運転席や助手席のシートで快眠するには? エコノミークラス症候群を予防!災害時、旅行にも役立つ【車中泊マニュアル】

暮らし

公開日:2016/7/29

 4月14日に発生した熊本地震では、避難者のなかでエコノミークラス症候群を発症する人が続出。車中泊をしていた発症者に死者が出たことも大きなニュースになった。

 『カーネル特選!安全・快適車中泊マニュアル―完全保存版』(地球丸)は、そんな車中泊でのエコノミークラス症候群の予防法や、様々な車中泊のノウハウをまとめた一冊。車中泊を楽しむための専門誌『カーネル』が、熊本地震の発生を受け、車中泊での健康被害の減少のために緊急出版したものだ。

 同書では、車の中で安心・安全・快適に眠るためのテクニックとして、「ベッドメイキング」「荷物の仕分け」「目隠し対策」「場所選び」「ギア選び」などの項目を詳しく解説している。特に、エコノミークラス症候群の予防のカギにもなるのがベッドメイキングだという。

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 エコノミークラス症候群は、長時間足を動かさずに同じ姿勢をとり、血流が滞ると発症しやすいとされている。本書の解説によると、特によくないのが「足を下にして長時間寝ること」。足を心臓と同じくらいの高さにすることが理想だそうで、そのために寝床をフラットにするベッドメイキングのテクニックが必要になるわけだ。

 まず運転席や助手席のシートで寝る場合は、タオルや毛布、衣類で隙間を埋めるのが手軽で効果的とのこと。タオルや毛布、ブランケットなどは、クッション性を維持したまま段差を埋めるのに最適で、防寒具にもなるため、緊急時を想定して車内の多めに用意しておくと安心だそうだ。

 また、もとからフラットな荷室を寝床にする方法も紹介されている。ただ荷室は防寒性やクッション性に難があるため、銀マットなどのアイテムの活用が勧められていた。

 そのほか、「遮光やプライバシー保護のための窓の塞ぎ方」「冬場の寒さや夏場の暑さ対策」「ペットと車で避難する場合に準備すべきこと」なども本書では解説されている。巻頭言にある「快適な『車中泊』のノウハウは、緊急時にこそ、生きる!!」という言葉の通り、そのノウハウを学んでおくことは、災害への備えにもなるはずだ。

文=古澤誠一郎