所でレッスンを受けていないので「そこは本線で」みたいな業界では常識の専門用語も現場で覚えることが多いのは、ちょっと大変でしたね……。

――デビューからこれまでで、ご自身で成長したと思える点はありますか?

根本:アフレコ中、最初はほかの人が演じた後にマイクに入り、すぐに抜けるといった動きが中々できず、ひとりで抜き録りをすることもしばしありました。でもなんとか克服することができ、リラックスして臨むことができるようになったかな、と思います。

――「スパルタンMX」で結成された声優ユニット「キャンディボイス」(現・アイドルオーケストラRY’s(リィーズ))のメンバーの一人として活動中です。

根本:私は歌うときにどうしても個性を出しすぎてしまうことがありまして、そこをよく指摘されてしまいまして……。
逆に「VENUS PROJECT」という作品で香島夕としてひとりで歌うときは自由度も高いなかで歌えて楽しかったものの、ステージでひとりで立って歌うのは緊張しますからね(苦笑)。最初のころは歌詞が見える状態で歌っていても間違えてしまうことがありましたし。

――先日、RY’sのリーダーである近藤ゆきさんが卒業を発表されました。

根本:「スパルタンMX」のころからの付き合いですからね……やっぱり寂しいです。彼女も女優という夢に向かって前向きに卒業していくので、私がくよくよしていてもダメだな、と思い、バースデーイベントをメインでプロデュースしました。
RY’sは、私にとって「やりたいことをやらせてくれる場所」なので、これからも大事にしていきたいです。

――声優ユニットの「けものフレンズ」で「PPP(ペパプ)」の一員として大活躍されていますね。

根本:「けものフレンズ」というアニメは、今までに経験したことのないことをたくさん経験させていただき私の声優人生において、かけがえのないものになりました。
スタッフさんが「仕事帰りで深夜にアニメを観る際、癒しを与えられるような作品にしたい」とおっしゃっていたのを聞いていたので、これだけ世に広まってくれて、この作品に携わることが出来て本当に幸せです。

――癒しと言えば、根本さんが最近癒しを感じるためにしていることはありますか?

根本:家族で「人狼ゲーム」をすることが多いです。人間や人狼、占い師など登場人物がたくさん出てくるのですが、声優として役を演じるところにも通じるところがあるかな、と。RY’sのメンバーとも遊んでいますよ。
私、常に何かを考えていないと落ち着かなくて、嫌なことがあっても何か別のことをして思いを上書きするようなタイプなんですよね。

――ちなみに、どこか行きたい場所はありますか?

根本:「けものフレンズ」でコウテイペンギン役をやらせていただいているのですが、日本中で愛知と和歌山にしかいないらしいんです。ペンギン自体は昔から好きなのですが、コウテイペンギンは見たことがないんです。時間があればぜひ行きたいですね。

――さて、根本さんは来年の2月で二十歳を迎えます。

根本:デビューから5年、本当にあっという間でした! 「大人」になるということですからしっかりしないといけない気持ちを強く持ちたいと思っています。
デビューした当時は現場では常に最年少でしたが、最近では私よりも若い子がいたりするんですよね。制服を見ると「こんな時代もあったな」って(笑)。今はまだまだ、目の前の仕事をこなすのに精一杯なので、二十歳を機に明確な目標を持っていきたいですし、先輩としてビシッとキメたい気持ちもあります。

――具体的に考えている目標はありますか?

根本:単独でのイベントをやりたいです。先ほどRY’sのイベントをプロデュースした話をさせていただきましたが、イベントの企画や進行台本を作ったりするのが好きなんです。ですから、私のことをよりよく知ってもらえるように、私プロデュースの私のイベントをやってみたいです!
声優としては、これまでも大きい役をやらせていただいてはいますが、やっぱり主役を勝ち取りたいですね。のちのち「●●(作品名)の主役、私がやってるんだよ!」と自慢できるように頑張ります!

――二十歳になるとお酒も飲めるようになりますね。

根本:すでに「誕生日になったら一緒に行こうよ」とお声がけもいただいているので、今から楽しみです! でも、周りにお酒が強い人がたくさんいるんですよね……佐々木未来さんとか(笑)。私の家族は結構お酒が強いほうだと思いますので、恐らく私もいけるのでは……と思っています。
現在、二十歳をお祝いするバースデーイベントを企画しているのですが、打ち上げでお酒を飲めるよう、できれば誕生日よりも後の日程で開催してもらうようにお願いしています(笑)。

――声優として、今後はどんな役を演じたいですか?

根本:男の子の役をやってみたいです。「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」というゲームで朴璐美さんが演じられていた、白鐘直斗というキャラクターがいるのですが、少年なのか少女なのか分からない、中性的な人物なんです。そんなタイプの役もやってみたいですね。

【声優図鑑】根本流風さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

根本流風

根本流風(ねもと るか)MILLENNIUM PRO所属

根本流風(ねもと るか)Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=佐伯 敦史、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト