「あれ、これしこりかも!?」乳房のしこりでも乳がん以外の病気の可能性も

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2019/3/22

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

しこり

 胸=乳房にできる「しこり」には、良性のものと悪性のものがあります。「しこり」の定義はあいまいですが、指で触った時に何らかの塊状のものが触れる場合にそれを「しこり」と呼んでいるケースが多いでしょう。乳がんの早期発見のためには、月に1回自己触診をすることが推奨されていますが、自分で胸を触った時に「なんとなく硬いところがあるかも…」と不安になった人もいるかもしれませんね。固い部分がすべて「しこり」とは限りませんし、しこりがあったらすべて乳がんなわけでもありません。

 しこり状のものが触れる良性の病気としては、乳腺炎・乳腺症・乳腺繊維腺腫などがあります。乳腺炎は、乳腺組織の一部に母乳がたまってしまい、そこが硬くしこり状になったり炎症が起きてしまった状態です。母乳が作られている期間、つまり授乳中にしか起きません。母乳のつまりがひどいと、非常に硬いしこりとして触れたり、表面がごつごつしたりするので、乳がんを疑いたくなるかもしれません。母乳のつまりがなくなれば、しこりも消えていくため、気になった時にはまず分娩した病院や助産院で相談してみるとよいでしょう。

 乳腺症は30~50代の人に比較的多くみられる、ホルモンのアンバランスさのせいで乳腺組織そのものが増殖しすぎた状態です。境目があまりはっきりしない弾力性のあるしこりがごつごつと触れたり、乳房の痛みや張りが出ます。生理の周期によって症状が強く出たり軽くなったりすることが多く、ほとんどの人は生理前に張りや痛みがひどくなります。乳がんと区別がつきにくいこともあるため、乳腺症が疑われたら超音波検査やマンモグラフィで悪性を疑う所見がないかを確認したり、最終的な診断のためにしこりに針を指して細胞を調べたりします。

 乳腺繊維腺腫は、20~30代の比較的若い女性にできやすい良性の腫瘍で、表面がつるっとしていて境界がはっきりした弾力性のあるしこりができます。押さえても痛みはなく、動かすとコロコロとスムーズに動くのが特徴です。

 乳房にできる悪性の腫瘍が「乳がん」ですが、乳がんのすべてが「しこり」を作るとは限りません。蜘蛛の巣が這うように広がるタイプの乳がんもあるため、「しこりがない」=乳がんがない、とは言い切れません。ただ、乳がんを疑う一番わかりやすい症状が「しこり」ですので、自己触診で普段触れないものが触れたりした時には、すぐに受診しましょう。良性のしこりと乳がんのしこりの違いは、乳がんの場合痛みを伴うことは少なく、表面がごつごつといびつで硬く、動かしてもあまり動かないという特徴があります。もちろん、触った感じだけで乳がんかどうかは判別できませんので、疑わしい症状がある場合は詳しい検査が必要になります。

 一口に「胸のしこり」といっても、放置して問題ないものから乳がんまでさまざまな病気が考えられます。気になる症状があれば、自己判断せずに必ず乳腺専門の病院を受診してくださいね。